裏返らないような脱ぎ方をするのが一番よいことですが、服を脱ぐとそのまま袖が裏返ってしまうことはよくあります。指先が見えない袖の中に手を入れて、見えないものをつまんで引っ張り出す、なかなか難しいことです。犬の鼻に当たるボタンをつまんで裏返せば、猿に変身する人形を作り、袖を裏返す練習ができる遊びにしてみました。
従来作ってきたものは、表や裏につけるキャラクターを、布で表現してきたので、製作がとても困難でした。この部分を、Tシャツなどに図柄などを転写するアイロンプリントを利用することにより、とても簡単にリバーシブルな、変身する人形を作ることができました。
材料
品 名 | 寸 法 | 数 量 | そ の 他 |
表のキャラクターに合った色の布(筒の部分) | 60cm×30cm | 1枚 | |
裏のキャラクターに合った色の布(筒の部分) | 60cm×30cm | 1枚 | |
キャラクターをプリントする部分の布(底の部分)、白色綿布 | 20cm×20cm | 2枚 | |
猿のおなかの部分 猿の顔の色と似た感じの布(フェルト) | 15cm×15cm | 1枚 | |
アイロンプリントペーパー A4サイズ | 1枚 | ||
ボタン(キャラクターの鼻につけてつまみやすくする) | 適当な大きさ | 2個 | |
ミシン糸・手縫いのときは手縫い糸・しつけ糸 |
出来上がり寸法
筒(円周) 38cm たて25cm 底の部分 直径 12cm
布の裁ち方の図面
筒の部分
底を縫い合わせる時にずれないように、4等分したところに、目印(赤のところ)を付けておきます。
縫い代は1.5cmずつあります。
底の部分
底を縫い付ける時にずれないように、4等分したところに目印(赤のところ)を付けておきます。
猿のおなかの部分
猿の顔と似たような色の布を用意し、下の型紙通りに切り、おなかのところに縫い付けます。(原寸大)
製作
以上の材料がそろえば、いよいよ製作にかかります。
@布の裁断
裁ち方の図面を参考にして、筒、底になる布を裁ちます。縫い代はどれも1.5cmです。
B おなかの布の縫いつけ
猿のおなかの型紙を参考にして、おなかになる布を裁ち、猿側のおなかになるところに縫いつけます。手縫いの、縫い目の感じがおもしろさを添えるようです。
A 底へのアイロンプリント
あらかじめ印刷したTシャツ用のアイロンプリントを、底の部分に転写しておきます。犬と猿各1枚です。アイロンプリントは、透明で裏の生地が透けて見えますので、底になる部分の布の色は、白いものの方が適当です。
プリントする時は、底になる円の□の目印と犬や猿のあごを合わせて、転写します。ただし、アイロンプリントは左右逆転でプリントアウトされています。また、転写は絵のある方を布に当てて(つまり裏返しで)します。
C 筒布の縫い合わせ
まず、筒布を中表にして縫います。猿と犬それぞれを縫います。
D 底と筒に目印を付けて待ち針を打つ
筒と底を縫い合わせる前に、先に付けておいた目印同士を、待ち針で止めていきます。これで筒と底の円周がぴったりあって、きれいな円が出来上がります。猿と犬それぞれをしておきます。
この時、犬と猿のあごが来る位置を裁ち方の図のようにします。こうすると筒として完成したときに、筒の縫い目が重ならないので、筒になるところが、分厚くなる感じが少なくなります。(写真をご覧ください)
E 筒布と底の仮縫い
しつけ糸で細かい目で筒と底を縫い合わせます。(ミシンで縫ってもよい)
これは猿ですが、犬も同じように仕上げます。
F 本縫いをする
裏を外側にして、底と底とを重ね本縫いをします。犬の筒、犬の底、猿の底、猿の筒と4枚重ねで縫うことになります。
G 手を入れる口を縫う
最後に手を入れる側を縫って、人形本体は完成です。
H ボタンを付ける
このままでは、ひっくり返すときにつまむ手がかりがないので、犬、猿の鼻のところに手がかりとなるボタンを付けます。これで出来上がりました。「ワンワン」と犬を出したり、「キャッ、キャッ」と猿を出したり遊びながら、見えないものを、手探りでつかむことや、表返しの動作そのものにもなれていくことができます。
I アイロンプリントの原稿
底になる犬や猿のあごの位置はこの赤い★印のところにきます
アイロンペーパーは、裏であることを示すために、裏面には、このように斜線が印刷されています。また転写は左右逆転でされますので、印刷後の転写紙は、このように左右裏返しの感じに見えます。
犬の縫い目
赤の線
サルの縫い目
黄色の線
この人形の製作にあたって、中嶋末子さんに多大なご協力をいただきました。
ここに記してお礼とさせていただきます。
型紙