結果的に予定変更して正解だった。
山行中どころか他の観光時でさえ雨ばかり。
山形空港到着直前、機内より見た朝日連峰に胸を高鳴らせたものだが、現地到着後、山が望めたのは大朝日から下山後の翌日、朝日鉱泉からわずかに二時間ほどの間に見た大朝日岳山頂部と、のちに観光した際に立ち寄った酒田、土門拳記念館前からわずかに見えた鳥海山のみ。
山形といえば周りをぐると山に囲まれた地形の場所に位置しているのに、これではちょっと悲しい。
しかし、山行に関しては元来予定していたとおり大朝日から以東岳まで縦走していようものなら目も当てられず、あの悪天ではせっかく家族で来た意味がなくなってしまいかねないほどだったから、裏を返せばこれで良かったのかもしれない。
おかげで大朝日の山腹にある古寺、朝日のどちらの鉱泉にも泊まることもできたし、大朝日小屋では管理人の大場さんと出会い、悪天のおかげか泊まる人が少なく一緒に記念の写真を撮ることができた。
下山後、酒田に足を向けるまでの道中に立ち寄った鶴岡では、カミさんがお気に入りだった、鶴岡名産”だだちゃ豆”とかの菓子で有名な『清川屋』のアンテナショップにも行くことができた。
観光では時間的には短いながら酒田の市内観光もできたし、必ず押えておきたかった羽黒山・五重塔も、やはり雨にたたられたがさすがは国宝、観る価値は十分あった。
また、酒田まで足を伸ばしたおかげで空港へ戻るルートを最上川をさかのぼるルートを採れたことにより、見事な水田の広がる米どころ・庄内平野の広さを実体感でき、またその只中を走ることもできた。
八月の雨だから五月雨ではないにしろ、悠々と流れる最上川を見て、松尾芭蕉の気分も極々わずかながら感じ取った。
見るものすべてが新鮮なだけでなく、食べ物が美味かった。
どこで食べたものもイマイチなものがなく、どれも口に合っていて美味しかった。
お米は言うまでもなくうまく、両鉱泉でいただいた山菜料理の数々や、岩魚の刺身等、どれをとっても味付けがよく、とにかく旨い。鳥原小屋の管理人、鈴木さんに聴いたところによると、古寺鉱泉の若主人は元料理人だとか。
『清川屋』のだだちゃアイスは一風変わった味で、いかにもここでないと感じ取れない味だった。
酒田で立ち寄った『鈴政』の鮨も美味かったし、果物では、山形といえばさくらんぼは有名なところだが、他にりんごもあるし、意外だったのが夕食で何度かいただいた尾花沢産のスイカ。免疫がないにしろ鳥取のスイカよりも実が締まっていてとても美味しかった。
天候には恵まれず満点の旅ではなかったが、今回の旅でいろんな意味で山形を見直したのは確かなところ。
もっともっとド田舎かと思いきやそんなことはなく、全体的にのんびりしていてとにかく食べ物の美味しいいいところであることを発見した。
これだけ山形のいろんなことを身をもって体感できたのは、ひとえに雨のおかげといえるだろう。
それよりも何よりも、家に帰ってからカミさんが悪天だったことをとやかく言わないのが何よりよかった。
当初の計画では大朝日岳から以東岳まで縦走、大鳥池へと下り鶴岡で一泊する、あくまで山行をメインとしたものだった。
今になって、この天候で当初の計画を遂行していようものなら今頃どうなっているかを考えるとゾッとする。
計画を考え出した当初から家族本位でとの想いがあっただけに、今回の山行旅行はこれでよかったと思っている。
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機上からは西朝日〜大朝日〜小朝日がきれいに見えていたが・・・
中央奥は鳥海山 |
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山形空港近くの肉そば店、神楽
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ここをひなびた温泉宿と呼ばずして、どこをこう呼ぶ
古寺鉱泉・朝陽館
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ランプの宿にふさわしい趣の朝陽館 |
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山の幸をふんだんに使った夕食 |
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大朝日岳山頂は暴風雨だった |
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朝日鉱泉・ナチュラリストの家 |
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朝日鉱泉・ナチュラリストの家からは早朝、ほんの二時間ほどだけ大朝日岳が望めた |
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鶴岡、清川屋 |
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酒田、鮨・鈴政 |
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酒田、山居倉庫 |
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最終日の宿、休暇村・羽黒 |
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機上からは雲間に穂高〜槍(右端)稜線が望めた |
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伊勢湾に浮かぶ中部国際空港・セントレア |