保育園見学&誕生日
C病院での診察のときのことだった。
”療育施設への登園はゆーさくちゃんに必要です。ゆーさくちゃんの住む地区の保健婦さんに私のほうから連絡をしておきます”と主治医が言った。
C病院にも付属の療育センターがあったのだが、行政の関係で入所するためにはその街に住んでいないとだめとのことであった。
当時、3ヶ月に1度くらい、私たちの住む地区担当の保健婦さんが、我が家へ巡回して、ゆーさくの様子を見てくれていた。
いつも、保健婦さんだけではなく、小児科医と発達相談員という発達専門の人も同伴であった。
C病院で主治医にそういわれ、しばらくして、また保健婦さんたちによる巡回があった。
そのときに、ゆーさくが住む町の療育センターのことを教わった。
ゆーさくが住む町の療育センターは、市が保育園としてやっていて、ゆーさくのように肢体不自由の子から、染色体異常などの子や、難病の子、自閉症などの子、さらには言葉の発達の遅い子まで、ハンデを背負うさまざまな子供がきているという。
いろんな病院の子供たちが集まり、ゆーさくのように医療ケアをしている子も通ったり訪問保育を受けていると聞いた。
ゆーさくの発達のことしか考えていなくて、もともとかあちゃん自身は家にこもるのがすきではなかったので、”いかせたいんですけど”と、かあちゃんは即答する。
小児科医の先生は”ゆーさくちゃんはなにしろ、未熟児だし、春を待って入園するようにしましょう”と言ってくれ、保健婦さんは”じゃあ、まず見学に行くように段取りをつけます”と言ってくれた。。
そして見学の日。
行って見て、”ふつーの保育園じゃん”と思った。
以前、C病院の療育センターの見学もしたことがあり、そこでは肢体不自由の子が中心であったためか、やはり特殊な雰囲気を感じざるを得なかった。
だからかもしれないが、たくさんの子供たちが廊下をうろうろし、みんな笑顔で楽しそうに遊んでいる、その保育園の雰囲気は、普通の保育園と変らないものであり、正直これが療育センター?とビックリしたのであった。。
しかし、重い肢体不自由の子のクラスもあり、見させてもらったが、やっぱり他のクラスの子の活気あふれる雰囲気もちゃんとこのクラスにもある、さらにそのクラスは保育士と子供の数があまりかわらなく一人でぽつんとしている子供がいなかった。
”ゆーさくを通わせよう”その気持ちはますます強くなった。
見学の最後に、園長先生との話があった。
この保育園では、毎日通園の”園”、と週2日母子通園の”教室”があった。
"園”のほうは、週2日母子通園で、残りの3日は送迎バスの送り迎えがあり、子供の単独通園となる。
そのことを聞き、かあちゃんは”できたら園で・・・”と言ってしまう。
もちろんゆーさくを一人で預けるのは少しまだ可哀想かな、という気持ちもあったのだが、せっかくの機会だし、という思いもあった。
”園にゆーさくちゃんのように、鼻のチューブの子がいますし、こちらの管理の問題もあり、ゆーさくちゃんも園になると思います”という答えであった。
さらに、ひととおり説明やら質問などを終えお開きとなる。
その日は他にも見学に来ていた家族がいたのだが、何故かうちだけ残らされた。
”ゆーさくちゃんを預けるにあたって、医療ケア面など具体的な質問や不安などはありますか?”と聞かれる。
正直、他の家族と同様に帰ろうとしたかあちゃんは拍子抜けした。
質問をされても、”鼻のチューブは園で抜けたら入れてもらえるんですか?”などという具体的な質問しか思い浮かばなかった。
預ける気満々で、もともと”やってみないとわからない”といういきあたりばったり家族なのでその質問ですら、”質問って、なんかあるかなあ”と少し考えた後に思いついたくらいであった。
それよりも、重症児扱いのゆーさくにはちゃんと配慮をします、という保育園側の熱心な姿勢が伺え、正直かあちゃんはうれしく思ったのであった。
見学を終え、入園させようという気持ちはとても強くなった。
そして、入園にむけての手続きがすすみ、春を待って、その保育園にゆーさくは入園する。
実際入園したら、”本当に入園させてよかった”と思うことばかりだ。
たまたま、とうちゃんの仕事の都合で今いる街に住んでいるのだが、たまたまそういう療育センターがあって、すごい偶然だけど、とても幸運であった。
それからしばらくして、ゆーさくは1歳の誕生日を迎えた。
誕生日プレゼントは、木琴。
視覚がどこまで使えてるのかわからくて、聴覚は敏感なので、やさしい音のする楽器を・・・とかあちゃんは思って買う。
誕生日には、初めてゆーさくに生クリームを舐めさせてみた。
すると、口に入る瞬間はとても嫌がるのだが、口に入れてしばらくすると、もぐもぐ口を動かし始める。
さらに、顔がすこし笑っているような・・・。
とてもうれしい発見であった。
やはり、やっぱり子供だ、さらにおデブなとうちゃんとかあちゃんの子だ、ゆーさくも甘いものは大好きなんだ、と感動する。
しかし、誤嚥性肺炎を起こすのも怖いので、舐めさすのはほどほどにしておいたのであった。
ちょっとニッコリ^。^
1歳おめでとぅ!