伯耆大山・夏山登山道〜弥山〜正面登山道〜横手道
6合目よりガスの流れる稜線と三鈷峰

◆【山行日時】 2005年11月12日  曇り一時晴れ間も 山頂部は終始ガス

◆【正味歩行時間】

下山キャンプ場・駐車場=40分=三合目=30分=六合目=45分=正面登山道・下山口=15分=山頂小屋

=10分=正面登山道・下山口=1時間15分=・桝水高原上・横手道=20分=大山環状道路

パタゴニア


◆【詳細】

晩秋の伯耆大山・弥山と旧、正面登山道経由、桝水原、横手道。
環状道路・奥大山付近の模様 今日の目的地は大山・弥山山頂。

一見すれば何の変哲もないごく一般的な山行だが、下山ルートにミソがあった。

そのルートは以前は(今を思えばかなり古いが)一般ルートとして記載されていたものの、近年ではルートマップからも削除されている正面登山道を下ろうというもの。

特に思い立ってここを下ろうと考えたのではなく、これまでに何度かご一緒したことのある津山・Sさんがこの日、このルートを下るとの記述を彼の掲示板で目にしたからだった。
早朝の環状道路・奥大山付近は落葉の絨毯
登山口 朝、8時過ぎ、Sさん、津山から同行のMくん、大山・ペンション村のIさんと下山駐車場で合流。

準備が出来たら8時半前、夏山登山道から登り始める。
登山口
登山路 登山路
登山路 登山路

ずいぶん様相の変わってしまった登山路を順調に歩き、あたりの木がブナ、ミズナラなどの大きな木から潅木に変わりだすと、やがて6合目。

登山口
五合目

しばらく休むうちには時折ガスが晴れ、別山や三鈷峰、下方の元谷避難小屋や堰堤は見えるものの、北壁は全容を見せるまでにはいたらない。

それでも、このあと7合目辺りまで登ると下方に限り元来の展望が利きはじめ、眺望を楽しみながら、また、尾根左右の積雪期には上級者には格好のバーンとなる沢筋を「これは7合沢」、「これは8合沢」、「これが草鳴社」などと確認しながら歩く。
(Sさんはよく見えたことに、ことのほか満足げだった)

草鳴社ケルン 大山寺集落を俯瞰
草鳴社ケルン 大山寺集落を俯瞰
木道上の分岐点
8合目で頂上台地の一端に出たら、ここからは木道歩き。

左手の別山沢を覗き込んだらキャラボクを縫って少し歩き、分岐があるのでここは下山ルートの確認のため右折。(左画像地点)
中央の人が立っているところが下降地点
キャラボクを縫って歩く 大ノ沢を俯瞰する
頂上台地はその中に身を置くと意外と広大なことを実感できる 大きくえぐれた大沢を俯瞰する

下山地点が確認できたら木道に戻り、山頂へ向け広大なダイセンキャラボク広がる頂上台地をのんびり歩く。

すぐに大ノ沢の巨大な崩壊を右手に見たら石室がある。(石室、地蔵ヶ池、梵字ヶ池については下画像)

石室

天候に恵まれればこの上なしだが、あいにく北西の風とともにガスが吹きつけ、特に山頂方面の視界はほとんどない。

山頂避難小屋着 山頂避難小屋内部の様子
避難小屋は直前 避難小屋内
弥山山頂にて
しばらく歩けば木道と出合い、巨大風車の鉄柱が見えると避難小屋に到着。

小屋内部は天候の悪いせいも手伝って、かなりの人がいた。

食事が終わる頃にはさらに人は増え、人気の山であることを実感した。

山頂(弥山)へ足を運んだが、展望皆無。

記念の写真を撮ったら早々にそこを後にする。

木道は下り基調なのでスリップに気を付けながら歩く。

石室を見ると、下山地点は間もなく。

そこに着いてもガスは晴れずこれからのルートの全容は判然としないが、見るからに多くの人が立ち入った様子は伺えない。

上りに利用した夏山登山道となら歩く人の数や、「月とすっぽん」の範疇をも越えていそうなほどだ。

かと言って、踏み跡がないわけではなく、かつてルートマップに記されていた頃に付いていたものが今日まで残っていたのかどうかは不明だが、踏み跡程度のものは残っていた。
弥山山頂にて
下山開始地点
下降開始地点
いかにも踏まれていないフカフカした踏み跡を追いつつ、ザレた急坂をジグザグに下る。

傾斜はかなりありそうだが、短い折り返しがあるので気を付けて下れば問題ない。

最大の注意点は足元に時折ある岩、特に少し大きめの岩を下方に落とさないこと。

山野草の葉っぱ 桝水原を俯瞰
何の葉だか、たくさん見うけられた 桝水原、大山放牧場を眼下に見ながら下る
(右上の白い建物はロイヤルホテル、左の草原はスキー場)

しばらく下ると同じようなザレながら、下り初めとなら少し締まった感じの地質のところを下るようになる。

ここまで下ると土質が変化し、草の割合が増すので多少なりとも歩きやすくなる。

小さな尾根上を下るようになると頂稜にかかるガス帯を抜け、左右に谷(涸れ沢)が見えるようになる。
(この沢はそれぞれ桝水右、同左と愛好者間では呼ばれているらしい)

間もなく、右手(北側)に北穂高岳・東稜、ゴジラの背付近のような岩稜の尾根を見るようになると上空には青空も見え出し、眼前に素晴らしく高度感のある眺望が開けてきた。

右手(北側)に見える尾根 絶好の眺望に満足げなSさん、Mくん
右手にゴジラの背のような尾根が見える ここから見下ろせば半ば鳥になったような気分になれる?!
孝霊山を北望 唯一見つけた可憐な花(左下方)
北望すれば孝霊山や弓ヶ浜、美保関 唯一見かけた可憐な花
間もなく潅木帯 潅木帯を下る
草付きより潅木帯、桝水原俯瞰する 潅木帯の急坂を下る
小さな堰堤が右手(北側)に現れると樹林帯に入る
眺望を楽しみながら次第に高度を下げると潅木帯の溝状の道を下るようになり、その後、高木帯を下るようになると右手に小さな堰堤を見る。

遠望すれば、つい先ほどまで下方に見えると感じていた孝霊山がほとんど目の位置なので、ずいぶん下りてきたことを実感できる。

針葉樹も現れだすと、やがて刈り払いのされたゲレンデ上に出た。

草地をもうしばらく下ると、賑わう横手道に出て今日の山行は、ほぼ終了。
小さな堰堤と孝霊山
雲の切れ間から光差す 枯れ葉を踏んで横手道を歩く
桝水原に光差す エピローグは枯れ葉を踏んでの横手道歩き

落葉のプロムナード、横手道をのんびり歩けば、朝、車をデポしておいた環状道路に出た。

雄峰ペンション 駐車場に戻り、Iさんの雄峰ペンションに立ち寄った後、帰路に着いた。

同行の方々のお陰で未知のルートに足跡を残せた山行は無事終了した。
大山・ペンション村、雄峰ペンション

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