大江連山 (鍋塚〜千丈ヶ嶽〜双峰)
鍋塚より千丈ケ嶽を望む

鍋塚より主峰・千丈ケ嶽を望む(右は鳩ヶ峰)
◆【ツアー日時】 2005年2月7日  くもり一時晴れ

◆【コース・タイム】林道・登山口=1時間00分=池ヶ成=25分=稜線=40分=鍋塚山頂=25分=休憩舎

=1時間25分=千丈ヶ嶽=1時間00分=双峰=45分=林道・下山口

◆【歩行時間(滑降を含む)】 6時間00分

パタゴニア



◆【詳細】

雪国育ちでない自身にとって、夜通し聞こえて来る「ポタ、ポタ・・」という軒から落ちる雪解けの雫の音はどうも耳に馴染まない。昨日夕刻、岩屋峠付近で降った大雨のこともあり「なんとか雨さえ落ちていなければいいが・・・」と思いつつ、家人であるS氏の階上を歩く足音で目を覚ましたのは夜の明けぬ5時30分だった。
戸外はまだ暗く今日の天候をうかがいしることは出来なかったが、昨日のような大雨でないことは昨日と同じリズムの「ポタポタ」からなんとか想像できた。

曇り空ながら今日歩く稜線を右手に望み、登山口へと車を走らせたのは予定を過ぎた6時半頃(?)だった。

入山口近くで加古川からの3人グループと合流。下山時に備え車を下山口に廻し、民家脇をすり抜けた入山口に着いたのは、この作業に少し手間取ったせいもあり8時頃(?)になっていた。

林道を行く 池ヶ成
林道歩き 池ヶ成キャンプ場

準備が出来たら駐車地点からは除雪のされていない林道を長らく歩く。汗だくになりながらも黙々と歩き、すっかり雪に埋もれた池ヶ成キャンプ場(トイレあり)に着けばようやくここから本来の登山道。

これまでの林道歩きとの違いは道幅がいささか細くなるのと、やや傾斜が増したかなと感じる程度。トレースはこれまで同様、ないものの若くて馬力のあるW君が先頭を歩いてくれることで後続の者はずいぶん楽をさせてもらう。右手にお椀を伏せたような綺麗な形の鍋塚山頂部が目に入るようになると間もなく稜線に出る。(小屋あり)
ちょうどこの頃、ガスが晴れ絶好のロケーションに皆、満足げだ。

日が射してきた 鍋塚を望む
日が射してきた 稜線直下より鍋塚を望む

ここから縦走開始。
まずは目の前の鍋塚へひと頑張り。
登山口では曇り空だったが池ヶ成を発った頃からは青空も少し顔を覗かせていたので、辺りの風景を存分に楽しみながら気持ち良く登高する。

鍋塚へ気持ちの良い登高
鍋塚へ気持ちの良い登高

後方に見える”鬼の岩屋”が低くなるとやがて雪原の広がる鍋塚山頂だ。
ここからの景色は「もう最高。」
お椀を伏せた形の山頂部だから眺望が悪いはずがない。あえて欲を言うとしても、天候から来る見通しの悪さくらいだろうか。

鍋塚より加悦谷を俯瞰
鍋塚より加悦谷を俯瞰
ここでシールを外し、思い思いに東、南面へ暫時滑る。

ところが・・・、他の人は気持ち良さそうに滑るのに、自分一人だけ尻餅ばかり。
「どこがテレマーク・ターンやねん!」
何処からかこんな声も聞こえてきそうなほどで、情けないったらありゃしない。
「ま〜、今日が今シーズン初滑りなことを差し引いても、実力はこんなモンだけどね・・・。」

東面へ滑るどうちゃん 鳩ヶ峰へ向かう
東面へ滑るどうちゃん 鳩ヶ峰へ向かう

しばらく遊んだら、ザックを背負い鳩ヶ峰へ向かう。
出だしの斜面は滑れるものの、その後の潅木の幹、枝を気にしながらの滑降はあまり面白くない。
結局、「怪我をしては元も子もない」ので小屋を直前にしてツボ足で歩いてしまった。

一時はよくなりかけた天候も、鍋塚をあとにする頃からは思わしくなかった。
こんな時、何にも増してありがたいのは風雪をしのげる避難小屋。雪は降っていなかったものの「野外でのんびり―」って風ではなく、改築間もない立派な小屋の恩恵を存分に受け昼食を摂ることが出来た。

休憩舎前で
休憩舎前で記念撮影中

ゆっくりしたらすっかり曇天となってしまった中、再度シール登高。
鳩ヶ峰はやり過ごし、シール装着のまま下る。

鳩ヶ峰山頂
鳩ヶ峰山頂

コルからは主峰・千丈ヶ嶽へ向け稜線上最大の上り。
徐々に傾斜はきつくなり山頂部に近付くに連れジグザグ登高する。スカイラインが見え出すと傾斜も緩くなり、ほとんど水平に短く歩くと広い頂上台地を持つ千丈ヶ嶽山頂だ。

千丈ケ嶽へ 千丈ケ嶽山頂直前
千丈ケ嶽へ 千丈ケ嶽は目前

しばし留まる内には一時、丹後半島の海岸線も見えたものの押しなべて展望はよくなかった。
ガスが掛かると出だしの方向が判りづらそうだが、これだけ眺望があれば問題ない。

千丈ケ嶽より双峰、赤石岳 千丈ケ嶽にて
千丈ケ嶽より双峰、赤石岳 千丈ケ嶽にて

これまで同様、潅木の幹、枝に気をつけながら慎重に滑る。
疎林の植林帯を短く滑れば林道に出る。
しばらく歩き、わずかに登り返した個所には雪原があった。(上、左画像中の左下ピーク)
いつしか正面の赤石岳は高くなり、ふり返れば先ほどまで居た千丈ヶ嶽が大きい。

赤石岳 加悦谷
赤石岳 加悦谷

アンテナ施設から最低コルまで滑れば、ここで稜線と分かれ眼下の観光施設(?)へ滑る。

和佐くんの豪快な滑り
W君の豪快な滑り

余韻に浸りながらしばらく林道を滑降すれば、やがて車のデポ地点に到着した。

GPSトラック(336kb)

◆【編集後記】

今回のツアーは地元S氏企画ツアーに参加させてもらったもの。

ご自宅に宿泊までさせてもらい、何からなにまでずいぶんお世話になりました。下山後の”たこ焼き”、おいしかったです。

◆【ワン・ポイント・アドバイス】

この山域は標高が低く絶対的な降雪量が少ないようだ。

この日は先日来の大雪と前日の降雪でそれに対しての不安はなかったが、ひとたび気温が上昇したり降雨を見ると雪の消えるのが早い。(S氏)

滑るだけなら鍋塚山頂付近がベスト。

他の区域は潅木がうるさい。

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