最初に断っておくが、作者はM(マゾ)じゃない!が、何の因果か普通に暮らしてる平均的な日本人より、きっと、多分、まあまあ、痛い目に多く会ってると思う。つうか、間違いなく!
まず思うのは、「痛み」なんて感覚は、生物が命の危機を認知・判断できるように本能的に備えた感覚で、人それぞれのバイタリティーというか、気合などによって同じ痛みでも我慢できる人、出来ない人がいるみたいです。
仮に痛さの度合いを数値化できるとして、気を失う程の痛さを最高基準値にして、それを「100イテテ」という単位にしたら、作者の場合は60イテテ〜70イテテぐらいは今までの人生で経験してきたと思う。目玉の横から注射針を入れたり、骨が肉を突き破って、さらにジーパンを突き抜けたり、手術の麻酔をケチったりと、色々な経験をしてきた。全くしたくもねーのによ!
しかし、まさに「怪我の功名」とはよく言ったもので、その数々の痛ーい経験のおかげで、慌てることなく冷静に怪我等の度合いを判断したり、対処できるようになれたのである。「まぁ、死なないでしょ」程度のスプラッター的状況を目の当りにしても、まずは、ビビッたりパニクることはないハズである。だから、「これぐらいの出血なら縫わなくてもOKでしょ。」とか「この痛さは骨にヒビぐらいやろ。」と医者でもないのに勝手に判断して、オロナインでも塗ってほったらかしにしてきた箇所が沢山ある。
それらは作者の、「痛みは我慢すればタダ♪」という金銭的な誘惑に弱い部分と、一度、耐えた痛みは脳ミソにデータとして記憶されていて、経験済みの痛み(70イテテぐらい)までは、次回からは理屈抜きに耐えられるという思い込みの成せる芸当であった。これはある意味、間違いである。と言うか、普通に考えて、かなり大間違いであった!つい最近、気が付いたけど・・・
十代から二十代後半に入るような頃までは、自分の肉体が衰えるなんてことは全く気にした事も無かったし、調子に乗って絶好調のフル回転で酔っ払ったら、「俺様は不死身!死なへんし!かかって来〜い!!」ぐらいに思ってた。
で、当時、基準にしてたのは、ヘロヘロに酔ってる状態で我慢できない程の痛みを自覚すると、素面じゃかなり痛い!つまり治療費が掛かる!という基準。これを痛感したのは、二十歳位の時に、友人達としこたま飲んでから、原チャリに乗って二軒目か三軒目に向かう途中で派手にコケた時だった。
その時、作者の足には骨折治療用のボルトだのパイプだのが入ってて、まだ骨が完全にはくっついてなくて、体重もあまり掛けるなと医者から言われてた。その足をアスファルトでめっさ強打した瞬間、ついさっきまで、脳ミソは「かかって来〜い!!」な状態だったのに、70イテテを認識したとたんに脳ミソは、「突然、誠に申し訳ございませんが、早退させて頂いてよろしいでしょうか?」と言えるぐらい冷静になっていた。
その後、パイプとボルトの形に内出血した足を診た医者に「本気で治す気あります?」と、作者よりさらに冷静に言われた。その後、治療は予定より一ヶ月程延びた。酔って痛いてことは、かなり痛くって深刻な状態ってことですな。で、その後、じゃあ、素面でチョコッと我慢すれば気にならない程度の痛みなら心配ねぇーじゃん♪と勘違いし出して、最近に至った。最近じゃ某飲み屋の店主から、「骨折家」という肩書きも頂いたしね。
んで、体のアチコチをポキポキ、バキバキっと繰り返しては、「チョッと痛いかなぁ?まあ、大丈夫やろ。動く動く♪」てな感じで二十代も過ぎていって、三十路に突入したころの冬、体を鍛えようとジョギングを始めた。んで、二ヶ月程たった頃、仕事で左足首を捻挫した。が、たいした痛みも無かったので、少し左足を引きずるような感じでジョギングを続けていた。
すると、一週間後位に右の膝に激痛が発生し始めた!その痛みは日に日にどんどんひどくなっていき、しゃがんでから立ち上がるのに少し気合を入れなくちゃダメなぐらいになっていった。右膝が?何で??て感じだった。元々、右膝は骨折の手術の関係で、冷えるとシクシクと痛む程度であった。
で、考えた。普通、左足首を捻挫してジョギングすれば左足首が悪化するやん!と考える。しかし、作者の場合は、その左足首をかばう為に右足を酷使して、若かりし頃に怪我をした部分が悲鳴をあげ出したのである。おお!これが巷の噂に聞く、年を取ると古傷が痛むっちゅうやつやな!
そこでハッと我に返ってゾッとした。俺、何ヶ所折れてたっけ?医者で治したのは二ヶ所位しか思い出せん!うーん・・・全部が痛い古傷になったらエライこっちゃ!
ここ最近は体の老朽化を真摯に受け止めて、悪態をつきつつも、保険証を持って病院に行くようになった。若さはなかなか自覚できなかったが、自分の老け具合は痛みを我慢して招く結果に恐怖を感じて自覚しだした。あーやだやだ。一度、耐えた痛みでも二度目の時は年を取ってると耐えれないかもしれないから、これからは人並みにしか痛いのは我慢しないもんね。
しかし、痛さを数値化できる痛さメーターって作れへんのかな?それがあれば、人並みに我慢するべき痛さも分かるし、野郎では耐えられないらしい出産の痛みなんぞも数値化できて、再現できるのなら、痛みに対して耐性のある作者は「かかって来〜い!!」状態でチャレンジしてみるぞ♪つうか、こんな事を考えてる時点で、やっぱ俺ってM(マゾ)? |