@ 出石の十割ソバ♪

 京都からノンビリ走り、途中で福知山のコンビニでタバコの吸い溜めをしたりしながらエッチラオッチラとやって来たのが、兵庫県の出石市。豊岡の少し南側で、その昔は城下町として栄えた土地である。

 関西では「うどん」がメジャーな麺類であり、「ソバ」はマイナーな感じだけど、この出石は300年前に信州からソバの食文化が伝わったらしく、関西ではけっこう有名な蕎麦処なんである。

 G/Wだというのに八重桜が満開のチョイ後ぐらい。

 ここに到着したのが出発から二時間後ぐらいで、第一の目的地だったため遅咲きの桜とはいえ天気の良さも相まって最高に清々しい気分で到着♪

 とりあえず、駐車場は一台分占有しててみる(笑)
 で、最近、あまり出番がないうちのガス子ちゃんを何気にパチリ。
 タンクバッグも付いてて真面目にツーリングしてるでしょ?

 こんないかにもツーリングじみたスナップを撮ったのはいったい何年振りやら・・・

 帰宅後、洗車したらカウルの中が桜の花びらだらけでした(笑)
 んで、これが前日から食べたくてしょうがなかった「十割ソバ」。
 ¥1000ナリ。

初めに、茶請けに和菓子じゃなくて昆布の佃煮がでてきて、メインのソバが来て最後にソバ湯が出てきた。

本物の生わさびは鮫肌でおろしていただく♪

 作者は戯言シリーズにも書いたが、常日頃、「食べる」という行為にあまり興味が無い。つうか、読めば分るが臭いや香りが意識して本気を出さないと感動の域まで行かない。

 が、目の前に在る食べ物は香りや風味を堪能する食材ばかりである。
 「ウリャッ!」っと袖をまくり深呼吸してから頂いてきた♪



 メニューの横にお勧めの食べ方として 「ネギを少量入れて、わさびは麺つゆに溶かずにソバに直接つけて食べると良い。」と書いてある。
 が、作者の哲学として、「対価を払って得た食い物は対価を払った奴が自由に食う。」ってのがあって、対価を頂く側が偉そうに勧めるもんじゃないと思ってる。
 でも、そのお薦めの食べ方の最後にはこうも書いてあった。 「しかし、ソバは本来自由に食べるもの。それが一番美味しいのかもしれない。 店主 」

 これを読んで、ヘソマガリというかアマノジャクな作者は、
 「おっ、分ってるやんこの店主!」 「じゃあ、あんたの勧めた食い方も試してみたるわ♪」
 なんて気分になりながら、先ずはプレーンなソバを薬味無しで一口。 (本気出して)

 んっ!!!!、さすが十割ソバ。味も香りもよく食べるのよりも濃い!!ついでに雑味というかエグミというかも濃い!ふ〜ん、生蕎麦ってこんな味なのねって感じ。

 で次はネギを入れてつゆに浸けて一口。 (同じぐらい本気で)

 う〜ん・・・まずくはないんだけど、普通の味っていうか、いくら風味や香りが良くても、生蕎麦(100%蕎麦粉)の宿命というかボソボソと切れやすいので、二八のソバのようにズルズルーッっと喉ごしや食感を楽しめない分±0って感じで、あまり感動は無し!まあ、こんなんもアリかな?って感じ。

 じゃあ、次はお勧めとやらの食い方で試してみようと思い、生わさびをおろしだした。

 かなり昔、子供の頃に一度だけ生わさびをおろして刺身か何かを食ったことがあるんだが、当時は嗅覚が全く無い世界の住人だったので、味も香りも覚えてない。
 で、おろしだしてまず感動したのは摺りおろしたわさびのビジュアルがとてもクリーミーに見えたこと!日頃はスーパーで買ってきたパックの刺身に付いてる粉っぽい食感のわさびか、チューブ入りの練りわさびしか食わないから余計に新鮮に見えた!!

 わさびが良いのか鮫肌が良いのかは定かではないが、見るからに香りの立ちそうなクリーミーわさびをソバに直接つけて一口 (興味津々で)

 んんーっっ!!!!!!!!!!!!
 「なるほど!!!」

 まず、本物の生わさびって下品な辛さが無くて甘いぐらいで、香りもすごく上品!で、そんなわさびをつゆに溶かないのはその味と香りをフルに生かす為で、そんなわさびを直接付けた十割ソバはプレーンな状態の風味や香りはそのままに、雑味やエグミを生わさびが隠してくれるという段取りだったんである!!!
 やるじゃん!店主!!

 この時、少しだけ究極のメニュー対至高のメニューで、海原雄山に「ぐぅ」の音も出ないぐらいにやられた山岡士郎の気持ちが少し分りました(笑)

 あっと言う間に一皿をたいらげて満足した作者ではあるが、期待していた十割ソバは「ふ〜ん、なるほど。」 程度の感動だったが、おろしたての生わさびの絶品さには正直、舌を巻いた!!
 久々に食べ物で感動したのが生山葵(ワサビ)とは・・・
 恐るべし!食の世界!!本物の生わさび以外のワサビは全部ジャンクフード級だったのね・・・

 山葵を楽しめる日本人になるぞっ!と作者が決意したのは2006年の出石でした。