押し間違いしない!!


エレベーターの開閉ボタンにはほとんどの人が苦い経験をお持ちでしょう。
ボタンのデザインが紛らわしくて、先に乗った人が親切心で、後から来る人のために開けて待ってあげようと思いながら、あわてると反対に閉めてしまうことがよくあります。

現在主流のデザインは、横向き三角の組合せ漢字の開閉表示です。
前者は動く方向をとっさに判断でず、後者は字体が似ているので、あわてると間違うのです。
インターネットのホームページでも同様のクレームや問題提起がたくさん掲載されています。

そこで、どんな人(老若男女・外国人でも)瞬時に開閉を正しく判断できるデザインを考えようと取り組んだ一部始終をご報告します。



■ 現在の代表的なエレベーター開閉ボタン

   * どれも押す前に一呼吸考える時間が必要です。


■ はじめは咲いているバラの花とつぼみの写真で開閉を表現しょうと考えました。

写真省略 写真省略


■ ほかにも、鳥、扇子、本、朝顔、蝶など開閉するいろんなものをデザイン化してみました。

  * これは、閉じた状態の表現が難しいことと、子供や外国人になじまない物もあり断念しました。


■ 万人向けには、やはりグラフィックデザインが一番よいと考えました。

※ 最終案(右下)は、上の図案の下半分をカットしたものです。


■ ホワイトスペースの割合を検証しました。
 
  * 「ひらく」は全体幅の50%にし、「しめる」は3%に設定しました。
  * 念のために、ひらがなと英語で文字情報も併記しました。


■ 試作品で利用者アンケート調査を実施し、おおむね好意的な評価を頂きました。

 

  ※ OKは、ご意見は聞けなかったが、抵抗なく使われた方です。


■ 最終仕上がりは下のデザインになりました。いかがですか。

               ★これをA案とします。



 2003年9月に応募した、第4回しずおかユニ
  バーサルデザイン大賞の優秀賞に入賞しました。


驚きの新事実が判明!!

それまでホームページはgoogleの日本語検索ばかりしていたのですが、英語でもできるということでやってみたところ、なんと瓜二つともいうべきよく似たデザインが掲載されていたのです。

カナダのDavid Scrimshawという人で、現地のエレベーター協会などに売り込まれているようです。
ディテイル(文字・▲マークの有無)は違うものの、ホワイトスペースの割合で開閉を表すコンセプトは同様です。「ひらく」のホワイトが若干私のほうが狭いのですが、「しめる」の方はほとんど同じです。

彼がインターネットに流した時期のほうが、私の発表よりも早いので、こういう場合、意匠権や商標権を申請することはできなくて、著作権のみ主張できるとの見解が通説のようです。

いづれにしても、偶然とはいえ太平洋を挟んで同じ発想に基づくデザインに到達できたということは究極までに洗練されたデザインに仕上がったのであろうと、残念な反面満足しております。


■David Scrimshawさんのデザイン





さらなる挑戦!!

 文字や▲矢印がなくても開閉方向がわかるデザインに挑戦。

B案 C案

■白黒の境界線を中央で屈折または屈曲させて、左右に膨脹する イメージと、左右から狭窄されるイメージを表現しました。

■「ひらく」はフーセンが膨らむイメージを出し、「しめる」はルビンの壷やコカコーラの瓶のように中央が絞られたイメージを表現しています。一瞥するだけで開閉の判別ができ、あわてていても間違える心配はありません。

■もちろん念を押す意味で文字情報を加えてもいいでしょう。

以上が私のエレベーター開閉ボタン開発の経緯です。




エレベータ協会、大手メーカーさんへの提案と反応

2004年6月に、エレベーターの大手メーカー5社と社団法人日本エレベータ協会に対して、現在の開閉ボタンデザインの問題点と、私の考案デザインの紹介及び使いやすいデザインの早期の開発をお願いする提案書を送付いたしました。

2004年9月現在のところ、M社からは「知的財産権に関わるご提案の場合には、特許権、意匠権、実用新案権などが登録された考案のみを検討対象とします。」という文書とともに提案書が返送されてきました。

前記のとおり、カナダの人が酷似のデザインをHPで発表していますので、日本においても商標や意匠の登録は認可されません。
行政書士が行う「存在事実証明」は取っています。


またH社からは、「当社では(開)(閉)ボタンのサイズや色を変えたり、ひらがな併記などを加えたものにしており、(財)日本エレベーター協会制定の業界統一のものを採用いていくことが、エンドユーザーの方々の使い易さにつながるものと考えております。」という文書とともに提案書が返送されてきました。

上記2社以外からは今のところ回答は頂いておりません。

10月に入り、T社から回答を頂きました。
「弊社として関連業界とも協調し、ユニバーサルデザインを目指し開発を続けてまいる結論に至った」ことと、「弊社方針として、社外からのデザイン提案については、特許庁への権利登録のなされた意匠のみを検討の対象にしています。」という文書とともに提案書が返送されてきました。


 リンクしています。エレベータ開閉ボタンデザイン関係のサイトです。

光トポグラフィの活用

HITACHIのホームページに、A案と同種デザインの効果が証明されています。

WentWayUp: WebLog

「エレベーターの開閉ボタン問題への解」  私のA案を評価して頂いています。

Excite Bit

エレベーター開閉ボタンのデザインを勝手に提案。
nanapi エレベーターで開閉ボタンを押し間違えない方法……「ひだりはひらく」と覚える。

デザイナー考案の開閉ボタン

気鋭のデザイナーのみなさんが考案した開閉ボタンデザインの提案です。

materialise

間違えやすいエレベーター開閉ボタンに対する問題提起。
よく似たデザインにたどり着きました。 円の大小はおもしろい。

新デザイン エレベーター開閉ボタンA案のシールを販売します。  

御自身所有または所有者了解のエレベーターに新デザインの開閉シールを試したいとお考えの方に、サンプルとして作ったシールを販売致します。
どんな反応やご意見ご感想を頂けるでしょうか。ぜひ開発者にもメールでお聞かせ下さい。

※ 摩擦に強いアルミ蒸着のシールですが、使用頻度や使われ方により、永久耐用を保証するものではありません。

■ サイズ……正方形は25mm四方。 円形は直径25mmと20mmがあります。

■ 価格………開閉5セット各300円(全国送料無料) 通常郵便で郵送します。

■ ご注文方法……郵便番号・ご住所、ご氏名、電話番号、数量をメールでご注文下さい。

■ ご入金方法……代金後払いです。商品と一緒に代金を記入した郵便振替用紙を同封しますので、1週間以内にお近くの郵便局からご入金下さい。
             ※なお振込手数料はお客様ご負担でお願いします。

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