1998.2 初版

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私と仮説実験授業


 仮説実験授業を知ってから二十数年間、退職するまでやりつづけた「私にとっての仮説実験授業の魅力」を書いてみます。正直いって、仮説実験授業を子どもたちとしだしてしばらくして、「よ〜し、これでずっと教師をやっていけるな」と思いました。


楽しい
 長い教師生活の日には「学校へ行くのいやだな」というときもありました。でも、そんな日でも「今日は仮説実験授業ができるな」と思うといそいそと登校できました。
 子どもたちは、「やった〜、仮説実験授業やぞ」と歓迎してくれましたし、私自身も授業を楽しめました。授業中の子どもたちの興奮ぶりもさることながら、授業が終わったときに子どもたちに書いてもらう【授業は楽しかったか・わかったか】の評価と感想文を読み、あらためて仮説実験授業のたのしさ感じました。
 子どもたちが「休み時間なしで、この続きをやろうよ」と言ったり、「ぼくは、プロ野球の選手になろうと思っていたが、他の勉強も仮説実験授業でできるような研究をしてから、選手になろう」と言ってくれたりしました。学校へ行くのいやだなという子どもを「今日は仮説実験授業をするから、おいで」と釣ったり(これこれ)もしました。

 子どもたちと私の楽しさも色々だと思います。
  ■予想する楽しさ
  ■自分の予想が当たる または はずれる楽しさ
  ■討論をする または それを聞く楽しさ
  ■実験する楽しさ
  ■学習していることの内容がわかっていく楽しさ



わかる
 私は底抜けの科学音痴でした。
 でも、仮説実験授業で「問題→予想→実験」を繰り返しているうちに、 そのたくみな構成で、ひとつの科学の原理・法則が理解できるようになりました。 ということをこのページで伝えるのは、困難です。もし、興味がありましたら、 「仮説社」へ連絡して、仮説実験授業〈ものとその重さ〉〈バネと力〉などを 読んでみてください。

 普通はこういう教科書外の内容をするのは、理科・科学の得意な教師たちです。 ところが、仮説実験授業をする教師には「自分は教科書ではうまく楽しく教えることができない」だから、「自分でもわかる仮説実験授業をする」という人もかなりいます。


安心してできる
 この授業を提唱した板倉氏は「仮説実験授業は熱心な教師なら誰でもできる」と言います。「熱心」の意味を私は「わざわざ教科書にないようなことをする熱心」「仮説実験授業の本を買って読む熱心」「授業書を印刷し、実験道具をそろえる熱心」と勝手に解釈しています。
 仮説実験授業は前ページで紹介したように、授業書があります。これは、作られたプランをたくさんの教師たちが実践し、改訂を重ねたものです。また、授業の運営方法も確立されていて授業内容そのものに集中できます。


(仮説実験授業の思想)
 と、同時に私を虜にしたのは、「仮説実験授業の思想」「(提唱者)板倉氏の発想のユニークさ」です。
 また、仮説実験授業の研究会の個性あふれる教師たちにもひかれました。これもまた仮説社に多数の著作がありますのでお読みください。


発展する仮説実験授業
 もともと自然科学の教育から始まった仮説実験授業は、今は「社会の科学」「数学」などの授業書も作られるようになりました。
 また、「理科は仮説実験授業で楽しくやることができる。でも、他の科目はねえ」との教師のリクエストと「この考え方で授業を作り直そう」との考えで、雑誌『たのしい授業』も創刊されました。研究会と雑誌を核にさまざまなたのしい授業や教育へのアプローチがされています。


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