JR大阪から新快速で約1時間、びわ湖線能登川駅で下車。近江鉄道バス八日市駅行きに乗り換え約12分。観音寺口停留場で下車し、バス停から進行方向に向かって右の横道に入り、三叉路を右へそれ、結(むすび)神社の鳥居をくぐりすぐ左側に、観音正寺川並参道の入り口がある。 参道はよく整備されており、標識も分かりやすく迷うことはない。また、ところどころ石仏や丁石が配置されでいる。30分弱で地道の車道に合流し、ねずみ岩と名付けられた巨岩を過ぎ、まもなく境内に到着する。 聖徳太子の開山と伝えられている。「太子がこの地に来臨された折節、太子自らが千手観音の像を刻み、堂塔を建立されました」と同寺の略縁起に記載されている。境内は、鐘楼、観音水と名付けられた手水、書院、護摩堂、濡佛(ぬれぶつ)が配置され、一番奥に真新しい本堂がある。本堂は平成5年に焼失、10年かけて昨年復興された。 本堂に入り、ご本尊の丈六千手千眼観世音菩薩を拝顔しその大きさにびっくり。観音様の前に正座し、しばし合掌。 同寺のホームページには千手観音を彫り上げた大仏師の、彫り上げる苦労と感慨の言葉が載せられている。「国境を越えた深いご理解のもと、本来なら絶対に入手困難な二十三トンもの白檀を確保できたのです。 香木としても大変に貴重なこの材は、すこぶる重く、そして非常に硬いのです。厳寒の中、お寺に泊りこんで木工機械を扱いながら、原木を角材の状態に木出しする作業は非常に危険なものでした。(後略)」 濡佛は第二次世界大戦時供出されたが、昭和58年に再建したもの。胎内には信徒の写経が納められているとのこと。濡佛の横の道は、観音寺城趾を経て桑実寺、さらに長命寺へと続く。
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