農業共済新聞の紹介

近畿版京都支局記事

2011年8月2週号

人が集う場に 遊休農地利用でブルーベリー園と貸農園

ざくろいきいき農園組合 精華町

 精華町の「ざくろいきいき農園組合」は、地域の農業振興と憩いの場づくりをめざし、ブルーベリー園の管理と貸農園を営む。平均年齢70歳を超えるメンバー10人は、昨年度から予約制観光農園を本格開園するなど、農村地域の元気づくりに励んでいる。

 
メンバーたち

 ざくろいきいき農園組合のメンバーたち。前列右から3人目が中井会長

藤原さん柳原さん

「管理は1日2人体制で行っています」と話す藤原さん(左)と柳原さん

パッケージ

 パッケージには写真と連絡先を表示

 ざくろいきいき農園組合は、1998年に同町の補助を受けて植樹した200本のブルーベリー(15アール)の栽培や農園管理と、190区画(33アール)の貸農園に精を出している。
 中井満明会長(77歳)は、「若者の農業離れにより荒廃地は拡大しています。それを防止し、地域農業を維持したい」と気合が入る。
 ブルーベリー園は「20日に1度の草刈り作業、鳥獣よけのネット張り、消毒作業、夏場の水やりなどどれも重労働です」と苦労を話すメンバーの柳原隆康(80歳)さん。
 昨年は6月下旬から8月下旬まで110キロのブルーベリーを収穫した。ブルーベリーは主にJA直売所と地元の洋菓子店へ週3回出荷している。今年度から鳥獣よけのネットを新設し、樹木も成長したことから昨年以上の収穫を見込んでいる。
 昨年度から本格的に、収穫を楽しんでもらう予約制観光農園をはじめた。来園者から「近くにこんなのどかで景色の良いところがあることを知らなかった」と、喜びの声もある。近くに新興住宅地があることから、住民との交流の場所として来園者の増加にも期待している。
 藤原孝仁さん(74歳)は、「一から栽培を勉強してここまできましたが、栽培当初は毛虫が連なったり、鳥についばまれたり思うように収穫もできず苦労した」と振り返る。
 今後の取り組みとして中井会長は、「現在は思うように売り上げが伸びませんが、圃場の拡大と後継者の育成を中心に地域の活性化のため、また健康維持、同世代の交流の場所としてこれからもボランティア精神で頑張っていきたい」とメンバーと奮闘している。
 精華町役場産業振興課田中正博さん(60歳)は、「町役場としても、地域住民の交流と荒廃地の拡大を防ぐため、一役買ってほしい」と期待している。

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