不規則抗体検査

不規則抗体検査とは、人の赤血球表面にある血液型抗原に対する抗体のことです。

A型の人は抗B抗体、B型の人は抗A抗体、O型の人は抗A抗体と抗B抗体の両方の抗体があります。
このように自分には無い赤血球抗原に対して規則的に存在する抗体が規則性抗体です。
これに対して、輸血や妊娠(出産)により赤血球抗原に対して不規則に産生される抗体が不規則抗体です。

不規則抗体は、主として輸血歴や妊娠歴などの既往のある人に検出される免疫抗体(主にIgG性)と、
免疫刺激がない人にでも検出される自然抗体(主にIgM性)とがあります。
この不規則抗体の検出率は約0.2〜4%です。

患者さんに臨床的に意義のある不規則抗体がある場合は、
その抗体に対する血液型抗原が無い適合血液を輸血しなければなりません。
適合血を輸血しなければ体内で凝集や溶血(赤血球の破壊)などの副作用を起こしてしまいます。

これらの不規則抗体の存在を輸血前に検査することは、安全な輸血や適合血液の確保、
また、妊婦さんの場合は、血液型不適合による新生児溶血性疾患(HDN)の予知と対策に重要な意義をもっています。

 (臨床検査技師による不規則抗体検査)

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