輸血に関する問題13(2007.03作成)

次の設問の適切な回答を選んでください。
1.赤血球の大きさ(直径) ( 1 )
2.血小板の大きさ(直径) ( 2 ) 
3.輸血セット(フィルター)のメッシュ孔径 ( 3 )
4.血小板製剤用輸血セットのメッシュ孔径 ( 4 ) 
5.微小凝集塊除去フィルターの孔径 ( 5 ) 

ア.約20〜40μm  イ.約1.5〜3.5μm(平均2μm)  ウ.約6〜9.5μm(平均8μm)
エ.約175〜210μm  オ.約140〜170μm


次の各輸血用フィルターの名称を答えてください。

6 7 8 9




解答
1.ウ
2.イ
3.エ
4.オ
5.ア

6.「輸血セット」:主に赤血球製剤輸血時に使用。血液製剤中のフィブリン塊や凝集を除去するためのフィルター。メッシュの位置が点滴筒上部にあります。自己血・FFP輸血時にも使用されます。

7.「血小板輸血セット」:メッシュの位置が先端コネクター部にあります。

8.「白血球除去フィルター」:血液製剤中の白血球を除去することにより、発熱、ウイルス(CMV)感染、血小板輸血不応などの減少が期待されます。
また、免疫能の低下による術後感染症や、癌の再発が減るなどの報告もありますが、これらの臨床的な意義は、まだ結論には至っていません。
なお、血液センターで白血球除去された製剤(PCは2004.10月以降、RCCなどの全血由来製剤は2007年1月以降)は、病院で輸血時に白血球除去フィルターを使用する必要はありません。

9.「微小凝集塊除去フィルター」:マイクロアグリゲート(微小凝集塊)を除去するためのフィルター。このフィルターにより微小凝集塊による塞栓や、完全ではありませんが白血球もある程度除去できますので、白血球に起因する上記輸血副作用の減少も期待できます。
しかし、保険適応が白血球除去製剤は適応外となり、自己血でも1日1,000ml以上の輸血に限られるなど、保存前白血球除去製剤が供給される現在、微小凝集塊除去フィルターの使用意義は同種血(日赤血)では低いと思われます。