総選維持派議員の意見 過去現在の比較

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明石市市議会 平成14年12月定例市議会

尾仲利治議員、発言を許します。
○議員(尾仲利治君)登壇
 私は、質問通告に従い順次質問をいたします。市長以下当局の誠意あるご答弁をお願いいたします。

−中略−

 次に、教育行政についてお伺いいたします。
 まず最初に、高校入試総合選抜制度についてお伺いいたします。明石市における高校入試総合選抜制度は、1975年、昭和50年3月より始まりました。以来27年を経過し、今日に至っています。そもそも明石市に総合選抜制度を実施してほしいと市民や教職員の間での要望が高まったのは、明石北高校が新設されたときからでありました。それまでは明石市には単独選抜制度の県立明石高校、明石南高校、そして明石市立商業高等学校でありました。しかし、明石の人口は日本の高度経済成長期に入り、急激に増加を始め、昭和45年には人口20万人を超え、どうしても高校を新設する必要がありました。新設校には入学する中学生も保護者もそして送り出す中学教師も、無論新設校に着任する高校教師も大きな希望を期待を持っているはずであります。
 しかし、現実には他の学区を見てみますと、後に開設される学校ほど下位に位置づけられる傾向にあり、また上位を目指す中で、受験競争が激化し、中学校教育の正常化を妨げるおそれがあることが現実となっていました。
 そういうことで、少しでも緩和され、15歳の春を泣かさない、だれもが自信と誇りを持って高校に入学できるようにしたいという市民の強い願いが実り、全国でも例のない学カ均等割りによる総合選抜制度が実施されることになりました。以後明石には、明石西高校、明 石清水高校、明石城西高校が次々と新設され、その後明石高校には美術学科、他校には英語、理数コースなどが設けられてきました。また、1988年、昭和63年3月には、従来からの地教委間の協定を無視する明石西高等学校不正入学事件が起こり、総合選抜制度が危うくなるときもありまレたが、この事件も解決し、これが一つの大きなきっかけとなり、明石・加印学区が分離されるに至りました。
 ところで、最近になって明石学区における総合選抜制度について論議されるようになってまいりました。私は、明石の総合選抜制度は非常にすぐれた制度であると思っていますが、人間のつくった入学制度には、完壁と言われるものはありません。よりよい方法、教育を受ける側の生徒の資質を最大限に生かし伸ばせる方法、それぞれの時代に合った入試方法を常に考えていく必要があります。今回、明石市の行った市民意識調査では、総合選抜制度の評価は二分と新聞報道されていましたが、明石市教育委員会は、明石市における高校入試総合選抜制度をどのように考えておられるのかお伺いいたします。

○議長(冨田賢治君)  教育長。
○教育長(森田尚敏君)教育長ございます。
 教育行政について、順次お答え申し上げます。
 まず、明石学区の総合選抜制度でございますけれども、これは先ほど議員ご指摘がございましたように、歴史的経緯の中で、市内の県立高等学校の序列化や格差意識を解消し、中学生の過度の受験競争を緩和するといった一定の成果を上げておると、こういうふうに理解をいたしておりますし、また、市民にも定着してきているというふうに恩っております。
 しかしながら、この制度は導入されまして27年が経過する中で、さまざまな意見があることも事実でございます。こういった長短両面を常に見つめながら、各方面の方々の声に耳を傾けてまいりたい、こういうふうに考えております。
 例えば、志望高校へ進学できない場合がある。こういうことにつきましても、実際問題として、結果的に約2割程度がそういったことになっておるということも事実でございますし、また、大学進学結果等による高校評価、こういったことのみで評価することは適切ではない と、こういうふうに思っておりますけれども、やはり、そういった面で大事なことは、入学した一人ひとりの生徒が意欲的に学び、自己の能力を十分に発揮するとともに、人間形成に適した環境が整っているかどうかということであろうと、こういうふうに考えております。
 このたび、市民意識調査を実施をいたしました。その結果、いろいろな意見を聞いております。そういったものを今後十分検討しまして、県に対しまして、また我々教育委員会といたしましても、その内容等を十分把握した中で研究してまいりたいと、こういうふうに考え ております。

○議長(冨田賢治君) 尾仲議員。
○議員(尾仲利治君)

−中略−

 それから、教育行政についてですが、高校入試制度総合選抜制度については、私も述べましたし、教育長もそのいい点悪い点述べられました。基本的には、やはり総合選抜制度27年の中で定着はしてきてしると思います。また、いっとき、実施されてから特に五、六年の間は、総合選抜制は終わりになるであろうというようなことがよく言われました。私も現場におったものですから、よくそういうことが言われ、子どもの間でも言われておりました。ある子が総合選抜制、来年終わりなんですねというふうなことを言ったものですから、君はそれどこで聞いたんだと聞けば、塾の先生が言うとったというふうなことで、大変失笑したことがありますけれども、非常にこの総合選抜制度定着している中で、しかし間題点もあるということも指摘されております。そういう中で、やはり私たちの考え方として抜けておったのは、高校側の、受ける側の教育の方法、方針、そういうところも改善する必要があるのではないかというふうに思います。
 現在、兵庫県では一つは単独選抜制、一つは総合選抜制、そして連携校方式、3つ目ですね。そして、ことしから新たに神戸第3学区だったと思いますが、、複数受験ができるような形を、選択制を選ぶような形の受験制度を考えてるということも聞いております。兵庫県は そういうふうに3つないし4つの選抜制度がつくられているわけでありますけれども、そういう中で、明石における、全国でも例がないと思いますが、学力均等割りによる総合選抜制度、これを何とかいい面を伸ばし、発展させていくと。そしてまた、子どもたちがそれぞれ 自信を持って学校に入学し、自信を持ってまた卒業できるという形にできたらなと。さまざまな英知を集めて考えていかなければいけないんではないかというふうに思います。
 そういう中で、この総合選抜制度、せっかく明石に27年間定着しているわけでありますので、これをよりよい形に、さらに検討し、子どもたちの資質を最大限生かせる高校生活が送れるように考えていきたいと考えております。

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