A「滑っただの、滑らしただの。」

 「滑る。」この時期の受験生には禁句のこの言葉も、単車好きや車好きには色んな意味を持ってるかと思う。人によっちゃあ恐怖の引き金だったり、また違う人にとってはプレジャーだったりするみたいです。でも、作者が日頃よく関わる「滑る。」は、自爆も含めて事故や転倒だったりします。前にこんな例に遭遇した。

 事故の当事者Aさんはバイク、Bさんは車。交差点での出会い頭的な接触事故。

Aさんの言い分→「お前が飛び出してきたから、とっさに避けるのに滑ってコケて当ったんや!!」

Bさんの言い分→「お前が飛び出してきたから慌てて急ブレーキ掛けたら、コケて滑りながら当ってきたんや!!」

 う〜ん、お互いの言い分は何となく判るが、全く全然ちっとも話が噛み合ってない。で、重要になるのは目撃証言や物的証拠なんやけど、目撃者は無し。物的証拠は互いの車両のみ。てことで、吠えあってる当事者を横目に車両を観察してると「ふ〜ん、なるほどね。」ぐらいにはインパクトした時の様子が大体の感じは判ってきた。
 でも、あくまで私的予想なので中立的立場をとって何も言わなかった。その後、この件は一ヵ月半の間「お前のせいで滑った!」「お前が勝手に滑った!」の吠えあいにもつれ込んだ。当然、保険の話も進まない。

 もう一つはこんな例。Cさんは原チャリ。Dさんは車。これも交差点の事故なんやけど、互いの言い分が、

Cさんの言い分→「私ね、あーっ!危ないっ!!って思ってブレーキ掛けたらぶつかってたの。何がどうなったのか覚えてへんけど当る寸前にパッとバイクから離れてん!」

Dさんの言い分→「あたしも、危ない!って思ったら、キィーッ!て鳴って、ガンッ!ってなってた。」
 とまあ、スタントマンまがいのCさんと、笑福亭 鶴瓶のような説明のDさんの事故。で結局、この二人はどっちが悪いと言い合うでもなく、お互いに持ち分かれの示談となった。

 で、思った!どいつもこいつも運転する時ちゃんと起きてるのか?てか、何を意識して運転してるの?
 乗り物って下手すりゃ人を殺すかもしれないし、逆なら自分が痛い目に会うかもしれんわけやし、運転中は動かすので必死な人でも、目に写ってる景色ぐらいは把握&記憶しようや!と。
 理路整然と説明できるだけの認識力があって、物的証拠もあれば、輩が相手でも必要以上の不利を受けることはないわけやしね、そうなれば当事者や事故に関わる仕事する人間も大助かりやしね。

 感情だけにまかせて吠えたりゴネるのはサルでもできるわけで、それに対して人並みの認識力があればそんなサルから不利を受ける率も減る。何があっても目を開けて見届けなくちゃ!と、話の進まない事故に関わるたんびに思うよーになってきた。でもそれで見たのが自分の見る最後の景色になるのはヤダなぁ...(怖)。

 でも、「遅刻するーっ」とか考えながら必死で運転したりしてると、周りが見えなくなってて注意力も認識力も低下してて、いざ何かあった時にはよく覚えてないんやろなぁ...うーん、だらだらと愚痴ったが、認知→判断→操作って難しい!