御嶽山(岐阜県)] 平成19年5月27日(日) メンバー.
5/27(日)晴れ・曇り
   8:05濁河登山口−9:00湯ノ花峠−9:30のぞき岩避難小屋−11:102,650m地点−12:20避難小屋(昼食)13:00−14:15登山口

名も知らぬ白い花

かえる岩(う〜む微妙)

 あなたの神はどこにいますか?
古来、日本においてあらゆるところに神は存在していた。
御嶽は信仰の山。

 今回は飛騨頂上までと決めて登り始める。
登山口は標高1,800m、朝の清気がすんと鼻に抜ける。
とうひ・こめつが・あおもりとどまつ、区別がつかない。
サルオガセが縁取る針葉樹の深い杜。

 空を覆う針の樹々で光は地表にまだらを描く。
地衣・羊歯類のふかみどりの海に小さな白い花が点々と浮かぶ。
木々を渡る鳥の声、精霊がひそむ岩陰、いにしえの道を歩く。

 那由多の刻の中に刹那の自分がいる。
生き急ぐ自分が見える。
頑張るんじゃないよ、杜の声が聞こえる。

 湯の花峠は硫黄のにおいがする。
すぐに慣れるぐらいのかすかなにおい。
避難小屋の先からは雪が繋がり冬山となる。

 森林限界を抜け、はい松帯や雪渓を越えていく。
薄い雪の下には氷の層が堅い。
摩利支天が右に大きく近く迫る。

 明るかった空に雲が広がり、風も出てきた。
黒い雲が緞帳のように降りてくる。
ガスが稜線から滝のように流れ落ちる。
はるか前を行く人影がにじむ。

 ふいに自分の存在が小さくなった。
そうか、今日はここまでなんだ。
それが山の意志だと理解する。
飛騨頂上まで150mを残し稜線に背を向ける。
(山)

飛騨頂上(42)まで100m単位の標識
この先、標識は雪の中

でっかい摩利支天

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