清々しい秋晴れの休日。
開け放した窓から吹き込む風が心地良い。
何もしない休日を自室で過ごすのも楽しいものだ。
まして、愛すると共になら。
「あふ・・・・・」
何気なく観ていた番組が終わり、ミロは欠伸と共にTVの電源を消した。
ダラダラとTVを観るのにも飽きてしまったし、多少の眠気も催してきたからだ。
何かしようか、それとも少し眠ろうかと思案したミロは、隣にいるの意見を聞こうとした、のだが。
「何だ、寝てしまったのか。」
は、ミロのベッドの上で安らかな寝息を立てていた。
申し訳程度にしか掛かっていない上掛けと、あどけなささえ感じる無防備な寝顔にミロは苦笑した。
「こんな格好で寝てたら冷やすぞ。」
ミロは眠りこけるを優しく窘め、上掛けを掛け直してやろうとした。
その為には、中途半端に纏わり付いている上掛けを一旦引き剥がさなくてはならない。
ミロはを起こさないように慎重に、身体の下敷きになっている部分を引き抜いた。
「うぅ・・・・ん・・・・」
慎重にしたつもりだったが、は少し眉を顰めて寝返りを打った。
しかし起きるまでには至らなかったようだ。
2・3度もぞもぞと動きはしたものの、今度は仰向けになって再び寝入っている。
「気持ち良さそうに寝てるな・・・。」
愛しさをこめた眼差しでを見て、ミロはその額に軽いキスを落とした。
自分も一緒に昼寝しようと隣に寝そべったはいいが、何となく眠気を逃したミロはしばしの様子を観察していた。
はミロの視線に気付く事なく、依然として夢の中である。
起こすつもりは毛頭ない。
だが、一向に起きる気配のないを見ていると、何故かふつふつと悪戯心が湧いてしまうのであった。
手始めに、薄く開かれた唇を指でなぞってみる。
「ん・・・・」
「お、擽ったいか。」
楽しげな声のミロとは対照的に、の表情は僅かに不快の色を表している。
擽り起こして怒られるのは嫌なので、ミロはその手をひとまず止めた。
その代わり次のターゲットに選ばれたのは、規則正しく上下する胸の膨らみであった。
服の上から掌にすっぽりと納めてみる。
ごく緩やかにその膨らみを揉んでみたが、何の反応もない。
「これしきじゃ分からんか。」
小さく呟いたミロは、のTシャツを胸の上まで捲り上げてブラを引き下げてみた。
中途半端な状態に晒された上半身がやけに扇情的だ。
「温かいな。」
眠っているせいでほっこりと温まっている身体は、喩えようのない安らぎを感じさせる。
ミロはしばしその温もりを掌から堪能していたが、やがて持ち主と同じくまだ眠っている蕾に目をつけた。
口に含んでゆっくりと転がしているうちに、それは段々と固く尖り始める。
その反応に気を良くして、ミロはもう片方を指で柔らかく弾いた。
しばし夢中になっていると、の唇から聞き取れるかどうかという程度の小さな喘ぎが漏れた。
「ぁ・・・・・」
「・・・・眠っているのに感じるんだな。」
そう、覚醒し始めたのは身体だけで、頭の方はまだ眠っているようだ。
「どこで目が覚めるか楽しみだな。」
ミロは愉しげに胸を解放してやると、更なる行為を求めて身体をずらした。
長いスカートは脱がさず、ショーツだけを取り払う。
「今目が覚めたら、絶対に怒られるぞ。」
などと言う割には、後悔も焦燥感も感じられない口調である。
それどころかむしろ乗り気の上機嫌で、ミロはのしどけない姿を眺めた。
そしてたくし上げたスカートの裾から手を潜り込ませ、柔らかな茂みをしばし弄んだ後、まだぴったりと口を閉ざしたままの花弁を指で割る。
「ぅ・・・・ん・・・・」
の脚がぴくりと動く。
しばし手を止めて様子を伺っていたが、まだ目覚める気配はなかった。
「大丈夫そうだな・・・。じゃあこれはどうだ?」
ミロはのスカートを思い切って腰まで捲り上げて、両脚の間に身を割り込ませた。
「ここ、好きだろ?」
低く呟いて、ミロは薄い皮膚で覆われたままの芽を舐め上げた。
敏感すぎる部分故、最初は刺激が少ないように薄皮越しに、そして徐々に剥き出した芽そのものへと刺激を加える。
がこの愛撫を悦ぶ事は、既にミロの中で常識と化していた。
普段ならば身を捩って喘ぐが、しかし流石に寝入っていると反応は薄い。
それでもミロは嬉々として行為を続けた。
「んっ・・・・、ふ・・・・・」
敏感な部分への刺激が続くと、いくら眠っていても身体は次第に官能の火を灯すらしい。
が断続的な嬌声を上げ始めた。
いや、声だけではない。
固く閉ざされていた花弁はいつの間にか開き、甘い蜜をミロに与えていた。
「あ、ぅ・・・・、う・・・・」
の声は、もうはっきりそれと分かる程官能を帯びている。
勿論、官能の火が灯ったのはだけではない。
最初の悪戯心は何処へやら、ミロも既に本気になっていた。
蜜を吸い、それを溢れさせている泉に深々と長い指を突き入れている。
相変わらず起こす気はないのに、愛撫を加える手は『起きればいい』とばかりに激しさを増し始めた。
「あふっ、くぅッ・・・・・」
差し込まれたミロの指が、泉の中を深く柔らかく掻き回す。
一番感じる部分に当たったのか、起きているのではと思われる程明瞭な声が上がった。
しかし起きてはいないのだ。あくまで眠っている。
意識がなくても己の性技に反応し喘ぐに、ミロは男としてのプライドが満たされるのを感じた。
「駄目だ、もう限界だ・・・・」
苦しげに眉を顰めると、ミロはジーンズの前を寛げた。
怒張した彼の分身は、収まるべき所を求めて強く脈打っている。
の秘裂を何度か擦り上げてその先端を蜜で濡らした後、ミロはゆっくりと腰を沈めた。
「んあっ・・・!」
夢の中に居ながらにして、は甘く濡れた声を上げた。
ふと気付けば、の両脚はミロが挿入しやすい具合に開かれている。
身体が覚えているとは正にこの事だと、ミロは思った。
それと同時に、やはり自分達は紛れもなく恋人同士なのだと、妙な再確認もしていた。
完全に繋がるまでの僅かな瞬間の癖は、何度も身体を重ねた相手でなければ分からないものなのだから。
「んっんっあッッ・・・・!」
眠るを気遣って激しい律動は控えているものの、突き上げる度に甘い声が歯切れ良く上がるものだから、劣情を抑え込むのにも一苦労だ。
いっそこの疼くような欲望のままに腰を振るおうかと思ったその時、突然の瞳がうっすらと開いた。
「・・・・ミ、ロ・・・・?」
「起きたのか、・・・・」
「え・・・?なに、して・・・・、あんッ!」
まだ眠たげで回らない口調なのに、一突きすれば高い嬌声が漏れる。
その声に痺れつつ、ミロは荒い息で手短に詫びた。
「悪い、の寝顔を見てたら、クッ・・・!ついその気に・・・」
「ちょ・・・、え・・・!?な、んっ・・・!はぁんッ!」
「もう少しだけ、付き合ってくれ・・・!」
目覚めた早々混乱しているには悪いが、これ以上は抑えが利かない。
すっかり箍が外れてしまったミロは、もはや躊躇う事なく律動を始めた。
「ふぁッ、アッ、やっ!」
「うっ、・・・!」
「あぅっ、ひっ!あッ・・・や、あぁ・・・、ミ・・・、あんんッ!!」
只でさえ甘い喘ぎは、半ば夢見心地のせいで余計に甘くなっている。
表情もまた然り。
眠気と快感が相俟って、瞳がとろんと蕩けている。
そんなの状態に、ミロは一気に爆発寸前にまで高められた。
「ひあッ・・!あはッ、はぅっ、んくっ、あァん!!」
「くそっ、イキそうだ・・・・!」
吐き捨てるように呟くと、ミロは一際大きく腰を振りかぶった。
そしてそのまま勢いに任せて最奥を貫き、熱い迸りの全てを注ぎ込んだ。
身体を離した後、は失神するように再び眠ってしまった。
しかしその表情に疲労や苦悶はなく、満ち足りた幸せそうな顔をしている。
「目を覚ましたら怒るかな。だったらご機嫌取りが大変だぞ。ヘソを曲げると厄介だから。」
ミロは苦笑と共に呟いた。
だが、もしかすると今しがたの情事を夢だと思っているかもしれない。
「何しろ寝込みを襲ってしまったからな。」
ミロは再び苦笑を零すと、の衣服を直して今度こそきちんと上掛けを掛けてやった。
そしてその隣に自分も潜り込む。
「あ・・・ふ・・・、俺も昼寝としゃれ込むか・・・・」
欠伸を一つして、ミロはを胸に抱き込み瞳を閉じた。
間もなく見始めた夢は、必死にのご機嫌を取っている夢だったとか。