日本の選挙では女性刺客は脇役――台湾と日本の選挙文化の違い――
 
9月5日付け『聯合新聞網』は、先ごろ行われた日本の衆議院選挙について台湾の選挙文化と
異なるところを指摘し、学ぶべき点があるとする。
 この記事の執筆者・林東泰台湾師範大学教授に拠れば、台湾メディアが触れなかった日本
の選挙文化について、台湾は少なくとも3つの面が学習に値するという。すなわち、選挙報道、
選挙関連のアンケート及び選挙の宣伝である。
 選挙報道に関しては、日本では長年に渉って政見に関する報道を主とし、抜け駆けをしたり
相手を攻撃したりはしない。今回の選挙は公示から投票日まで40日間あったが、正式な選挙
期間は8月18日から29日までで、この選挙期間の前にはいかなる選挙活動もなく、各政党がマ
ニフェストを出しただけであった。
また、選挙期間中の新聞報道も政見を重視し、いわゆる女性の刺客に関する報道は軽い扱
いであった。だが、台湾メディアは自国の選挙文化の枠組みによって日本の選挙の様子を再
現し、女性刺客といった記事を強調して政見を軽視したのである。
 選挙公示前に候補者の看板や旗などが見られなかったことを思えば、こう問わざるを得な
い。なぜ日本人はこんなにも法律を守るのか。一方、台湾の候補者は法律を守らないのか。
日本ではどこの政党も人身攻撃で目立とうとはせず飽くまで政見を強調する。これとて台湾の
報道は攻撃や誹謗中傷、果ては罵詈雑言に満ちているのとは雲泥の差なのである。
 宣伝についても同様のことが言え、いかなる媒体の宣伝にあってもやはり政見を強調し、他
政党のマイナスの広告は流さない。台湾はこの点はアメリカの攻撃的な広告手法を学び、政
見広告を軽視している。
 このほかアンケートについて、日本のメディアは他の先進諸国同様、絶対に特定の政党が提
供いた選挙関連のアンケートを報道しない。これについても台湾では各政党と候補者の出すア
ンケート結果飛び交うのとは全く異なる。台湾の政党や候補者はアンケート結果のデータを振
りかざしてなるたけ選挙に反映させようとし、メディアは彼らにまんまと利用されているのであ
る。
2009年9月6日




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