知っとってけ “丹波弁”


 


「おかあちゃん!」

先日 近所の商店で店番のアルバイトをしている私の妻(神戸生まれの神戸育ち)が帰って
くるなり 開口一番「“おかあちゃん”って何なん?」といきなり聞いてきました 話を聞いて
みると お店に買物に来られた50代半ばくらいのご婦人が代金を払おうとして財布から
小銭を出した瞬間に手をすべらせ お店の床にその小銭をバラ撒いてしまったらしいのです
・・・とまぁ こんな話は良く聞く話ですが 問題は この時にそのご婦人が発した
「わぁ〜 おかあちゃん!」という一言! 丹波でも若い人は あまり使わなくなりましたが
このような ちょっとした失敗をして粗相をした時やビックリした時に思わず口をついて出てくる
この「おかあちゃん!」という一言! これって丹波独特の言葉なんでしょうか? 恐らく
この短いフレーズの中には「わぁ〜 えらい失敗をしてしもた おかあちゃん どうしよう!」
という意味が込められていると思うのですが 妻には この「おかあちゃん」という言葉の
意味が理解できなかったようなのです 京阪神に住む友人らにも聞いてみたのですが
返って来る言葉は「そんなん聞いたことない」と言う答えばかり・・・。 しかも その友人が
いうには「なんで おとうちゃんやなくて“おかあちゃん”なん?」と反対に聞き返され
返答に困ってしまう始末で 結局「これは 丹波だけの言葉だ!」ということになったのですが
実際のところはどうなのか? もし 読者のみなさんでご存知の方がありましたら
また ご意見をお聞かせください

 

「余所で通じない丹波弁」

私が地元の高校を卒業して神戸のとある専門学校に通っていた時のことでした 担当教授から
試験の日程表を教室に貼っておくようにと言われ その日程表を預かって教室に戻ると 丁度
他の掲示物を貼ろうとしていたクラスメイトの女の子がいたので 何気なしに「ゴメン! これも
ついでに裏に貼っといて!」といって その日程表を渡したのです そうすると彼女は
その紙を裏返して「裏に何を貼んの?」と問い返してきました 私は 「教室の後部にある
掲示板に貼っておいて!」という意味で「裏」と言ったのですが 彼女は「紙の裏側」と
理解したのです そして彼女曰く この場合「後ろに貼っておいて」 じゃないとおかしいと
いうのです 確かに「前」の反対は「後ろ」ですから 彼女の言い分の方が日本語としては
正しいのですが どうにも納得が行かなくて 居合わせたクラスメイトを巻き込んで「裏」談義
となりました ところが「丹波では これで通じる」と いくら私が力説しても その場には他に
丹波出身者が誰もいなくて理解してもらえず悔しい思いをした経験があります 同じ関西なのに
言葉や表現が微妙に通じないというのはショックですよね 丹波では「自転車の裏に荷物を積む」
とか 自動車の後部座席に乗る時なんかも「裏に乗る」なんて自然に使ってます しかし
丹波から一歩外へ出ると この「裏」は通じないんです 正しくは これは全部「後ろ」 
なんですよね これから進学や就職で京阪神やその他の地方へ出られる方は ちょっと
知っておくと 恥をかかずに済むかも知れませんよ

 

「丹波独特の呼び名」

方言の楽しさのひとつに 標準語とは全く違うその地方独特の物の呼び名というのがあります
丹波にも独特の呼び方をするものがたくさんあります 例えば「バァ」なんていうのは
どうでしょう! ご主人が奥さんに対して「おい! ちょっと バァ焼いてくれ〜」・・・知らない
人が聞いたら「おばあさんを焼くなんて なんてことを・・・。」と思われるかもしれませんが
丹波弁で言う「バァ」とは お餅のこと! あとマムシのことを丹波では「ハメ」と称します
これは「食む」から変化して出来た呼び方なのだそうですが そういえば丹波では小動物に
「噛まれる」とか「刺される」というのを何故が分かりませんが「食われる」といいますよね
わかり易い例をあげると 標準語だと「蚊に刺される」といいますが 丹波では「蚊に食われる」
と言います これも良く考えてみると面白い表現です ・・・まだあります 春先や秋口の
暖かい時期に大発生して独特の匂いを発して嫌がられるカメムシ! これも丹波では
どういう訳か「カイダ」と呼びます 「カイダのかだがする」なんて言われても 余所から
来た人には恐らく 何のことだかサッパリ分からないでしょう 近年では 他の地方の人
だけでなく 丹波で生まれて育った人でも すでに こんな呼び名を知らない人がいるかも
しれません 言葉は時代と共に変わっていくものですから 仕方がないと言ってしまえば
それまでですが でもこう言った丹波独特の呼び名だけは残しておきたいですよね
ちなみに「カイダのかだがする」を 標準語になおすと「カメムシの匂いがする」となります

 

 

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