平成15年9月17日 明石市定例市議会レポート

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 当サイトの管理人やっさんです。本日、明石市定例市議会を傍聴して参りました。その中で明石市の高校入試・総合選抜制度についての質疑応答がありましたので、レポートしたいと思います。当レポートを通して総合選抜制度に関する明石市の現段階の取り組みがお分かり頂けると思います。尚、当レポートは録音禁止の傍聴席で速記の出来ないやっさんが必死で書きとめた範囲のものですので、内容不足で不正確かもしれません。しかし要点は押さえていると思っています。その点、御了承下さい。後日、市より会議録が公開されると思いますので、その際、あらためて詳細は内容をお伝えしたいと思います。

明石学区における高校入試の総合選抜制度について

質問者 大西洋紀議員(新政会)

(1)現行の総合選抜制度に対する見解について
 市長に、数少ない制度導入行政トップとしての見解をお伺いしたい。

 これに対し、北口市長は、「制度導入から28年経過した現在、社会の状況が大きく変化しており、徹底した検証が必要である考えている。限られた関係者の議論だけでなく、開かれた検討会の設置が必要である。市長自身の見解は、それらの議論を聴取した上で、時期をみて見解を述べるべきと考えている。」というようなことを言っておられました。総選が悪いのはよくわかってるのだから、ズババンと決めてくれればいいのにそういうわけにもいかないんでしょうね。

(2)明石市公立高等学校入学者選抜制度調査研究会について
 今年、2、3回ほど勉強会が行なわれたそうだが、構成されるメンバーは11名中10名が教育委員会、学校職員、連合PTA本部役員という、内々の形式的なものであった。広く市民を巻き込んだ発展的なものを期待していたがそうではなかった。

 これに対し教育長は「当研究会はH15.3に設置されたが、現在は、各自が基礎資料を持ち寄り、それらをまとめている最中である。今後、新たな検討組織が必要と考えている。」と言っておらました。結局何にもやってないんです。

(3)明石市全体の学力低下並びに非行化につながる一端を担っている制度ではないか
 単独選抜か複数志願制に移行すればいいと思っているが、総合選抜を100%否定するのではなく良いところは残していけばよいと思っている。しかしながら、公教育の大学進学率低下、学力低下は著しく、一定の学力さえ修めていれば楽に高校に行ける、受験競争に巻き込まれずゆとりある学生生活がおくれるという、大人だけの思い上がった考えの中、少年犯罪が多発し、非行化が進んでいるのではないか?

 これに対し教育長は「具体的なデータはないが、研究会でも中学生の学習意欲の希薄、高校では学力レベルが幅広く授業が進めにくいという意見も出ており、充分認識している。」というようなことを言っておられました。いや具体的なデータがないわけはないんですけど…。当サイトを参考にして下さい。

(4)平等の名のもとにおける受験生たちの自由に進学先を選択する権利を奪う制度ではないか
(この辺りはほぼ全部聞き取れましたのでどうぞ)
 これは私が最も問題視している項目であります。それは平等の名の元における受験生たちの自由に進学先を選択する権利を奪ってしまっている制度だと言うことです。2割もの生徒が自分の志望校に進学できないという事実がこの自由社会の日本の中で存在すること自体、信じ難いことであります。それも学力が伴わないから行けないというならまだしも、志望校に進学できないのは、総合選抜制度を十分受験できる学力の生徒たちなのです。どこの高校も同じだから我慢しなさいでは納得いかないと思います。それならなぜ志望校を提出させるのでしょうか?平等どころか、受験生たちの人権侵害にも当たる重要な問題だと思います。将来の夢に向かって希望を胸に抱きながら必死で努力している純粋な15才の心をズタズタに引き裂いてしまう冷酷な制度でしかありません。志望校を選択できる枠組みだけでも検討できないものでしょうか?

 これに対し教育長は「これは総合選抜制度の最も大きなデメリットであり、生徒の意欲達成が重要であると認識している」というようなことを言っておられました。デメリットであると認識しておられるのですね。これほどはっきり聞いたのは初めてです。評価します。

(5)総合選抜制度の見直しの意思はあるのか
 本当に総合選抜制度の見直す気があるのかその辺お伺いしたい。

 これに対し教育長は「総合選抜制度検討事業として9月の補正予算に組み入れている。現在の研究会を発展させ、検討委員会を発足させ、平成15年に2回、平成16年に3〜4回の委員会を予定しており、その間、教育シンポジウムの開催なども検討している。それらを経て、平成17年に決定権のある県教委に協議してもらう。」だそうです。しっかし、総選廃止への道は長いな。明石市には任せておれません(伏線)。決定権は県教委にあるのかあ…。ふ〜ん。

最後に大西議員が以下の質問を行ないました。

 地元の中学校で総合選抜制度を勉強する会を組織している。何か知りたいことはないか?わからないことはないか?と問うた処、約半数の家庭から総合選抜について知りたいとの要望があったので勉強会を発足させた。
 そこで思ったことだが、明石市は総合選抜制度について絶対的な説明義務があるのではないかと考える。単独選抜であれば説明する必要はないのではあるが、この制度を採用する限りは説明しないといけない。
 ある中学校の先生は「説明はちゃんとしている」と知らないのは親や生徒が悪いかの如く言っている。「3年になれば説明するので、1,2年の間は説明せんでもかまへん」と、こんな低レベルな先生もいる。恐らく総選堅持派の先生でしょうが…。

 これに対し教育長は「当制度は28年間続いており、市民に定着していると思われるが、これだけ問題になっているのであれば、ホームページに説明を掲載するなどの努力も必要と考えます。現在の取り組みとしては、各校のPTA役員に総合選抜についての意見を問うなどの投げ掛けを行なっている。」とのことです。

やっさんの感想
 市議会って初めて傍聴したんですが、ホンマにつまらん会議ですね。予め決められた質疑応答を読み上げてるだけ。国会みたいにもっとボロクソに議論すればいいのにと思いました。そんな話はさておき、当レポートを読んでみなさんはどう思われましたか?「なんや、全然進展しとらんやないか」と思われたかもしれませんが、私は、教育長の口から「学習意欲の希薄」とか「高校の授業が進めにくい」とか「まわし合格がデメリット」という言葉が出たのは、これまでに比べるとやや進展かなと思っています。具体的な取り組みについては、本当は革命とか政変とか起こすぐらいバンバンやって欲しいところですが、まあそんなことは明石市に到底無理な話で、言うてることを聞く限りでは、まあまあ前向きだなあという感じでした。その内、否が応でも総選廃止せなアカンようにしてあげます。ふふふ。


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