守部井散策路

 守部井(もりべゆ)は、西武庫公園の西側、武庫川東岸の堤防の下にある。
井(ゆ)とは、ここでは昔の農業用水の取水口を指す。
詳細は、武庫川東岸六樋探訪を参照願いたい。
守部井は武庫川の伏流水が湧き出ているところで、下の案内板が示すように様々な動植物が
生息している。



 守部井の池  休憩所  取水口

 カルガモ 分水口 水路

センダン(栴檀) センダンの実

クロガネモチ 幹にあるイボ状の突起 咲き始めた花

クロガネモチは日当たりの良い環境を好み、初夏には新緑が青々と茂る立派な樹形を見せてくれます。
5月17日時点では、葉の付け根に淡い紫を帯びた小さな花がひっそりと集まって咲き始めていました。
滑らかな灰白色の幹に見られる多くのイボ状の突起は、この木ならではの逞しい生理現象です。
成長に伴って呼吸を行う窓である「皮目(ひもく)」が押し出されて変形したものや、
もしもの時に新しい枝を伸ばせるよう樹皮の下に準備された「不定芽(ふていが)」の赤ちゃんが内側から表面を押し上げたものであり、
植物の強い生命力を物語っています。

 ミモザ 柊南天(ヒイラギナンテン) ユキヤナギ

レンギョウ シャリンバイ(車輪梅)

水仙 野草の中にラッパスイセン

ツルニチニチソウ



初夏の風景 探訪日 2026-5-17
探訪日は5月17日だが、地球温暖化の影響からか気候的には初夏である。


群生する草花
水路における「重点対策外来種」の勢力は強力である。

キショウブ(黄菖蒲)

キショウブ(黄菖蒲)はアヤメ科で水辺や湿地、河川敷の浅瀬を好みます。
5〜6月頃に、鮮やかな黄色の花を美しく咲かせます。
明治頃にヨーロッパから渡来した外来種で、日本の在来種にはない鮮烈な黄色が好まれ、広く普及しました。
しかし、非常に強健で繁殖力が強く、在来の湿地植物を駆逐してしまう恐れがあることから、
現在は環境省の「重点対策外来種」に指定されています。
水際の景観を彩る華やかさの一方で、自然の生態系を脅かす逞しさも持ち合わせています。

オオカワヂシャ(大川萵苣) 水面を埋めつくすオオカワヂシャ

オオカワヂシャ(大川萵苣)はオオバコ科で水辺や浅瀬を好みます。
名前は、川辺に生え若葉がレタス(古名:チシャ)に似る在来種「カワヂシャ」より、大型であることに由来します。
5〜6月に淡い青紫の小さな花を次々と咲かせます。
水分をたっぷり吸い上げた茎は太く肉質で、瑞々しい大株に育つのが特徴です。
ヨーロッパ原産の「特定外来生物」で、白い蕾と青紫の花をたくさんつけた見事な花穂を立ち上げます。

オランダガラシ(阿蘭陀芥子) 水面を埋めつくすオランダガラシ

オランダガラシ(阿蘭陀芥子)はアブラナ科で水辺や浅瀬を好みます。
名前は、明治初期にオランダ船によって日本に持ち込まれ、葉や茎にカラシ(芥子)のようなピリッとした辛みがあることに由来します。
一般に「クレソン」として知られるヨーロッパ原産の多年草です。
非常に旺盛な繁殖力を持ち、ちぎれた茎からも容易に発根して増えるため、環境省の「重点対策外来種」に指定されています。

コバンソウ(小判草)

コバンソウ(小判草)はイネ科で日当たりの良い河川敷や道端、空き地などを好みます。
ヨーロッパ原産の帰化植物で、5月頃に小判にそっくりな形をしたユニークな穂をぶら下げます。
カサカサと音を立てる愛らしい姿から「タワラムギ」とも呼ばれ、初夏の風情を感じさせます。

ドクダミ(蕺草)

ドクダミ(蕺草)はドクダミ科で日陰のやや湿った空き地や道端、溝沿いなどを好みます。
強い生命力を持つお馴染みの野草です。
5月頃に、独特の臭気があるハート型の葉の間から、十文字に見える白い可憐な花(正しくは白い総苞片)を咲かせます。
古くから民間薬や十薬(じゅうやく)としても重宝されてきました。
生葉の強い臭気成分には高い抗菌作用があり、おできや虫刺されに、
また、お茶として飲むと、高い利尿作用や緩下作用により、体内の老廃物を出すデトックス効果や便秘解消、高血圧予防にも役立ちます。

カラスムギ(烏麦)

カラスムギ(烏麦)はイネ科で日当たりの良い道端や河川敷、空き地などを好みます。
ヨーロッパ原産の帰化植物で、5月頃に細長い大きな穂をササのようにサラサラと垂らします。
画像では、草むらやコンクリート壁沿いでは、小判型のコバンソウ(緑色〜薄茶色)と、
麦に似たスマートなカラスムギ(白っぽい緑色)が仲良く混ざり合って群生しています。
燕麦(オートミール)の野生種にあたり、カラスが食べる麦という意味や、実が熟すと黒褐色になることからその名がつきました。
初夏の風に吹かれて穂がかすかに擦れ合う姿は、どこか素朴で懐かしい野の風情を感じさせてくれます。