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台湾の『中国時報』(筆者所見は『鳳凰網』所引「中国新聞網」)は、7月29日付けで「アメリカ
が中国に接近、日本はやりきれない」という見出しで記事を掲載。内容は、先月開かれた米中 戦略・経済対話で、オバマ大統領が「米中関係は世界のどの国との関係よりも重要である」と 発言したことに対して、かつて小泉純一郎首相がブッシュ大統領と日米関係の蜜月期を演じた ことのある日本は、今や米国に周辺国として扱われるのではないかと心配しており、米中関係 が親密になる中、いかにして自らの立ち居地を定めるかが今後の課題となる、というものであ る。記事では、今回の金融危機において中国のふるまいに、アメリカは瞠目しないわけにはい かなかったこと、日本は金融危機でアメリカの次に大きな影響を受け経済状況が悪化し、内需 拡大に政府が資金を放出した中国を尻目に自慢の自動車産業さえもマイナス成長になったこ と、さらに政治状況の不安定によって日米関係の継続も危ぶまれていることなどを指摘してい
る。
この記事に対して、『鳳凰網』に寄せられた読者の反応は、「日本鬼子はアメリカにぴったりく
っついてきたんだから屈辱を受けて当然」、「日本には長期的に策略を立てねばならない。常 に(事件に)対処するのではなく、積極的に攻撃し不断に小日本を叩いて、トラブルメーカーを 鎮圧せねばならない」といった意見も見られたものの極めて小数で、むしろ多かったのは「アメ リカがほしいのは、この危機をやり過ごすのに手助けしてくれる中国のお金と市場だ、中国を 押えつけることに変わりはない」、「幼稚すぎる。アメリカは中国を利用しているのだ」、「アメリ カは、谷底に落ちた経済を立て直すのに中国が協力してくれなければ、目も当てられない状況 になるのが心配だから、そんなふうに言うのだ」といった、反米的なものだった。このほか、 「(中米関係が)いいと感じているのはメディアだ」「『中国時報』の社説は何を言いたいのだろ う。我々が強いと?日本なんてたいしたことないと?アメリカ人はわれわれと仲良くしてくれるよ うになったと?そんなに本気にすることあるんだろうか。何だか中国と日本がお妾みたいに寵 愛を競ってるように思える」「誤解でしょう?日本人の理解力はそんなに低いのか。アメリカは 中国との関係が最も重要だなどとは言っていない。」といった発言も見られた。『鳳凰網』は香 港に拠点をおくメディアだが、極めて中国寄り。
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