総合選抜廃止〜長崎県の例

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総合選抜廃止に反対意見相次ぐ 県立高校改革説明会
 県教委は一日、長崎市内で、県立高校改革を施策化した「県立高等学校教育改革第一次実施計画」の説明会を開いた。同計画に含まれる来春からの総合選抜制度廃止については保護者を中心に反対意見が相次いだ。
 説明会には約三百人が参加。県教委からは清田俊二総務課長ら五人が出席、生徒が行きたい学校を自由に選び、目標に向かって努力することが大切として、同計画による改革の必要性を訴えた。
 県教委側の説明後、会場からの質疑応答では総合選抜制度廃止に対して怒りや不満の声が続出。「一年後の廃止は唐突過ぎる。中学校との三者面談では廃止について一言もなかった。改革は本当に子どもたちのことを考えているとは思えない」「制度廃止後は学校間に序列が生じる。行きたい学校に入学できるのは学力があり、経済的に裕福な一部の家庭の子どもだけ」―などの意見が出た。
 県教委は「総合選抜制度廃止を望む県民の声は多い。改革は学校の個性や特色を伸ばすためのもので、序列を付けるものではない」と説明した。

 説明会は二十六日までに佐世保市、福江市、北松江迎町など県内五市四町でも開かれる。

すべての子ども・生徒を大事にする教育を高教組が県教委の「高校改革計画」の撤回求める声明
           民主ながさき 3月1日号より
 長崎県高等学校教職員組合(西本一朗委員長)は二月二十日、県教育委員会が公表(十九日)した、総合選抜制度の廃止などを柱とする「県立高校教育改革第一次実施計画」は、受験競争の勝ち組のための制度であるとして、撤回を求める「声明」を発表しました。  声明は、総合選抜制度の廃止と通学区域の拡大が実施されると、「今より広い通学区の中にある多くの高校の数だけ序列が明確になる」と指摘。「『受験する自由』は増えても『合格する自由』は今よりも少なくなる。多くの生徒は不必要な劣等意識をもって高校に不本意入学することになる」「遠距離通学が増えることにより学校と地域との連携は断ち切られ、地域の高校としての存在意義は弱まる。今後予定されている高校統廃合の地ならしとなるもの」としています。
 併設型中高一貫教育校の選択的導入(一部の学校への導入)は、「(長崎県立高等学校改革基本方針が)『交通の便利性が良く地元の信頼も厚い地域の中心校』と表現しているとおり、「『エリート校』としての位置づけです」としたうえで、「小学校卒業後の進路が中学校進学と中高一貫校進学の二つに複線化することになり、十二歳の段階での受験競争が激化することになる」としています。
 さらに、計画どおりに、高校の多様化(新しいタイプの学校)と序列化がすすめられると、「今以上に志願者が集まる学校とそうでない学校がつくり出され、今後予定されている高校統廃合を加速させることになる」「県教委は統廃合を推進する理由の一つに生徒数の減少をあげていますが、そうであれば統廃合ではなく、三十人学級の好機と、とらえるべきです」「そうすると、子どもたちの教育条件を改善し、地域の高校を残すことができるのです」と、のべています。

☆印は総合選抜を行う学区です。
総合選抜とは、学区内の総定員を合格者とし各学区の志望優先率によって成績の上位から順にそれぞれの学校の合格者を決め、残りの合格者については、居住地等を勘案して、学力が均等となるように各校に合格者を配分する制度です。


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