No.00010 アラブからの技術者、アブドゥル・ハッシー氏が亡命、電撃入社へ

弊社試験地にて
 事実上の戦時下にある中東の某国(ハッシー氏及び現地法人の安全のため非公開)にある弊社事業所から、
本社社長室宛に緊急電が飛び込んできた。2003年も押し詰まった12/29の夕方である。
興奮した現地担当者が途切れる国際回線の向こうで口にした言葉に、藤田社長は耳を疑った。

「先程アブドゥル・ハッシー氏がお見えになり、正式な亡命の依頼を日本大使館に提出してきたとのことです。」
それだけではない、なんと日本での身元引き受け先に我が社を指定してきたと言うのだ。

ハッシー氏といえば知る人ぞ知る、知らない人は全く知らない軍事用強化人間のスペシャリストである。
強化人間開発においては世界随一の企業を自負する我が社としては、ハッシー氏が身元引き受けに
我が社を指名してくることは考えられない話ではない。しかしあまりにも突然の話である。藤田の動転も無理は無い。

 氏は研究開発分野にとどまらず、軍事的運用に関する専門家でもあり、氏の入社は我が社の更なる躍進を意味する。
未だ信じきれない藤田が現地大使館に至急連絡を取ったところ、氏の亡命は果たして事実だった。
 しかも大使館員の話では、以前から我が社と(中東とも)因縁のある西の某大国も承認済みの話だという。
喜びを隠せない藤田であったが、唯一の問題点が頭をよぎる。

西専務(研究開発室顧問兼務)と氏の確執である。
二人の強化人間に対する研究姿勢には大きな隔たりがあり、国際会議の席でも二人は頻繁に対立しているのである。
当然ながら氏の入社にあたっては専務から強い反対意見が上がったことは言うまでもない。
しかし藤田は社益を優先し、氏の身元引き受けを承諾。一月中旬にも氏の亡命、入社が決定する予定である。

(注)続報は順次こちらのリリースにて発表いたします。