なんとなく仲良くなって、なんとなく一緒にいる時間が長くなって。
気がついたら、いわゆる『恋人』という関係になっていた。
そういう関係になってから、次々との新しい面を発見している。
例えば食事の時。
「はいカミュ。」
は、サラダに入っていたオニオンスライスをカミュの皿に移す。
「オニオンは嫌いだったか?」
「うん、生のやつは苦手なの。」
「美味いのに。」
「無理。あ、まだあった。はいどうぞ。」
当然のように次々とオニオンを私の皿に放り込むに苦笑する。
細かい欠片など、他のものと一緒に口に入れてしまえばいいのに、丹念に選り分けている。
全くご苦労様なことだ。とても私には出来ない作業だ。
例えば買い物の時。
「あ、歯ブラシ安い。買っとこ。カミュがブルーで私がピンクね。」
「何故だ?」
「何故って・・・。なんとなく。暗黙のルールというか・・・。」
「ほう、そういうものがあるのか?」
「少なくとも日本ではね。男の人はブルー系で女の人は赤やピンク系って感じ。」
日本にはそのようなしきたりがあるのか。知らなかった。
何の根拠があってそのような色分けになっているのかは知らないが、が言うのだからそうなのだろう。
不思議な国だ、日本という国は。また一つ勉強になった。
そういえば先日もおもしろいことがあった。
私が任務に向かう前、いつものようにに挨拶をした。
「行って来る。」
「行ってらっしゃい。気をつけてね。」
「ありがとう。愛している、。」
そう言って、いつものようにを抱きしめてキスをした。
途端に暴れ出す。
「どうしたんだ?」
「み、みんな見てる前でそういうことしないでよ!!」
赤い顔でそう言って、猛然と走り去ったのだ。
確かにその時は二人きりではなく他に数人その場にいたのだが、皆私達の関係を知っているし、そんなに照れなくてもと思った。
任務から帰って、の機嫌を取るのに一苦労したものだ。
二人きりの時は素直に甘えてくるのに、人目があると吃驚するぐらい奥ゆかしくなる。
これが大和撫子というものなのだろうか。とにかくかなりの剣幕だったので、次からは気をつけることにしよう。
時にはケンカをすることだってある。
大体の原因は、習慣や価値観の違いが根底にある。
しかしそればっかりは仕方がない。私とは全く別の人格だからだ。
人種も性別も違う。生きてきた過程だって違うのだ。それらはどうしようもない。
全て分かり合えるなんて思わない。所詮人間は一人一人違うものだからな。
もしが、私の全てを理解して受け入れようと無理をすることになるのなら、恋人である必要はないと思う。
私は今のままのが好きだからだ。無理に自分を曲げてなど欲しくない。
只、ありのままに愛し合いたい。一緒にいたい。
楽しみや喜びは二倍に、寂しさや悲しみは半分になるから。
二人の間において何か努力をするとしたら、如何に自分を素直に表すかということであろうか。
はのまま、私は私のまま。
それを少しだけ意識して、やれるだけやってみよう。
きっと二人、これからも楽しくやっていける。
なんだかんだ言っても要するに、私はただ単純に君が好きなのだから。