寒い季節は単車にあまり乗らないので、故障箇所の把握がなかなかできない。で、この日は天気が良かったので、久々に乗ってみようとして運行前点検をしてたら、フロントブレーキを掛けてもブレーキランプが点灯しない!リアブレーキは点灯する。ってことで、考えられる原因は3つ、断線・接触不良・スイッチの不良。
 で、原因はスイッチの接点がご臨終だったので新しいスイッチに交換するか・・・と思ったが、部品を発注して待ってたら今日は乗れないし、何百円とはいえ予想外の出費だ!何でもかんでも壊れた物をポイポイ捨てて新しい物と交換するのは地球に優しくない!壊れても直して大事に使うのは日本人の美徳だ!エンジニアのはしくれとして、これ程度なら簡単に直してやる!てな意気込みで、直してみた。
 こんなモノをわざわざ直す奴はそうは居ないだろうと思いながらも、どうせ暇だしさっさと直しちゃおう♪と、まるで昭和のバイク屋さんみたいなことをした過程。

 これが問題のブレーキスイッチ。
 プラスネジ一本で固定してるだけだが、ハンドルの下にあるので、工具が入りにくい。そろそろ新しい工具が欲しいなぁと、痛感。
 で、取り外したブレーキスイッチASSY。
 Cの突起部が押されるとA、B間の導通が切れる仕組み。
 おおかた3×3cm位の小さな部品。
 小さな部品をバラすと更に小さな部品が出てくる。
 本来、ココまではバラせないようになってるがプラスチックが割れないように丁寧にバラせば中身を修理できる。この段階で失敗すると、部品を発注するハメになる。
 で、診てみると接点が磨り減って接触不良を起こしてた。
 これが削れた状態の接点。
 この小さな接点が少し削れただけで普通は部品交換。まさにメーカーを太らすための仕組みです。
 そのためにわざわざバラせないように作ってあるんである。
 そんなメーカーに中指を立てつつ、小さな部品の中の、更に小さな部品の、更に小さな接点(2mm四方位)をハンダで厚さを増して、元の形状にヤスリで削って戻す。ヤスリで削っても剥れないようにしっかりハンダ付けする。
 で、元の形状になるように厚さを調整しながら削り、反対の接点とのクリアランスをとる。
 元通りに組み直して作動を確認♪ついでに可動部分に注油をして動きもスムーズに。
 

 たったこれだけの作業なのに、普通、町のバイク屋は割りに合わないからこんな修理はしません。そのくせ中古車を仕上げる時はコストを抑えるためにこんな修理をします。
 作者はバイク屋稼業が長かったからこんな修理もするが、物をバラせるとこまでバラして仕組みを理解するのは大事だなと改めて痛感。直した分だけ愛着が湧くんである。ま、貧乏だから修理するってのが本音ですが・・・