☆ 土地家屋調査士

☆ 行 政 書 士

☆ ファイナンシャルプランナー


こんなときどうするの?
土地家屋調査士


<< 質問 >> 隣地使用権

建物を建てるのにどうしても隣地に入らなければなりません。隣地を使用させてもらえるでしょうか。隣地所有者が立ち入りを拒否した場合どうしたらよいでしょうか。

<< 回答 >>

一定の要件のもとで隣地使用請求権が認められますので、利用の必要性と利用の範囲、利用の態様などについて隣接者に申し入れ、その承諾を求めるとよいでしょう。そして、隣人との間で十分協議し、利用の際の隣人に対する危害の除去や、損害の防止、あるいは、謝礼等をふくめ、合意のうえで立ち入るのが望ましいでしょう。どうしても承諾を得られない場合は、訴訟手続となりますが、一定の時間と費用もかかりますので、時間的余裕と経済的な準備が必要だと思います。

 

<< 質問 >> 雨水の流入

隣地に降った雨が私の所有地に流れ込んで大変困っております。流れてこないような措置をとることができるでしょうか。

<< 回答 >>

平らな土地ばかりでなく高い土地や低い土地がある以上、水が高きより低きに流れるという自然現象との調和の中で私達は生活しなければなりません。ですから、土地所有者は、土地の自然の高低差から生ずる自然的排水については受忍する義務(承水義務)があり、本問の場合も、自然的な排水であれば雨水の流入を妨げることは許されません。自然的排水ではなく人工的排水の場合においては、原則として隣地を使用することは禁止されています。ただし、水流を通過させる場合は、低地のために最も損害の少ない場所と方法を選択しなければならないとされています。

 

<< 質問 >> 水道・ガス管の設置

水道・ガスを引こうとしましたところ、隣地を通さなければ引けません。隣地を使用させてもらえるでしょうか。

<< 回答 >>

下水道については、他人の土地または排水設備を使用しなければ下水を公共下水道に流入させることが困難なときは、これを利用できることになっています。ガス・水道の敷設の場合にも、袋地通行権と同じように袋地導管設置権を認めてもよいと思います。
本問の場合においては、水道・ガスの各事業者に対して供給の申込みをすると同時に、隣接地主に対し、導管設置を承諾してもらうよう申し入れ、承諾を得られない場合においては、裁判により承諾を求めるか設置権の確認を求めるようにして下さい。

 

<< 質問 >> 下水の排水

私の住んでいるところが公共下水道の排水区域に入りました。
排水施設を設置するには隣地を使用しなければなりませんが、
承諾を得られません。どうしたらよいでしょう。

<< 回答 >>

下水道法11条は、他人の土地または排水設備を使用しなければ下水を公共下水道に流入させることが困難であるときは、他人の土地に排水設備を設置し、または他人の設置した排水設備を使用することができる、と規定しています。
導管を地中に施設したとしても隣地の所有権・利用権に制約を与えることになりますので、できるだけ隣地所有者に迷惑のかからない方法・場所を選んで設置しなければなりません。下水道法11条1項後段は、他人の土地または排水設備にとって最も損害の少ない場所および方法を選ばなければならないと規定しています。そして他人の土地を使用した者は、当該使用により他人に損害を与えた場合においては、損失を補償しなければなりません(同11条四項)

 

<< 質問 >> へいの設備と費用

私は借地に建物を所有していますが隣りとの間にへいを設置したいと思います。その場合の費用とへいの材質、高さなどはどうすればよいのでしょうか。

<< 回答 >>

境界上にへいを設置する場合は、まず隣人に設置に協力して欲しい旨を申し入れ、へいの高さ・幅・形・材質・費用負担などについて十分話合いをすることが大切ですし、原則であるといえます。協議もせずに一方的に設置したりすることは、隣人とのトラブルの原因になるだけでなく、「刑事事件」にもなりかねませんので十分注意をしてください。万一、隣人と協議をしても、話し合いがつかない場合には、民法でで一定の基準が定められています。へいの材料は板べいまたは竹垣とし、高さは二メートルとされており(民法225条2項)、設置・保存の費用は平分(平等)負担とされております。(同226条)しかし、この基準と異なる慣習がある場合とか、他の法律や条例で別の定めがされている場合(建築基準法61条・62条などでへいを不燃材料でつくることが義務づけられている場合とか市町村の建築条例できめられている場合)などでは、それにしたがうことになります。相手方の意向を無視して、単独で設置しようとすれば、かえって、相手方から工事禁止の仮処分を受けたり、費用の負担を拒否されたりする場合が考えられます。
ところで、以上述べました囲障設置権は、あくまで境界上に設置する場合の権利であって、自分の所有地内に設置するのは、原則として自由です。

 

<< 質問 >> へいとプライバシーの保障

隣人から、境界上にいままであった板べいが古くなったので共同でブロックべいに建てかえないかと申し入れを受けましたが、応じなければなりませんか。

<< 回答 >>

本題のように、板べいをブロックべいに建てかえるというのは、保存行為の範囲をこえていると思われるので、申し入れの内容が平等の費用負担でブロックべいにしたいというのであれば、当然に応ずる義務はありません。
囲障設置権の目的は、あくまで相隣関係の調整として、囲障を設置することにより家宅内の平穏・安全・プライバシーの保護をはかるものですから、この目的を達する範囲にかぎられるべきであり、隣人との関係においても一定の制限があるもと思われます。
トラブルを防ぐためには、隣人に対する配慮が大切ですし、十分な協議をつくし、調整を得たうえでへいを設置するのが望ましいと思います。
本問の場合には、ブロックべいにした場合の利害特失について、十分相隣者と協議し、原則として費用は平等負担となりますので、その点も考え、あくまで従来の古い板べいを保存するにとどめるか、あるいは支障がないのであればブロックべいに建てかえるかきめるとよいでしょう。
相隣者が一方の同意も承諾もないまま一方的に従来のへいをこわすことは、一方の所有権の侵害にもなり、違法な行為です。もし一方的に取りこわし、ブロックべいの工事などを強行する場合には、工事禁止の仮処分申請をし、工事を中止させることもできます。

 

<< 質問 >> 擁壁の設置と費用

隣接地は、約3メートルくらい高いのに、土留めの擁壁もなく、雨が降ると崩壊する危険があるので、擁壁を設置したいのですが、その費用はどうなりますか

<< 回答 >>

崖地に崩壊の危険があるのに、その所有者が土留工事をしようとせず、隣接土地所有者が損害を受けるおそれのある場合には、隣接所有者は、所有権にもとずく妨害予防(具体的には、予防工事の施工)を請求することができます。相手が請求に応じない場合には、裁判所に請求することになります。緊急を要する場合においては、一方で工事を実施し、その費用を相手に請求することもできると考えられます。

 

<< 質問 >> 境界石の設置と費用

境界石の設置費用は隣人とどのように負担すべきですか。

<< 回答 >>

土地の境界を標示することは、相隣者相互にとって、権利であると同時に義務であるとされます。(民法223条・224条)。
しかし、境界標を設置する場合、境界標の種類・材質や設置場所、設置数および費用の負担などをきめなければなりませんが、これらは相隣者間の協議で決定するのが原則です。
相手が境界標を設置しない場合には境界についての争いが生じていることが多いことを考えますと、相手方が設置に協力しない場合に、協力を裁判に訴えて求めることなく、ただちに単独で境界標を設置して費用のみを相手に求償するという簡便な方法を認めることは、許されないものと思います。

 

問 >> 隣人が境界石を勝手に埋設した

隣地との間で長年境界をめぐって対立していますが、このたび相手側は私の所有地と思えるところに、私の講義を無視して、境界石を埋設してしまいました。ほうっておいて良いでしょうか。また石をどけさせるには、どうしたらよいのでしょう。

<< 回答 >>

相手が一方的に境界標を設置したからといって、そこが境界と確定するものではありませんし、また、所有権の境もそこに決まるわけではありません。だから境界石の埋設は法律的には効果のないもので、ほうっておいてもよいともいえます。しかし、実際は、境界石の設置はそこまでは自分の土地だという相手側の顕著な意思表示です。したがって、そのままほうっておくとあなたがそれを認めたものとされかねません。それに、右の境界石を正当と信ずる第三者が新たに当事者になってくると事態は複雑になつてきます。だからやはりきちんと対応すべきでしょう。しかし、だからといって、問題の境界石を引き抜いてしまうというのではいかにも乱暴です。境界石は少なくとも隣地者の所有物ですから、その意味でも勝手なことはできませんし、相手の境界主張にもそれなりの根拠はあるのでしょうから、正当な場所かもしれませんので、うっかり引き抜くと境界毀損罪といった問責もうけかねません。ここはやはりオーソドックスな対応が望ましく、ご質問のような長年の争いがある場合は,思い切って正式に訴訟などの法的手段を講じる必要があるでしょう。


<< 質問 >> 土地の面積不足

マイホーム用の土地を買いましたが、いざ建物を建てようとしたら面積が契約書の面積より小さい場合。売主の不動産業者に文句はいえますか。また隣地は面積が登記簿より多いので、そちらに越境ということで、文句はいえませんでしょうか。境界石はあるのですが。

<< 回答 >>

契約書に書いてある面積より不足していたのですから、売主の業者には文句を言えそうに思えますが、残念ながらそう簡単ではありません。というのは、面積との関係でいえば、土地の売却契約には二種類あるのです。
 一つは実際に土地を実測してその坪数を前提として売却を行うもので、「実測売買」といわれているものです。この場合は、その前提とされた面積に不足していれば、売主に文句をいえます。
しかし、実測売買ではなく、ある面積を前提とせずに単に具体的なその土地を売却する場合もあります。この場合には買主の方でその土地にこれこれの面積があるな、と見込んでいて実際にはこれがはずれても売主に文句はいえません。
 登記簿上の面積、いわゆる公簿面積は不正確のものであり、実際の土地がこれに不足していることはめずらしくないので面積不足というだけで境界を確定理由とはなりません。


<< 質問 >> 隣地が不在者のとき

私の土地に隣地の石垣用の石が野積みになってます。どけるように請求したいのですが、誰が所有者かわかりません。どうしたらよいのでしょう。

<< 回答 >>

とりあえずは登記簿に頼るしかないでしょう。登記簿を見てその登記簿上の所有者に連絡する。その結果、その者が所有者だと主張すれば、それを信じるしかありません。
又、登記簿の所有者が、所有権は自分ではないという場合、例えば既に誰某に譲渡したという場合には、その名指された者を相手にします。(ただし、未登記のままというのでは危険ですから、その者に登記を求めてその上でするほうが無難です。)
稀に登記簿上の所有者の住所宛に手紙出しても転居先不明で戻ってくる場合があります。このような場合には、登記簿上の住所は、登記当時の「住民登録」の住所ですから、それを手掛かりに戸籍関係で追跡調査をする以外にないでしょう。
尚、ごく稀に相手の行方がわからない場合もあります。例えば、住民登録上の住所を去っていてどこへ行ったのか不明という場合です。このような場合、法的には「不在者」といいますが、当の本人を相手にしようにも分からない訳ですから、こんなときは家庭裁判所に申し立てて管理人を選任してもらって、その者を相手にすることになります。
なお、登記簿の本人が既に死亡している場合には、戸籍によって相続人を調べそれらの人全員を相手にします。相続人がそれを機会に単純相続の登記をすれば、相続登記によって新しく登記簿上の所有者となった人だけを相手とすれば足ります。


<< 質問 >> 民法・行政法規

隣家が境界線ぎりぎりに建物を建築を建築しはじめましたが、境界からは50センチメートル以上離して建築しなければならないのではないのではないでしょうか。
私は防火地域に今度家を新築するつもりです。
防火地域では隣地との境界に接して建物を建ててもよいそうですが、そのようにできますでしょうか。

<< 回答 >>
民法234条1項は、建物を建築するには境界線から50センチメートル
以上の距離をおかなければならないと規定しています。
ところが建築基準法65条は、防火地域または準防火地域内にある建築物で外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界に接して設けることができると規定しています。
防火地域・準防火地域の指定を受ける地域は、おおむね住宅密集地の市街地であって、ほとんど境界線に密着して建物が建ち並んでいるのが通例であります。
判例・学説の多数も、建築基準法の規定が民法に優先すると考えています。しかしながら見解もまだ分かれていますので、事前に隣接者の了解をとったうえで工事に着手するのが望ましいと思います。とくに、境界に接して建築するとなると隣地への立入りもしなければならないし、そういう点からも、隣接者の理解を得ることが大切です。


以上

「 境界の法律紛争 」

「境界をめぐるトラブル解決法」
            
              より抜粋


「 境界の法律紛争 」

著 者

篠 塚 昭 次

著 者

宮 代 陽 一

著 者

佐 伯 剛

発行者

有限会社 有斐閣

     
「境界をめぐるトラブル解決法」

著 者

 茶 川  基

発行者

 自 由 国 民 社




<< 質問 >> 境界確定と用途廃止

法廷外公共物に係る境界確定や用途廃止はどの程度行われているのですか。

<< 回答 >>

  1. 境界確定事務及び用途廃止事務は、法定外公共物の財産管理事務の中でも 最も代表的な事務です。

  2. その事務量は非常に多く、境界確定は、年間約102,000件(過去3年の平均)あり、総延長は約10,180kmに達しています。
    また、用途廃止は、年間約12,000件(過去3年の平均)あり、面積は約270haとなっています。

参考

(1) 過去3年間における用途廃止の件数及び面積

平成7年度

12,298 件

約 311 km

平成8年度

12,149 件

約 275 km

平成9年度

12,693 件

約 235 km

3年間平均

12,380 件

約 274 km

(2) 過去3年間における境界確定の件数及び総延長

平成7年度

96,656 件

約 9,595 km

平成8年度

107,527 件

約12,197 km

平成9年度

104,144 件

約 8,744 km

3年間平均

102,775 件

約10,179 km

 

最高裁判所判例

公共用財産につき黙示的に公用が廃止されたものとして取得時効の成立が認められた事例 (昭和52・4・28最高裁第一小法廷判決、昭和52年(オ)第135号建物収去土地明渡請求控訴、同附帯控訴事件、上告棄却)
<判決要旨>
隣接する宅地と一体をなして既にその一部と化し、道路として利用されることもその必要もなくなっている道路を隣接宅地とともに買い受けた者がその地上に建物を建築したのち、右道路は、買受人及びその継承人らによって建物敷地の一部として占有を継続され、現在に至るまで道路として利用された形跡が全く存しないなど判示の事情があるときは、右道路につき黙示的に公用が廃止されたものとして、これに対する取得時効の成立を妨げない。

「黙示的に公用が廃止」される条件

1. 長年の間、事実上公の目的に供用されることなく放置。
2. 形態・機能を全く喪失。
3. 他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのため実際上公の目的が害されたことがない。
4. もはや、その物を公共用財産として維持すべき理由がなくなった。


※ 民法
第162条【所有権の取得時効 】@二十年間所有の意思を以って物を占有した者は所有権を取得す。




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