ナンキンハゼ(南京櫨)
| 樹形 | 樹皮 | 色好き始めた葉 2026-10-18 |
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樹形: 高さ10〜15m以上になる落葉高木。幹は直立し、よく枝分かれして丸みのある美しい樹冠を作ります。
樹皮: 灰褐色から暗褐色。縦に細かい裂け目や浅い割れ目が入り、ゴツゴツとした質感があります。
葉: 互生。菱形に近い広卵形で、先端が尾状に長く伸びるのが最大の特徴です。
秋には赤や黄色、オレンジ色鮮やかに美しく紅葉します。
花: 5〜6月頃に開花。枝先に黄緑色の小さな花が穂状(総状花序)に多数集まって咲きます。
果実: 蒴果(さくか)。秋に熟すと3つに裂け、中から白いロウ質に覆われた3個の種子が顔を出します。
種子: 白いロウに包まれた球形の種子。野鳥の大好物であり、かつては石鹸やロウソクの原料としても利用されました。
冬芽: 小さく、芽鱗に包まれて枝先に着生します。 (注)秋から冬にかけて、葉が落ちたあとも白い実が長く枝に残るため、まるで白い花が咲いているかのような独特の景観を楽しめます。 街路樹や公園樹として広く植えられており、新緑、夏陰、秋の紅葉、冬の白い実と、年間を通じて変化に富んだ姿を見せてくれます。
樹木にまつわるエピソード
ナンキンハゼは、その名の通り中国(南京)を原産とし、江戸時代に日本へ渡ってきた樹木です。
かつて種子の表面にある白いロウを採取するために日本各地へ導入されましたが、
現在ではその美しい紅葉や冬の白い実の観賞価値が高く、街を彩る街路樹や公園樹として人々に愛され続けています。
黒船以前の舶来植物と「灯り」の文化
ナンキンハゼ(南京櫨)は、江戸時代初期に中国(南京)から伝来したとされる渡来植物です。
当時、最も重要視されたのは実を包む「白いロウ質(ハゼろう)」でした。
これから精製される油脂は、和ろうそくや高級な髪結い用の油(木蝋)の原料として用いられ、
暗い日本の夜を照らす貴重な実用資源として各地で大切に栽培されました。
「ハゼ」の名を継ぐものの違い
和名にある「ハゼ」は、同じく木蝋が採れるウルシ科のハゼノキ(櫨の木)に由来しますが、
ナンキンハゼはトウダイグサ科であり植物分類上は全く別の仲間です。
ハゼノキと違って「かぶれる心配がない」ため、扱いやすいロウの木として普及し、
近代以降は工業用石鹸の原料としても人々の暮らしを支えました。
モダンな景観と冬の鳥たちのレストラン
時代が下り電灯が普及すると実用的な役割は終えましたが、今度はその高い観賞価値が評価されるようになります。
菱形のスタイリッシュな葉がみせる秋の「赤・黄・緑のモザイク紅葉」や、
冬の落葉後に枝に残る「白い真珠のような実」は、モダンな都市景観や公園に絶妙に調和します。
冬場にはヒヨドリやムクドリなどがこの白い実を求めて集まる、野鳥たちの憩いの場(レストラン)としても親しまれています。