常温成形のハンドレイアップ用にはワックス系、PVA系、があります。
僕は双方併用しています。
スプレーする場合はエアー圧の調整や換気に注意しましょう。
普通の塗装と同じ要領です。型面から30〜40pを保ち、なるべく面に対して直角にガンを持ちます。
吹きつけパターンは丸吹きよりも平吹きの方がムラ無く均一に吹けます。
ゲルコートの粘度が高くて上手く吹けないときは5%を上限にアセトンで希釈します。
作業終了後、ガンはアセトンで確実に清掃しておかないと次に困ります。
僕はめったにスプレーは使わず、ほとんどハケ塗りしています。
ハケは平ハケを使い、メス型の大きさに見合った幅サイズを数種類持っています。
塗り込みは柔らかく丁寧に、PVAの膜を破らない気持ちで塗り込みます。
ハケ目は出ますがなるべく均一に。
割型などの分割線にはわずかな隙間ができてしまいます。その隙間にゲルコートを塗り込み、
ツライチにしておくと製品にはバリが出ますが、ペーパーで擦って仕上げると綺麗になります。
ツライチでない場合は積層用樹脂が隙間に入り込み、バリを削ったときにゲルコート層の下の積層樹脂が出てきて
分割ラインがよく目立ってしまいます。
ゲルコート樹脂と硬化剤の調合はゲル100に対し硬化材1を添加します。
これで20〜30分でゲル化し、その後60〜120分で積層可能になります。
気温、湿度などに大きく影響しますので、添加量を加減する必要がありますが、
これは経験しないとわからないかも。
10°以下の時は硬化促進剤を0.2〜0.6%添加します。
ゲルコート面の上にマットを置いてハケやローラーで樹脂を含浸させます。
空気を追い出すようにハケの先で突いたり、ローラーで押し出したり。
ピン角部分はマットが馴染まないので空気が残ってしまいますから、
先に樹脂パテやロービングを詰め込んでからマットを積層します。
ボンネットぐらいの面積ですと1人で1プライ積層に3〜40分ほどかかりますので、
樹脂と硬化材の調合は一気にせずに小分けして行います。
とにかく空気を完全に抜くことが大切です。特に角やきついR部は空気が残りやすいので気を付ける。
上向き積層は特に注意が必要です。
マスターは純正フェンダーを叩きだしてパテ成形、ウレタン塗装されたもの。
メス型は本体部は4分割タイプのFRP製。前部ステーは単体のFRP製です。
製品は本体がガラスマット2プライ(部分的に3プライ)ステーは2プライです。
本体とステーは仕上げ後、リベットで組みます。
画像は右左がごっちゃになってます。
メス型の表面を綺麗に拭きます。
ヒビ、欠け、ピンホール、艷、ワックスかす、などチェック。
分割メス型は組み上げます。
延ばしフランジなので端っこをマスキングします。
離型処理をしてます。PVAは塗ったかどうか肉眼でも判らないほどに
薄く塗ります。
これはステーのメス型です。
抜き勾配を無視してますので抜けません。
コの字形なので製品をちょっと曲げながら抜きます。
メス型を作るときは鉄板のステーを曲げて抜きました。
白ゲルを塗りました。
ゲルの硬化待ちの間にガラスマット裁断。
離型した製品。
表面の青いやつがPVA膜です。
水で簡単に落とせます。
完成したフロントフェンダー。
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