つまる音(促音)についての視覚支援

 ひらがなを覚え、清音や濁音も読めるようになり、生活の中で使おうとして、困るのが促音の読み方です。
 例えば、まじっくと書くと「ま」「じ」「つ」「く」と読んでしまう子どもは多いものです。

 小さな「っ」は、上の文字(縦書きの場合)、左の文字(横書きの場合)とくっついて促音を表わしているという約束がわかることが必要です。
 つまり、小さな「っ」は、書いてあるけれど読まないということがわかる必要があります。しかし、子どもにとっては、大きかろうと、小さかろうと書いてあるから、正直に読んでいるのであって、これが促音が読めない原因と考えられます。

 そこで何かわかりやすい方法はないものかと考えてみました。書いてあるから読むのだったら、書いてあるけど読まないということがわかりやすいように、小さな「っ」を読まないという意味で文字の上から×を書いてみました。まじっくを例にすれば、確かに読まないで一呼吸あけて、次のくを読むことができました。
 聞いていると「ま」「じ」「mute」「く」となり、確かに促音のように聞こえます。

 これで促音らしく読めるようになったので、他への汎化を試みてみました。同じような促音のある言葉に×をつけて読んでいきました。なんとも素朴な絵ですが、読めることがわかり、思いつくまま促音のあることばを急いで描いたものです。
 上段のことばには×をつけましたが、ルールがわかってきた様子で、下段のことばには×をつけなくても読むことができました。

 授業中に思いついてやってみたことですが、こんなに簡単にすんなりいくとは思いませんでした。
 拗音はどうかとやってみましたが、これは促音と違い、読む字をだまる→獲得した読む力を休むという動作でできますが、拗音は表記は似ているものの、「き」と「ょ」のかたまりで新たな音ができる→つまり「きょ」という文字と「きょ」の音を学習する必要があるということに気がつきました。

 この日はプールのある日で、「ぷーるでもぐった、やった、すごい」と書くと、文中でもその通り読むことができ、とてもうれしい一日となりました。

 音韻学では、促音の発音には
@ 次に破裂音が来る場合
A 次に摩擦音が来る場合
B 次に音が来ない場合
など分類してあり、Bの場合この読み方になるようです。といった意味では、正確な発音とはいいがたいですが、まじっくをまじつくと発音するよりまじ・くの方がより自然に近いのではないかと考えられます。

このページの作製にはWikipediaを参考にさせていただきました。