最終更新日:2000年12月31日(日)

ガンパレード・マーチ SLG(シミュレーション) PlayStation
SCEIAlfaSystem 2000/09/28発売 5800円
ファミ通評価; 31点/40点 販売本数; 4万0682本 俵屋評価; 7点/10点
現在の価格;4000円ぐらい 4ブロック〜 備考;2週目以降、別主人公でプレイ可能

[概要]
「自由度が高い」のがウリのシミュレーションゲーム。大まかに、戦車学校という兵士養成学校に通いながら、戦車の整備や、戦闘や、恋愛や、友情や、バイトや、泥棒や、靴下に青春を費やす「学園生活パート」と、人類に敵なす幻獣と戦う「戦闘パート」に分かれている。

このゲームの楽しいところは、プレイヤーキャラ以外の登場人物もそれぞれ目的をもって行動している点で、各キャラはAI(人工知能)で判断して行動していき、主人公と同様に成長したり誰かを好きになったりしていくのである。

さらに(自分だけではなくクラスメートも含めて)職業を変えることが出来るのも大きな特徴。例えば戦闘の主役である戦車乗りにならずに、裏方の整備員の仕事に徹したり、部隊を率いる隊長になって部隊の運営を考えたりも出来る。

戦闘の難易度はそれほど高くないが、撃墜数にこだわり出すと途端に難しくなる。あまり敵を倒しすぎると、敵の総数が減って撃墜数をのばせず、かといって手加減すると味方が殺される場合さえある。撃墜数や戦闘結果はシナリオとかなり関わっているので、この戦闘パートがこのゲーム最大の難関と言える。

ゲームを創ったのは、独特のシステムと世界観で有名な『リンダキューブ』『俺の屍を越えていけ』を創ったAlfaSystem
[総評]
面白いゲーム。システム的にも斬新だし、キャラクター・シナリオの謎部分も魅力的。二股をかけると場合によっては刺殺されたり、軍事機密を漏らした友人が謀殺されたり、猫が作戦会議を提案したり、ちょっと呪われてみたり呪ってみたり、猫にラブレターもらったり、猫と恋愛問題のもつれから殴り合ったり、同級生の靴下を集めてみたり、男同士で「Hな雰囲気」(=我が家では「俺の後ろに立つな」あるいは「尻を死守せよ」状態と言う)になったり、他のゲームでは味わえない出来事が起こるのもこのゲームの魅力…。

欠点はバグが多い点。重大かつ再現性が高く、取り返しのつかないバグが何点かある。システム的にこなれていない点も多い。かなり出来の良いゲームだけに惜しい。

難易度も疑問。学園パートに比べると戦闘パートの難しさはかなりのものだし、そもそもSランクエンディングの条件はかなり難しいのではないだろうか。僕は攻略・情報サイトを一度も見ずにゲームをクリアし、2週目になんとかSランク・エンディングを見ることが出来たが、最初はラスボスっぽいやつを倒してもBランクだったときは嫌になった。ネット上で情報収集が出来るならとにかく、ネット環境を持たない人間は容易に大団円を迎えることは出来ないだろう。攻略本無いし。

それ以上に致命的なのは意味不明にしょぼいオープニングムービーとポリゴン。ゲームを始めて先生のスライディング・ウォーク(滑るように歩く)や、むちゃいかつい肩をした友人たちを見て、不安を抱く人もいるかもしれない。

でも、我慢してゲームを続けよう。ゲームはグラフィックではない。ましてやオープニングムービーでも変なオープニング・ソングでもない。というか、改めてレビューを書こうとすると、これほど欠点があるにも関わらず、ゲームが非常に面白いという事実に驚いてしまう。


裏技
(2周目からは隠しコマンドで22人から主人公を選択可能)
デフォルト主人公の速見、2週目以降の主人公の4人を含む22人から主人公を選べるようになるコマンド。

0. デュアルショックコントローラーを用意する。
1. クリアデータの入ったメモリーカードをスロット1に差しておく。
2. ムービーを全部見る
3. タイトル画面で何もしないで、もう一度ムービーを見る。(ずっとボタンを押さないこと)
4. タイトル画面(二回目)でR3ボタンを押して、「ロード・スタート画面」に入る
5. 「ロード・スタート画面」が出たら、L3・R3ボタンを同時押し
6. 画面がロード画面に切り替われば成功。
7. クリアデータをロードすれば、デフォルトの主人公を含む20人以上から選択できる。

(注)左スティックを上から押すのがL3ボタン、右スティックを押すのがR3ボタン。
・成功かどうかは段階5. 〜6. でわかる。通常L3・R3ボタンを同時押しではロード画面に切り替わらない。
・コツは、スティックを傾けずにきちんと真上から押すこと。

きついのは二回もムービーを見ること。五分以上かかる。

↓ネタばれ、あるかも
気をつけて読んでね

良かった
ところ
キャラクター 各キャラクターがそれぞれAIによって行動するため、ゲームがパターン化せずに(マンネリ化せずに)すんでいる。
戦闘システム このシステムかなり気に入った。このシステムで戦略シミュレーション創ったら面白いと思う。ただしもう少し見栄えよく、操作しやすくしたら…。
2週目以降 なんと同級生4人から主人公を選ぶことが出来る。それぞれ置かれた立場・境遇・目的が違うので、ゲームをさらにイロイロ遊ぶことが出来る。しかもなぜか2週目以降は、声が出るようになっている。あまつさえ、裏技を使えば、22人から選択できるようになる。
駄目な
ところ
バグ きつい。再現性が高く、取り返しのつかないバグがいくつかある。(AlfaSystemのサイトにお詫びと対策が載っている。基本的にそのような状態にならないための注意点と、なってしまった場合はSCEIにメモリーカードを送るぐらいしか手段はないようである。)
一部システム ソフトリセットがない。2週目以降、新しく4人のキャラクターを主人公に出来るものの、デフォルトの主人公を選ぶことが出来ない。(裏技で回避可能)
公式サイトのBBS 特に世界設定BBS。ファンが集って勝手に「あれはこうだ。これはあぁだ。」と言っているだけならまだしも(それでも相当不気味)、会社の人間が表立って主導するスタイルはどうしようもなく気持ち悪い。(「このBBSすらもゲームのうち」と考えられんこともないが。)
なんと2週目以降には(中途半端に)声が出る。やめて。下手。冷める。せめてオン/オフくらいつけろ。
オープニング
グラフィック(3D)
洒落にならんほどしょぼいオープニングムービーと、やばいほどへぼいポリゴンは、ゲームを始めた人を底知れぬ不安に叩き込む。

でも、惑わされないで、がんばろう。グラフィックのヘボさから逃げずにゲームを進めていけば、かつてない自由度の高いゲームが待っている。

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