私は活字が好き。でも、それよりも本屋さんがもっと好きかもしれない。
しんどいとき、本屋を歩くと気分がかなりよくなる。でも、風邪が直ったりはしないが(あたりまえ)。
平台の本の上に荷物を置く人がいる。どうしてかその下の本が見たくなる私はいじわるか。
そのときは、その荷物を手に持ち隠れていた本を手に取るのです。もちろんこれは相手をすばやく観察してからね。でないと殴られたりするかもしれないから。
人間面白いもんで、他人に荷物を持たれると嫌なもんらしく(あたりまえ)、すぐに取りかえしに手を出します。何かあったら、「お荷物の下の本を見たかったから」と。決して「本の上にものを置くな」なんて説教はしません。
私など本の上に頭を置いたり、扇風機を置いたりしてますもんね。
で、思うのです。あなたは魚屋のマグロの上に荷物を置きますか。西瓜の上に、社名入り封筒を置きますか。パンの上にコートを置きますか。おかんでしょう。どうして本屋さんだけ商品の上に物を置かれるのでしようか。
本の上に物をいや濡れた傘を置くすごい人もいる。ところが、もっとすごいものを置いた女性がいた。大阪梅田の紀伊国屋書店でほんまに見た。
なんとけつを本の上に置いてあったもんねえ。これは驚いた。でかいけつをしたおばあちゃんとその孫とその母親。絵本売り場で『かばさん』の本でも買うつもりかな。
けつを深々と平台の絵本の上に乗せています。店のおじょうさんは、本の整理で忙しそう。見ていると思うのに何もいわない。若いお嬢さんがものを言えるような感じのおばあさんではない。連れの若い母親は知らん顔。
「あんたら、本屋にくんな。あんたのけつにしかれた本を買う身になってみい」とは言いませんでした。「あの〜、ちょつとすんまへん。そのけつの下の本見せてもらえませんか」と。まさかおばあちゃんのけつを持つわけにはいきまへんからねえ。
ほんだら、おばあちゃん「えらいすんまへん。ドッコイショ」とけつを隣の本の上に移動させました。う〜ん。
紀伊国屋の新刊コーナーで本の整理に忙しいお嬢さんの店員さんへ
娘さん-----あの「招き猫」について書いた本ありませんか。
私 (おい、おい。若い学生さんよ。そんな本の注文は無理やで)
店員-------書名は? 娘---------わかりません。 店員-------出版社はどこですか? 娘---------知りません。 私 (おそらく荒俣の出したあの本だろうなあ。大学のゼミか何かで教授に聞いたの かなあ。そんなんちゃんと全部聞いてこんかい) 店員-------わかりかねます。「■■■」コーナーで探してみてください。 こんどは二人連れの青年が同じ店員に声をかけます。
青年-------あの条約を書いた本はありますか? また、同じ問答の繰り返し。 店員-------何を書いた本ですか? 青年-------(まじめな感じで)字を書いてある。
店員さんはカウンターの方へ行き、しばらくして、 店員-------明日入ります。 青年-------ありがとう。
私---------(その店員に小さい声で)あんなお客さんよく来るの? 店員-------初めてです。 書店って品数の多いお店ですので大変です。それにしても、「明日入荷する」との店員と
「ありがとう」と納得して帰った青年の問答も不思議です。いったい何という本やろか。
それにしても、すごい大学生もいるなあ。俺、乏しい年金から税金を払うの嫌になったぞ。