雌型制作


メス型製作の基本的な流れです。
マスターは純正フェンダーを叩きだしてパテ成形、ウレタン塗装されたもの。
製品はフェンダー本体と前部ステーの2ピース構造にします。
フェンダー本体のメス型は4分割、ステーのメス型は1ピース。
フェンダー本体とステーのスポット溶接を外すのは、
変形を防ぐためにフェンダー本体のメス型が 完成してからにします。
の数字はその行程の実作業時間です。

分割線にフランジを立てます。
透明の塩ビ板1o厚や、ボール紙を使用。
両面テープで取り付け、さらに裏からガムテープで補強します。
板のつなぎ目にはアルミテープを貼ります。
フランジの取付が弱いと、次の行程で粘土を詰める際に フランジが浮いてしまうので、取付はガッチリと。
50分

塩ビのフランジとマスター型の隙間には油粘土を詰め込みます。
粘土はフランジに直角になるようにスパチェラなどで丁寧に成形しましょう。
35分
今のうちにマット裁断用の型紙を作っときます。
40分

全週に粘土を詰め込んだら、マスキングして離型処理をします。
マスキングには紙テープとPPの細いテープを使えば綺麗です。
15分

型用ゲルコート塗布。
10分
ゲルコート硬化待ちの間に、先に作った型紙で#300マットを裁断します。
15分

ゲル硬化後、#300マットを型用樹脂で1プライ積層します。
40分
この1プライの硬化待ちの間に、次の#450マット3プライ分を裁断します。
ハニカムコアマットも用意しておきます。
45分

先の1プライが硬化したら表面のささくれを落とす程度に粗めのペーパーをかけます。
型用樹脂はノンパラフィンなので表面はしっとりと湿ってる感じです。
#450マットを2プライ積層。
続いてハニカムコアマット積層、さらに#450マットを1プライ積層します。
全て型用樹脂です。
140分

硬化後、補強フレームを作ります。
製品積層時の土台にもなるのでひっくり返したときに安定する形状にします。
現物合わせでコンパネから切り出します。
まず、フレーム取り付け部に約70o幅の#450マットを積層し、 フレームを置いて、両サイドを約50o幅のマットで固定します。
この行程ではインパラフィン樹脂を使用します。
フレーム取り付け部以外の面にも樹脂を薄く塗ります。
これでカラっと乾燥した平滑な表面仕上がりになります。
60分

最初の一面が完全硬化したら塩ビの分割フランジを取り外して、 粘土や両面テープを綺麗に除去します。
ゲルコートがはみ出していればカッターで綺麗に仕上げる。
30分

コーナランプ取り付け付近の成形です。
分割フランジは既に出来ているのが分かりますね。
周囲はフランジを延ばすように取り付けます。
裏からボール紙をガムテープで固定して、フランジとマスター型の隙間に 表からアルミテープを貼ります。
穴もアルミテープで塞いで、軽く凹まして後から穴あけしやすいようにします。
アルミテープを貼るとその段差が製品に現れますが、車両に取り付ければ隠れる場所なのでこれでよしとします。
イヤな場合は第1面同様に油粘土で隙間を埋めましょう。
鉄板が重なってる部分には粘土でなだらかに成形しておけば後々ラクチンです。
20分

マスキングして離型処理して型ゲル塗布。
10分

ゲルが硬化したら#450マット2プライ積層。
もちろん型用樹脂です。
硬化後、インパラで1プライ積層。
これでカラッと仕上がります。
30分

ドア側の面の成形。
ここも見えないのでアルミテープを貼ります。
20分

マスキングして型ゲル塗布。
10分

ゲルが硬化したら#450マット2プライ積層。
もちろん型用樹脂です。
硬化後、インパラで1プライ積層。
これでカラッと仕上がります。
30分

上部取り付け部の成形。
ボンネットを開けると見えるけど、ここもアルミテープ。
20分

マスキングして型ゲル塗布。
10分

ゲルが硬化したら#450マット2プライ積層。
もちろん型用樹脂です。
硬化後、インパラで1プライ積層。
これでカラッと仕上がります。
角には発泡材をサンドイッチして補強しています。
40分

離型する前にボルト穴を開けます。
フランジに4oの穴を十数p間隔で開けます。
10分

ここからが一番最悪な作業です。
ハンドグラインダーにFRP切断ディスクを付けて切断します。
分割フランジのバリから切断していきます。
ものすごい粉塵なので辺りは真っ白です。
30分

分割フランジのバリが取れたら離型してPVAを洗い流します。
15分
残りのバリも取ります。
20分

フェンダー本体の積層が全て終了してからステーを外します。
そのステーにフランジを付けます。
15分

離型処理、型ゲル、積層は同じ要領で。
#400マット3プライ。
20分

硬化後、離型してバリ取りします。
端面を耐水ペーパーで擦っておきます。
表面を1000番ペーパーで磨いてコンパウンドで仕上げて完成。
30分

表面を1000番〜1500番の耐水ペーパーで磨いて、コンパウンド細目、極細目で 鏡面に仕上げます。
これでメス型の完成です。
80分