第三十八話 |

おもちゃ売り場の夜
●場所: 大阪府 彼のバイト先で



私は大阪に住むフリーターなんですが、
これは前のバイト先で起ったお話です。
結構「デパート新装開店」と聞くと、「奇麗な仕事」ってイメージありますけど、
ホント汚いんです。 地下の仕事が多くて、陳列棚なんか動かしたらごみ
だらけだし、 掃除もしなきゃいけないし、 シンナーの匂い充満してるし。
バイトくんはいろんな汚い仕事をさせられます。 でも従業員とか
上の人はそんな汚い仕事はまわってこないのです。
不公平で通っているそのバイトでしたが、給料は結構いい方なので、私はやっていました。
さて、その日は最悪の新装開店を手伝わされる日でした。
夜の仕事で2:00深夜からはじまりました。
大阪は梅田にある有名デパートの洋服売り場の階です。 私は
二階から地下にかけて仕切り用の板をはこんでいました。 そして、
荷車をおしながら、一人、おもちゃ売り場の横を通りがかったときです。
ふと右手のエスカレーター付近に視線がいったんです。
すると、
「指らしきもの」がはさまっているではないですか。。。
私は確かめるため、もう一度目を見開いてよくみてみました、 すると、その指は「つつつつっ」と
おもちゃ売り場の中へまるで子ねずみのように走って消えて行きます。。 それを
みていた私は、背筋がぞっとして、暫くは動けませんでした。
そしたら、暗いおもちゃ売り場のほうから、
ジャンジャンジャン!!!」と
まるで昼間のおもちゃ売り場のような、おもちゃ達が動きだす音が聞こえます。
暗闇の向こうでタンブリンをもったサルが踊っています。。。
そして、なにかに見られているような気がしたので、自然と左のエスカレーターの方に視線がいったんです。
すると、そこには
5歳くらいの半ズボンの男の子が消防車のおもちゃを抱きかかえてずっと私の方をみています。そして。。
その子の足元にはさっきの指が
とことこと周りをまわっています。
そしたら、近くにいた警備員のおじさんが私に話し掛けてきました。
「でたんか、 やっぱり。。。 有名なんや。 二階のおもちゃ売り場の幽霊は。 10年前になるんやけどね、
お母さんと一緒に誕生日のプレゼントを買いにきていた男の子がな、
おもちゃ売り場の左の、下りエスカレーターの上から降りてくる途中にな、足踏み外してな、
エスカレーターの下にもろに転落したんや。
嬉しかったんやろうな、早足で降りたんやな。 ほんで落ち方が悪うてな、指が
エスカレーターの機械にまきこまれてもうて。。。 ほんで、エスカレーターのステップのぎざぎざの部分で
顔まともにうってな。 鼻なんかもうぐちゃぐちゃやったんや。。。 それからな、おれら警備員がようその子が夜のおもちゃ売り場で遊んでいるのを
みかけるようになったんや。。。。」
そのバイトはイベント関係はなんでも引き受けるという”何でも屋”っぽい
バイトで、内容はというと、塗装の手伝い、道路工事、デパートの
商品の搬入、デパートの新装開店の手伝いなどです。
そのすぐ右横がおもちゃ売り場です。真ん中の通路を除いて
照明がないので、 暗いおもちゃ売り場は不気味でした。「がくっ」
と急に私の荷車が動かなくなったのです。
"こま"がロックした状態というか。。 そして私はこまをチェックしようと、
下をのぞきました。 すると。。 そのこまの付近に
「ピーポーピーポ ー
顔の見えない(無いといったほうがいいでしょうか。)
「う、うわああー 出た!」
と心の中で叫びました。もう必死でした。 転げるようにして地下一階のリーダーの所にいきました。
そして詳細を話しました。 私の表情があまりにも真剣だったので、 彼はすぐ信じてくれました。
それってもしかして阪X百貨店のおもちゃ売り場のことですか? それに貴方の匿名って
もしかして。。 おっと、これ以上はいえない。
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