私が旅客機を撮り始めたのは、たまたま家の近くに「千里川」(*)があったからである。
サラリーマン稼業の傍ら、そこそこの写真を撮るためには、やはりそれなりに撮影地に通わなければならない。
1995年にそれまでのCanon FDシステムからEOSシステムへ機材を一新したとき、ホームベースを探しにあちこち車で行ってみたものの、心に響く場所を見つけることができなかった。
そうこうしているうちに最初は見向きもしなかった「旅客機」も、故黒澤明監督がデザインしたMD−90が飛び始め、次第に「旅客機」の世界へ引きずられていった。
未だに「旅客機」については知らないことが多く、特に海外のエアラインなどは、ずぶの素人である。よって「レアな」機体ってホントは何かよくわかっていない。
けれども「旅客機」を撮りはじめて、四季折々の空気を肌で感じ、朝夕の色を嗅ぎ分けているうちに、飛行機を撮っているのではなく、実は自分の住んでいる町の空気を撮っているのだなあと思うようになった。
ここでも、ありきたりの飛行機の写真しか展示していませんが、私の写真から何か感じとってもらえれば大変嬉しいです。
(*)千里川:伊丹空港の南側、飛行機が頭上を降りてくるデートスポットとしても有名な場所。
|