人間には五感ってのがあって、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚がそうなんだけども、その感覚が一つでも欠けると結構大変らしく、生まれつき目が見えないと口の動きが分からないので言葉が覚えにくかったりするそうです。で、奇跡の人へレン・ケラー女史はスゲーなぁと三十路にもなって作者は感心してるわけですが、作者は生まれつき鼻が悪く、花粉症・慢性鼻炎・副鼻腔炎・鼻たけ等、耳鼻科の医者がドン引きするような鼻を持ってました。
なにせ鼻たけって病気は鼻の軟骨が変形して鼻の穴を塞ぐもんだから、全く空気が通りません。だから作者は治療した十歳の頃までは匂いの無い世界にいました。口に入れたモノは微かに匂うんですが、鼻で嗅ぐという行為は無意味な行為だったのでその頃までほとんどした覚えがないです。
そーいや、チョコレートの匂い付き消しゴムはマズかったし、キンモクセイの香りはあのオレンジ色の花を食べて知ったっけ(笑)
目が悪いと喋りにくいのと同様に、鼻が悪いとどうも味覚が薄れるみたいです。だから子供時代の作者には「食べる」という行為に於いて複合的な味(香りを含めて)を楽しむというのはどうでもいい事で、極端に塩辛いものや甘いものが大好きで、いかに満腹感を味わうかが一番重要な楽しみでした。
まあ、犬みたいなもんですな。おかげで小学生の頃は肥満児直前の激太りでした。
で、そんな鼻の利かないおかげで好き嫌いの無い肥満児直前の子供時代を過ごしたんだけども、十歳の頃に手術をして鼻が通った時にものすごくビックリしたのを憶えてる。それまでは味の濃さと微かな香りや見た目で判断してた食べ物が、香りという部分が大きくクローズアップされたことによって全く違う存在になったんである。
それ以来、香りのインパクトと味の濃さのバランスが好みじゃないとダメで、特に香りが勝ちまくってるのはダメみたいで、納豆や春菊は子供の頃は食べれたんだけど今はダメになったし、味が嫌いで食べれないものは無いけど、香りがダメで食べれない物がずいぶん増えた。
納豆なんて醤油の味しかしなかったものが、ある日いきなり臭いの塊になったから全く違うもの状態で、それまでの食生活は何だったの?てな感じである。
普通は幼い頃から色んな香りや臭いに慣れていくんだろうけど、作者の場合は十歳のある日を境にめくるめく香り&臭いの世界に放り込まれたもんだから、かなり敏感な嗅覚の為に初めは戸惑った。が、そもそも香りや臭いを意識したり感じたりする生活習慣が無かったので、意識的に感じたり、味わったりしなければ日常生活に支障は無かったし、今となっては多少苦手な香りでもマヨネーズさえかければ味が濃くなるのでなんとか食えるようになった。
いやーマヨネーズは偉大やね。
よく犬は凄い嗅覚だから少し臭う程度のものでもすごく臭いんじゃない?なんて言うがあれはきっと調節できるんじゃないかなぁ。多少だけど、人間の目や耳も意識すると敏感に反応するでしょ?目を凝らしたり耳を澄ましたりしてね。
そんな感じで作者は意識しないとあまり匂いを感じません。でも、嫌いなものは意識するので非常に敏感になってとても臭く感じます。
今でも作者の鼻は年々悪くなってて、今じゃ点鼻薬がないと鼻で息ができない。が、この鼻がいざ通ると凄い能力を発揮するんである!元々匂いを意識したり感じたりするための価値観が備わってないのに敏感だから意識すると普通の人よりは嗅覚が働く。
少し使い方がおかしいみたいだけど・・・
昔、旅行に行った時に、全然知らない四方を山に囲まれてるような所に連れて行かれた時に
「海の方に行こう♪」
と言って5Km程先の海の存在と方向を匂いで当てて案内人をビックリさせたり、仕事で単車の修理をしてた時も、何処かの配線がショートしてヒューズが切れてる時に新品のヒューズを入れて、もう一度ショートさせて焦げ臭い匂いをたどってショートしてる配線を見つけたり、ガソリンの新鮮さを匂いで判断したりと、かなり人間として間違った嗅覚の能力と使い方をしている。
こんなに匂いを把握できるのに、作者は「食べる」という行為に対してほとんど燃料補給的な感覚しかない。だからじっくり味わうのが苦手で、かなり意識しないと香りなんて覚えてない。
そもそも食べ物の香りを感じる習慣が無かったので香りと味を一緒に感じるのはかなり意識しないとできないんである。
で、最近した失敗が某披露宴に出席して、生まれて初めて食べたトリュフの香りをまったく意識してなかったので覚えてない!ブタが匂いで探すものらしいのだが、香りを感じ忘れたのも悔しいが、ブタに嗅覚で負けたみたいでなんか悔しい!
味はしても香りがしない、もしくは覚えてないってのは、せっかく手に入れたCDをモノラルスピーカーで聞いてるようなもんで、すーごーく損してる気分になる。
こんな難儀なインターフェースを顔のど真ん中に装着してるもんだから日々の生活でも困ることがある。それは強烈なフローラル系の香りがする場所や人なんかで、具体的にいうと、美容院だったり化粧や香水の香りがキツイ人なんかがあてはまる。意識するとめまいがする。
昔、郵便局でバイトしてた時に美容院で書き留めの印鑑をもらう時は息を止めてたし、電車で隣に水商売系のオネェーチャンが座ろうもんならすぐに立ち去りたいぐらい辛い。作者にとってフローラル系の香りはシンナーに匹敵するんである。まあ、そうゆう場所や人に非は無いんですけどね。
こんな感じで作者は五感の一つがポンコツなんで、それを補うかのように発達した感覚がある。
それは第六感!俗に言う勘ってやつで、「きっとあの角を曲がるとポリがおる!」とか「なんかこのファイルはウイルスくさい!」なんかがそうで、結構、当たります。が、競馬やパチンコなんかではこの第六感が全然役に立たない・・・
料理の香りも大事だけど、第六感で嗅覚を補って、是非、金の匂いだけはは嗅ぎつけたいもんだ! |