[仙丈岳(長野・山梨県境)] 平成18年7月30日(日) メンバー.4名
7/30(日)曇りのち晴 6:40大平山荘−8:55薮沢渡渉点−9:30馬ノ背ヒュッテ9:50−10:30仙丈小屋−11:00仙丈岳(昼食)11:45−12:25小仙丈岳−13:05大滝の頭−14:10北沢峠
   

中央が仙丈岳

甲斐駒と摩利支天

 土曜日の15時半に京都を出発。
夕食に伊那市の韓国焼肉店で石焼きピビンバを食べ、高遠の桜の湯に浸かる。
美人の湯系のツルツルしたいい温泉だ。
仙流莊バス停前の大駐車場の傍らにテントを張り、宴会後就寝。

 温度が下がらないなと思っていたら、朝はどんより曇り空。
前日の天気予報でも曇り午後から雨だから、しゃーないかと5時半ぐらいからバス停に並ぶ。
6時5分始発だが、バス停には何十人と長蛇の列で、5時35分から臨時便が動き出した。
第2便に乗れたので、薮沢ルート登山口には6時半過ぎに到着。

 少しでも早い出発はありがたい。
大平(おおだいら)山荘前から歩き始める。
 少しずつ高度を上げながら、南アルプスらしい苔の多いしっとりした道を辿れば、やがて沢の音が聞こえだす。
薮沢に出会い、右岸を歩いていくと、左岸へと渡る丸太を3本くくった橋がある。
沢にはまだ雪渓が残っている。

 今度は左岸に沿って登り始める。
この頃から陽が射しだし汗がにじむが、沢を渡る風が涼風となり、束の間暑さを忘れる。
振り返れば、雲海の上に甲斐駒ヶ岳が浮かんでいる。
ガスで見えたり隠れたりしながら、摩利支天も右に姿を現す。

 薮沢から離れて少し登れば、馬ノ背ヒュッテに着く。
しばし休憩の後、樹林帯を抜ければ景色が一変する。
小仙丈岳から仙丈岳に続く稜線が一望され、薮沢カールの緩やかなスプーンカットの地形が柔らかく広がる。

 仙丈小屋は新しいきれいな小屋で、テラスからは甲斐駒ヶ岳を臨み、反対側には仙丈岳がそそり立っている。
もし泊まるなら、仙丈小屋の方が断然いい。
テラスの外には、小さな風車が数基回っており、エコ発電しているのだろうか。

 お花畑に入らないように規制された道を通り、薮沢カールをグルッと巻いて稜線に出る。
稜線沿いに少し歩けば仙丈岳の頂上に着く。
少しガスがかかっているが、北岳、間ノ岳、鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳、槍の穂先もチラッと見えた。
残念ながら、雲の向こうにあるはずの富士山と塩見岳は見る事が出来なかった。

 ビールで乾杯、小宴会風昼食後、岩の多い道を歩き小仙丈岳に着く。
ここで休憩をしていると、標識を支える石組みの間からオコジョが顔を出した。
カメラを構える間もなく、登山道を横切り茂みに隠れてしまった。
 仙丈岳への登りでは雷鳥の親子を見る事が出来たし、今回は運がいい。

 花も期待していたが、薮沢ルートではメタカラコウが多く、コイワカガミやヨツバシオガマ、チングルマ、ミヤマキンバイ、ゴゼンタチバナ、シャクナゲ、イワギキョウ、クルマユリ、ウサギギク・・・と種類は多いが数は少なかった。
 驚いたのは、草と言ってもおかしくない高さ5センチぐらいのシャクナゲが一面に花を付けていたことだ。
こんな小さなシャクナゲで花を付けているのを見るのは初めてだ。

 大滝の頭を過ぎ、北沢峠に向かってどんどん高度を下げていく。
14時過ぎに北沢峠に着き、長衛荘で買ったビールを飲みながらバスを待つ。
バスの定員が揃えば臨時にバスが出るので、15時まで待たずに乗る事が出来、駐車場まで早く降りられた。

 サウナと化した車に乗り込み、クーラーを最強にして、温泉へと向かう。
今回は天気に関しては嬉しい誤算だった。
家に帰ると、梅雨明けのアナウンスがあった。
ちょうど梅雨明けの夏山に登れ、期待していなかった分喜びも大きかった。
(山)
   

薮沢を渡る

薮沢カール

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