わたしとボランティア

きっかけは

上の子が保育園に入る前、「親子サークル」に参加していました。「親子サークル」での子どもたちは、家でお母さんに絵本を読んでもらったり、お母さんと一緒に遊んだりするのとまた違った楽しい経験ができて、とても嬉しそうです。

そこで子どもたちをもっと楽しませてあげようと、他のお母さんたちと一緒に手遊びをしたり、人形劇をしたりしました。結局自分の子どものためなんですけど、「自分の子どもも楽しくて、みんなも楽しいこと」をみんなで一緒にするのはいいです。一人ぼっちの子育てはしんどいけれど、仲間がいれば楽しいかも。

子ども達が保育園に入った後も、何人かの母さんたちと一緒に「人形劇サークル」を作りました。それが私にとってのはじめてのボランティア活動でした。子どもが通っている保育園や幼稚園で人形劇をさせてもらい、子どもたちが喜んでくれるのが嬉しくて、すっかり人形劇にはまってしまいました。人形の制作は、家にある物を持ち寄って、アイデアを出し合って、それぞれの得意分野を生かして行いましたが、家のことや子どものことをおしゃべりしできる(←これがメイン)情報交換の場でもありました。

嬉しかった気持ちを返したい。

ところが、下の子は「みんなと一緒に」という活動が大変苦手。「親子サークル」でみんなと一緒に人形劇を楽しむような子ではありませんでした。そればかりか、小さい頃は片時も目が離せない状態だったので(目を離すとすぐにいなくなってしまった)、自分が何かしようと思ったら、誰かの手を借りないわけにはいきませんでした。この頃、ボランティアさんやいろんな人に随分助けてもらいました。

そんなわけで、下の子が保育園に入って、自分の時間ができたとき、私も何かボランティア活動をしようと思ったんです。いろんな方に助けてもらい、とてもありがたかったので、私も何か人に役立つことをしたいと思ったのです。

私にできるボランティア。

その時ちょうど目にしたのが市立図書館の「読み聞かせボランティア募集」の記事。これなら私にもできると思いました。私は子どもに絵本を読むのが好きですし、「人形劇サークル」での経験もあります。それで、自分としてはちょっぴり自信があったのです。でも、誰に誘われるんでもなしに、自分から申し出てというのには、かなりの勇気がいりました。とても緊張しましたが、ちょっぴりの自信と、何か社会に役立つことがしたいという思い、その二つの思いが背中を押してくれました。

図書館で読み聞かせをはじめて

はじめは自分の子どもが大好きな絵本を読みました。だけど自分の子ども一人に対して読むのと、たくさんの子どもたちの前で読むのとでは様子が違います。まず、みんなに聞こえるように大きな声で読まねばなりませんし、本はみんなに見えるように、また、揺れないようにしっかりと持たねばなりません。ページをめくるタイミングも難しいです。何度も練習して本番に臨みました。

自分と向き合う機会

講習会に参加したり、他の方が読み聞かせをしているのを見せてもらったりしながら、今も勉強中ですが、読み聞かせの経験をしていく中で、だんだんと、あまり緊張することなく、子どもたちの表情を見ながら絵本が読めるようになってきました。だんだんと、上手に読もうというよりも、自分が読んで感じた思い(楽しい気持ち、嬉しい気持ち、時には悲しい気持ちなど)を子どもたちに届けられるようにと思って読むようになりました。そこには人と比べてどうこうということがなく、それぞれが自分の思いのままに(それを信じて)読むのです。それは、自分と向き合い、人と向きあうことのできる機会だと思います。また、私はこういう風に感じたけれども、子どもたちはこんな感じ方をするんだな、ここが面白いと思うんだな、という発見もあり、とても楽しいです。

人とのつながり、自分に対する肯定

現在は図書館での「絵本の読み聞かせ」の他に、人形劇やお話(ストーリーテリング)のサークルにも所属し、活動しています。おかげでいろんな人と出会えることができました。それまでは横とのつながりしかありませんでしたが、今では縦、横、斜め、いろんな方向につながりが持てたように思います。また、一つ一つの活動を一生懸命していくことの積み重ねが、自分の自信になってるなあと思います。

人によろこんでもらえ、人と人をつないでくれ、そして自分自身も成長していける「ボランティア活動」 これからもマイペースで続けていきたいなあと思っています。