上高地〜岳沢〜天狗のコル
  〜ジャンダルム往復〜岳沢〜上高地

天狗沢のお花畑と天狗岳
◆【山行日時】 2011年8月14〜15日
□8月14日  上高地〜岳沢テン場
        
□8月15日  岳沢テン場〜天狗のコル〜ジャンダルム往復〜岳沢〜上高地
        


◆【第一日(8月14日)】
前日は平湯キャンプ場でテント泊。

翌朝、アカンダナ駐車場へと車を移動させ上高地へと向かう。

それにしても暑い。

平湯の標高が何メートルか定かではないにしろ、それなりの標高があるはずなのにバスに乗り込むまでに既に大汗をかいてしまうではないか。

上高地でバスを下車する際、運転手さんに聴いても、「今年はとんでもなく暑い」らしい。

平湯キャンプ場 暑さはとんでもなくて、本当に上高地に着いたのかと錯覚させられるほどだが、見える景観は上高地のそれに違いいなく、何度訪れても素晴らしい山岳風景が目の前に広がる。

これまでで最高ともいえる上天気。

河童橋付近の梓川から穂高連峰を見上げれば、遥か岳沢のガレ場の上部にこれから向かう岳沢小屋もくっきりと見える。
前夜泊の平湯キャンプ場
観光客に混じり、しばらく梓川右岸の探勝路を歩くと岳沢登山口。

時間も時間なので(10時40分)登山路に足を踏み入れると一気に人影はなくなる。

樹林帯を緩やかに歩き、明神南沢の雪崩崩壊地を迂回すると冷風が心地よい。

「早くも風穴か?」
と思いきや、ここは偽物で、本物のそこまでは意外と遠かった。
(ここでも冷風は確かに出ていました)

風穴を過ぎ、トラバース気味になおも樹林帯を進むと岳沢の展望地。
岳沢
西穂高〜奥穂高岳稜線をみて岳沢を行く
小屋見峠付近より岳沢小屋 見上げれば西穂〜奥穂稜線と眼下に上高地の情景が見渡せる。

再び樹林の登りとなり、しばらくががんばりどころ。

胸突き八丁を過ぎ、小屋見の峠までくれば岳沢小屋は間もなく。
小屋見峠付近より岳沢小屋
岳沢小屋と西穂高岳稜線 暑かったせいもあり、コースタイムどおりの時間を費やし、ようやく岳沢ヒュッテに到着したのは13時半頃。

カンカン照りの真昼間だからある程度時間が掛かるのも仕方ないが、登山路にある標識のうち最後に見た『小屋まで20分』標識をカミさんが目にしたことが曲者だった。

精神的に「あと少し。」と思ってしまったことで一気に足取りが重くなってしまい、さらに、ここまで来ると小屋を目視できるようになってしまったこともあり、最後の坂はヘロヘロになっていた。
岳沢小屋と西穂高岳稜線
岳沢登山路は岳沢までの登山路脇に水場はない。

しかし、小屋まで達すれば豊富な湧水があるのは分かっていた。
さらにもう一つ、わらび餅
岳沢での目的の一つ」、そうめんを食べる
岳沢での目的の一つ、そうめんを食べる さらにもう一つ、わらび餅
我が地元、播州では夏といえば、そうめん。

この状況、『手延べそうめん・揖保の糸』を食べない手はないだろう。

茹でるにしても〆るにしても水がなければ話しにならないが、ここならバッチリ。

ということで、まずは持参のそうめんをいただく。水が冷たいから、とっても美味い。

食後には、同じく持参したわらび餅も食べてみた。これもなかなか行けた。

テント場より黄昏の乗鞍岳 テント場はクライマー達の残したテントでほぼ満杯。

猫の額ほどのスペースを見つけ、テント泊の利を生かし、しばし寛ぐ。
テント場より黄昏の乗鞍岳
深夜遅く、吊尾根を見上げてみた。

夏なお遅くまで残る滝沢雪渓の上にトリコニーが聳え、、弓型の弧を描く吊尾根の上空に流れ星が流れた。
テント場よりトリコニーを見上げる
テント場より南稜、トリコニーを見上げる
◆【第二日(8月15日)】
天狗沢上部のお花畑と天狗岳 天狗沢のお花畑は今回の山行中、もっとも素晴らしいと言って過言でないほどのものだった。

やや盛りは過ぎた感はあったものの、小屋から天狗のコルに至る間に群落をなして様々な高山植物が咲いていた。

天狗のコルに着くや否や岳沢のカミさんに電話を入れた。

「小屋から30分も歩かなくても、すっごい綺麗なお花畑があるから、ぜひ行ってみ〜。」
天狗沢上部のお花畑と天狗岳
天狗のコルに達すると飛騨側が望める。

あいにく正面の笠ガ岳には山頂部にガスが掛かり稜線は見えない。

前穂高岳〜明神岳や、天狗岳〜間ノ岳〜西穂へと続くギザギザはよく見えるから、よしとしよう。

これからは岩稜続き。

場所によっては高度感がかなりあるので、岩場ではホールドを確認しながら確実に手足を進める。
天狗の頭、間ノ岳、西穂高岳稜線と上高地
天狗の頭、間ノ岳、西穂高岳稜線と上高地
ジャンダルムと中央奥に奥穂高岳山頂 前穂、明神方面の展望を楽しみながらコブ尾根の頭を越えるとジャンダルムが見える。

至近のピークは見えたが、展望はナシ。

奥穂山頂もこのときかすかに見えただけで、以降は穂高稜線の展望皆無。
ジャンダルムと中央奥に奥穂高岳山頂
帰路、天狗のコルで明石出身で池田町在住という青年に会った。

彼の行動は朝、上高地を発ち西穂を経て現在天狗のコル。

この後、奥穂、前穂を経て岳沢へと下り、上高地に戻るという、なかなか健脚の持ち主だ。

こちらも、もちろん岳沢〜奥穂〜前穂周回は念頭にあった。

しかし、時間的な制約とジャンダルムに着いた時の天候等で往復ルートになった。
展望のなかったジャンダルム山頂
上高地〜西穂〜奥穂〜前穂〜上高地日帰り周回の青年
上高地〜西穂〜奥穂〜前穂〜上高地日帰り周回の青年
天狗沢は登りも下りもとってもいいルートだった。

強いて危険な点を挙げるならコル直下、100メートルほどで落石の危険があることくらい。

ただ、このルートを利用する人はほとんどいないので、互いに気を付けあえば問題はないだろう。
天狗沢で憩うひたち市からのおじさん
天狗沢で憩うひたち市からのおじさん
予定の昼過ぎ岳沢に戻り、テントの留守番をしてくれていたカミさんと
「お花畑、すっごい綺麗かったワ。」

こんな話も交え、見える風景もおかずにテラスで昼食をとった。

前穂まで周回して戻るのが遅くなっていたら、おそらくこういう穏便な形で昼ご飯は食べられなかっただろう。

周回しなかった大きな理由が、実はここにもあったのだ。

食事も終わり下山準備をしているとポツポツ雨が降り出した。

風穴で最後まで取っておいたリンゴを頬張り、あとはのんびり上高地へと下った。

登山口近くまで下ったとき、背後から迫りくる人影。先に行ってもらおうと道を譲りかけてびっくり。

天狗のコルで出会っていた例の青年、鈴木君だった。悪天を突き、予定通り前穂まで踏破したようだ。
朝の岳沢
観光客でにぎわう上高地・河童橋界隈も夕刻を過ぎてからや早朝は本来の静かな姿を見せてくれる。

河童橋から見上げた岳沢は、これまでになく大きく見えた。
翌朝の岳沢
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