神戸新聞「明石の高校入試・総合選抜制度シンポジウム」に関する記事

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入試総合選抜めぐりシンポ
「競争を緩和」「意欲そぐ」
市民ら賛否両論

 市内の県立高校(全日制普通科)の入試に導入されている総合選抜制度をめぐるシンポジウムが二十二日、中崎一の市民会館で開かれた。市民が発言する時間もあり、制度に対し賛否両論の意見が出た。
 同制度は導入から二十八年が経過し、市民の間では「存続」「見直し」で意見が二分されている。市教委は、諮問機関「市総合選抜制度検討委員会」を設置し、今後の在り方の検討を始めた。シンポもその一環として企画した。
 催しでは、まず、文部科学省初等中等教育局児重生徒課の斉藤光男係長が「教育改革と高等学校教育の個性化・多様化」と題し基調講演した。
 これを受け、公家裕・市教委教育部次長と中塚清・市連合PTA副会長ら四人が議論。制度の成果として「受験競争の緩和」などをあげた。半面、「(競争が無いので)生徒の学習意欲を低下させるのが問題」とした。
 また、市内の中学生にとってより良い入試制度は何か−について、「明石では、八割の生徒が希望校に入学できている」「単独選抜は、努力すれ ば報われることを教える機会でもある」との意見が出た。
 会場の市民も発言に立ち、「総合選抜になってから、市内の高校生の学力は落ちている」「学力だけでなく、クラブ活動など別の面で学校の独自 性が出せるのでは」などと述べた。
 参加した市内の高校教諭(三七)は「制度に問題点もあるが、受験競争をさせるよリ、地域の学校で地域の住民と交流することが大切なので、存続させてほしい」と話した。

総合選抜制度
 高校ごとに受験生の合格、不合格を決めるのが単独選抜制度。これに対し、学区全体で合否を判定し、受験生の居住地などに基づいて進学先を決める方法をいう。県内では明石のほか阪神の四学区で採用。明石以外は、総合点の上位者に限り希望校を選べる。

2003年(平成15年)11月23日(日)発行 神戸新聞・明石版より

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