風雪の三嶺  
三嶺

三嶺〜西熊山より三嶺を望む
◆【山行日時】 2002年2月10日 雪
◆【コース・タイム】
三嶺林道・登山口=50分=ダケモミの丘=50分=水場=15分=三嶺ヒュッテ=15分=三嶺山頂

=50分=三嶺〜西熊山、大タオ東・Uターン地点=1時間05分=三嶺山頂

=10分=三嶺ヒュッテ=35分=ダケモミの丘=25分=登山口
◆【正味歩行時間】  5時間15分
◆【詳細】
寒波襲来、雪の三嶺

徳島県東祖谷山村名頃より三嶺林道に乗り入れると、道路上にはこれまでなかった雪が現れた。しばらく走った後、滑り止めのチェーンを巻いて登山口へ。
三嶺林道、平尾谷登山口
登山口
二台の先客あり。準備に手間取っていると、もう一台。単独のこの人は、そそくさと登って行った。
昨夜にも降ったと思われる雪の登山道を急登する。やがて、林道終点からの登山道と合流。ダケモミの丘と呼ばれる、周りにダケモミ林が広がる平坦なところだ。
ダケモミの丘
ダケモミの丘
再び急登となり、グングン高度を稼ぐ。と、同時に少しずつ積雪量も増す。林が切れ出すと、本来なら左手に剣山、次郎笈。正面に白髪の稜線が見えるが、あいにくの天候で何も見えない。

水場を過ぎるとヒュッテまではそう遠くないが、大岩を過ぎるとハイライトが待っている。
急斜面のトラバースだ。滑り落ちるとひとたまりもない。

滑落に十ニ分に留意して通り過ぎると、冬場以外なら静かなたたずまいを見せる三嶺の池脇に出る。しかし、この時期すっかり雪に埋まり、どこにあるのかも分からない。 ここでは、これまでとは打って変わって強い北風が風が吹き付け、一面に広がる雪原は他の時期のササ原とは違い、いかにも冬の三嶺の姿を見せてくれる。
剣、次郎 三嶺ヒュッテ 頂稜台地と三嶺山頂
剣山、次郎笈 三嶺ヒュッテ 行方不明(?)の三嶺の池と三嶺
山頂東より
白髪山、カヤハゲ、綱附森、三嶺(左から)
ヒュッテで暖と食事を摂ったあと、山頂へ。雪原に雪の無い時期には考えられないトレースをつける。
振り返れば自分の歩いた後が一目瞭然だ。
三嶺山頂 三嶺より西望
三嶺山頂 山頂より西望
山頂に居ると、天狗塚は見えないものの西熊山は辛うじて見える時もあった。それならこのまま下山するわけには行かない。
この状況なら西熊山までは約二時間。踏み跡も無いかもしれないので、現実、行けるかどうか少し不安は残るが、とりあえず
「時間の範囲で行けるところまで行こう」

西熊山へ向け出発。
三嶺 陽のあたる稜線
青ザレ西より三嶺 稜線
始めしばらくは日の射すこともあり、
「この調子なら何とか西熊山まで行けるかな。」
と、安易な気持ちで進むが、やがて天候は一変。吹雪いて来た。
「問答無用」
大タオ手前で引き返す。

折角足を延ばしたが、この天候にはどう見ても勝てない。
強風で、先ほど歩いてきたトレースが消えかかっているところもあり、視界も良くないので慎重にならざるを得ない。雪庇の張り出しているところもあるのでなおさらだ。

青ザレ脇が風が最も強く、思わず立ちすくむ場面もあった。
縦走敗退後、再度三嶺山頂で
再び、三嶺山頂
何とか山頂まで辿り着き、ヒュッテへもぐり込む。高知からの男女二人パーティーの方と名残を惜しむかのように、永らく談笑。彼らは小屋泊だったので、特に長居してしまった。

池直下の急斜面を慎重に通過。新雪の積もった登山道を下る。
水場を過ぎれば傾斜はずいぶん緩くなるが積雪はかなりあり、ダケモミの丘を過ぎた樹林帯でも吹き溜まりのところがあり、気を抜けるところばかりではない。
水場分岐 下山
水場分岐 登山口
気を引き締め、さらにしばらく下れば登山口の林道に出る。
◆【ワン・ポイント・アドバイス】
積雪状況により三嶺の池直下、大岩の先まではワカン、アイゼン無しでも何とか来れるが、アイスバーンのここの通過にはアイゼン、ピッケルは必携。
山頂やヒュッテは目と鼻の先なのに引き返さざるを得なくなってしまう。


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