◆【山行日時】 2004年11月14日 高曇り
◆【コース・タイム】
野外活動センター=25分=登山口=45分=熊岩=10分=三室山山頂
=35分=登山口=20分=野外活動センター
◆【正味歩行時間】 2時間15分
◆【詳細】
あわよくば、兵庫県下1位と2位の氷ノ山、三室山を一日で登ってしまおうともくろみ、Tさんと二人、我が家をそれなりの時間帯に出発するまでは予定どおりだった・・・。
予定と違って来たのは、三室山までの道中、先月初めてお会いした大阪市在住、Kさんが近年購入された築80〜100年(?)のわら葺屋根の古民家を訪れたからだった。
こんな風に書くと、とんでもないお宅に迷い込んでしまい、どうしようもなかったかのような誤解を招くかもしれないが、これが全くの正反対で、古いはずのこの家屋も一歩敷居をまたげば見かけからは想像も出来ない素晴らしい空間があった。(言うまでもなくリニューアルされています)
そこは兵庫県南西部に位置する佐用町のとある山合いの里。
最初に登ろうと話していた三室山登山口の千種町からほど近いところだったので、ちょっとお邪魔しておいとますれば時間的に何の問題もないと安易に考えていた。
訪ねると、あるじのKさんご夫妻たるや、自身に限れば名前と顔がようやく一致するかどうかの大変失礼な状態であるにもかかわらず、また朝、早い時間の訪問にもかかわらず、快く迎えてくださった。
Kさんとお会いするのは同行のTさんでさえ3度目(?)、自身に限っては2度目なのだから、そもそもお邪魔すること自体知らない人が聞けば「よくもそんなに厚かましいことを・・・」と思えそうなことなのに、よほど居心地が良かったのか、つい長居してしまった。
あまり気さくに談笑して下さったお陰で、「おっと、いけない」ふと時計に目をやると既に時刻は11時を回ってしまっていたのだ。
その家を手に入れるまでの経緯やその後の田舎暮らしならではのご苦労話を聴いたりするうち、つい時間が経つのを忘れてしまっていた。
まだまだ話は尽きなかったのだが、それはまたのお楽しみということにさせてもらい、渋々Kさん宅をあとにしたのだった。
時間も時間になってしまったので、車中で「今日は三室山だけにしておこう」と話し合い、野外活動センターを山頂に向け歩き出したのは昼食を摂ったあとの12時半過ぎだった。
山頂部を見上げながら野外活動センターの中をしばらく進み、最上部で右折する(そのまま直進しても水源地に出る)。
すぐに林道と出合い、コンクリートから地道になった道をしばらく行くと水源地のある登山口だ。
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登山口 |
左手に植林帯を見ながら沢沿いの道をしばらく行くと右岸に渡り返し、見えていた尾根を急登する。
この辺り、夏から襲来した台風のせいで植林がなぎ倒され無残な姿をさらけ出している。
その後も倒木が多く見られ、強風のほどがうかがいしれる。
お陰で少しは明るくなり見通しも良くなったようだが、ここまでひどいとそういう問題でもなさそうだ。
時折見える後山方面や千種川の景色を励みに植林帯をしばらく急登。
大きな岩が登山路に立ちふさがるロック・ガーデンは左手を巻く。
潅木帯を歩くようになると後山〜ダルガ峰方面や千種町方面を一望できるようになる。
決して天気は良くないが、遠く家島諸島まで見えそうなほどだから眺望に関しては文句はない。
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後山、日名倉山と千種川 |
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西方、県境尾根・天児屋山と沖ノ山 |
ブナも現れると熊岩だ。岩の上に上がれば高度感抜群。
すぐ上部の滑空地点からパラグライダーで飛び出せば、さぞかし気持ちいいフライトが期待できることはここからの光景で実証されているようだ。
竹呂山、中ショウダイからの稜線と出合うと山頂は目前。
山頂に着けば、まず正面に氷ノ山と左に双子の弟のような容姿を見せる扇ノ山が出迎えてくれる。
左手には県境尾根の向こうに沖ノ山と右に東山が大きい。
以前はササが山頂間際まで迫り決して広くなかったが、今回久しぶりに訪れるとずいぶん広くなり展望がよく利くようになっていたので驚いた。
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東山、くらます |
展望が良くなったのはいいのだが、なんだかササや樹々を伐採したような形跡に無理があり、あくまでこの光景は冬期、ラッセルを経て山頂に立った者のみに与えられる”ご褒美”と考えていただけに素直には喜べないところがあった。
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扇ノ山〜氷ノ山 |
しばらく展望を楽しんだら往路を引き返す。
無雪期、このルートでしか三室山を楽しめないことは残念としか言いようがない。
◆【後記】
山頂付近、ササ等の刈り払いにより数段、展望が利くようになった。
しかし、そうしたことが手放しで賛成とは言えないにもかかわらず、戸倉峠への稜線や大通峠、天児屋山への稜線をはっきり目にすることが出来るようになったことにより、そこを歩いてみたい気持ちを募らせることになったのだから、何とも皮肉なものだ。
北方や西方の県境尾根、無雪期にはササが邪魔をし到底足を踏み入れることは出来そうにないが、積雪期にこそ足跡を残したいものだ。
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