E溶けた脳ミソの戯言

 今年の夏は猛暑だの酷暑だので軒並み平年の最高気温を上回ってるみたいで、大変なことになってます。
 ま、記録はどうあれ夏だから暑いのは当然なんですが、作者の場合は「直射日光」そのものに対する耐性はかなりあって、浜辺で寝て焼いて真っ赤になっても気付かないし、さほど苦痛は感じないのだけども、その暑さの為にかく汗の量がシャレにならない!浜辺でゴロンと寝そべってるだけなのに、とんでもない量の汗が吹き出てくる。横で寝てた友人がその汗の量を見ただけで大笑いしてたぐらいでだし、また、ある時はいつも行く飲み屋で、店に入るなり店主に「外は夕立か?」と聞かれるぐらいの汗をかく。
 そんな汗かき世界チャンピオンの作者なので猛暑なんて関係無く、春頃からえげつない量の汗をかくので、どれだけビールを飲んでも間に合わない。なんとも燃費の悪い話である。
 ちなみに作者は真冬でもカレーの中辛以上を食べると汗をかきます。

 で、そんな暑い夏なのに、バイクってものに乗ったことの無い人、特に女性の方なんかが、ジーパンとTシャツで疾走するバイクを見て、
 「バイクって涼しそう♪」
 とか、
 「気持ち良さそう♪」
 なんて言う人がチラホラいる。
 確かに車種や排気量によって暑さの程度に差はあるが、基本的にバイクは暑いんです!真冬は真冬で寒いが、着る服を豪華にすればするほど暖かくなるし努力と経済力があればなんとかなる。でも夏は極端な話が素っ裸でいても暑いんだから、バイクで200キロで走ろうが300キロで走ろうが真夏の炎天下に身体一つでむき出し状態なんだから、直射日光だけでも大変で、最悪な車種になるとエンジンの熱がすごいんです!

 空気の流れを「風」と言いますが、バイクのエンジンってのは基本的にその「風」で冷やします。
 と言っても、都合良く向かい風がいつもバイクに吹いてくる訳じゃないので、前に走って発生する向かい風をエンジンもしくはラジエーター等の冷却装置に当てて冷やします。簡単に言うと、このラジエーター等の冷却装置には沸点が百度以上の特殊な水や油なんかが入ってて、それがガンガンに熱を持ったエンジンの周りを熱を奪いながら循環して、またラジエーターに戻るような仕組みになってます。つまり、風で冷やされるラジエーターは百度前後になってたりします。
 で、そのラジエーターを通過した風が後ろ向きに排出されると股にエンジンを抱えるように乗っている人の身体に当たります。
 これがたまらなく暑いっ!!車種によっちゃあヒザの辺りにドライヤーを吹き付けてるような状態になります。しかも走ってる間ずっと!だから、よくバイクに乗って
 「俺は風になる!」
 とか、
 「風を感じる!」
 なんて言ってるバカがいますが、走ることによって向かい風を発生させるのであながち間違いじゃあないんだけども真夏の場合は、
 「俺はドライヤーになる!」
 とか、
 「熱風を浴び続ける!」
 とかの方が表現として正確だと思います。

 そんな熱い状態の上にフルフェイスのヘルメットを被って、グローブやブーツを履いてると気が遠くなるほど暑くてヘルメットから滴った汗がガソリンタンクにボタボタと落ちたりします。
 で、そんな作者の条件を更に悪くするのが二人乗り。いわゆる二ケツってやつです。

 野郎を後ろに乗せる時は死んでも密着なんてしたくないので、座席ベルトと車体を両手で持ってもらうのですが、女性の場合は腕力的に無理っぽいので、しがみ付かれる格好になるのだけれども、これがまた暑い!気温が約36度、背中に約36度、そしてエンジンから熱風・・・冷静に考えりゃ罰ゲームなんだが、若かりし頃のスケベ心や下心ってのは大したもんで、そんな苦痛もヘッチャラだった。
 夏で猛暑だろうが酷暑だろうが、もうできる限りのありったけの神経を背中に集中して、ビバ夏!ブラボー薄着!!って表情の分からないフルフェイスのヘルメットの中でニコニコしながら運転してた。微塵も苦痛を感じることなく。

 で、その後、車なんかを購入すると人を乗せるのにバイクを使うことはなくなって、バイクは個人的に楽しむ趣味のオモチャになっていって二人乗りをする機会はなくなったのだが、25〜6才の夏にひょんな事からバイクの後ろに、女性を乗せることになってしまった。
 で、走り出して10分程たった頃、あまりの暑さに耐えかねて一度バイクを止めて後ろの女性に座席ベルトと車体の持ち方を教えて密着しない乗り方を覚えて頂いた。
 要するに今更女性と二人乗りで、なんのスケベ心も下心も湧かないからってことで野郎扱いである。(笑) いやぁ〜ブランクがあったとはいえ二人乗りがあんなに辛いとは・・・だいたい密着されると身体の自由も奪われてかなり運転しずらいし、あからさまにブレーキの効きも悪くなるし、暑苦しいしのデメリットばっかりなので、その時から二度とするまいと決めている。

 ま、そんなこんなで快適に目的地に着ける車と違って、真夏のバイクは暑苦しいのだけれども、今の作者の夏のバイクの楽しみはその暑さに耐えて目的地に着いた事自体が嬉しかったり喜びになるみたいです。
 まあ、サウナで散々我慢した挙句のビールが美味しかったり、ゼェーゼェー言いながら頂上に着くだけの登山と同じようなもんで、目的地で飲む缶コーヒー一本ですごい幸福感が味わえたりします。まあ年齢とともに遠出する元気は無くなってきてますが・・・

 なんか最近は見栄を張るために胸にパッドを詰めてる女性が多いらしいが、バイクで二人乗りをして密着する機会がある人は逆-豊臣秀吉的発想で、胸パッドの代わりに保冷剤を入れてみてはいかがでしょう?運転してる人にウケるとおもうんだけどなぁ。