朝日新聞の明石総合選抜に関する記事

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以下、全文

高校入試「総合選抜制度」是か非か

ネットや審議会、議論白熱

「学校選択の自由奪う」

「ランク分け許すのか」

 「子どもたちの学校選択の自由を奪っていいのか」「いや、学校がランク分けされ、受験戦争が激化したらどうするのか」。高校入試(普通科)の際、学校間格差をなくすために学区内の高校の全定員をまとめて募集している「総合選抜制度」をめぐって、明石市が設けているホームページの掲示板で市民らが激論を交わしている。

 総合選抜制度では、総定員分の合格者を決めた後、各高校にそれぞれの定員分の生徒を振り分ける。県内では17学区のうち、明石や尼崎、西宮、宝塚、伊丹の5学区で実施している。

 5学区とも受験生に志望校を明記させる。そのうえで、明石以外の4学区は合格者のうち一定割合(10-35%)の成績上位者だけ志望校に入学させ、残りの合格者は自宅から近い学校に割り振っている。明石では、各高校の学力が均等になるように振り分けるため、例年2割前後の生徒が志望校以外の学校に入学しているという。

 明石市のホームページでは、「学力に見合った教育が受けられない」など否定的な書き込みが目立つ。中には「憲法違反だ」との意見も。このため、同市は毎夏実施している1万人対象の「市民意識調査」で今年初めて、総合選抜の是非を問う項目を加えた。調査結果は12月半ばごろまでにまとめる。

 尼崎学区(県立5校、市立2校)では、各学校の個性づくりを進めるために同市が8月、市立高校教育審議会を新設し、総合選抜が足かせになっていないかについても議論することにしている。

 全国では、「受験戦争」を緩和する目的から、以前は各地で総合選抜が実施されていた。だが、「生徒が高校を選べない」「学校の個性が乏しくなる」などの理由で次々に廃止され、現在は7府県になり、2年後には4府県に減る予定だ。

2002年(平成14年)10月12日(土)発行 朝日新聞神戸版より

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