氷ノ山(大段ヶ平から山頂、三ノ丸)
三ノ丸より氷ノ山

三ノ丸より氷ノ山を望む
◆【山行日時】 2001年9月24日  晴れのち時々くもり
◆【コース・タイム】
大段ヶ平・登山口=18分=大屋町避難小屋=12分=神戸大学ヒュッテ=20分=氷ノ山山頂

=35分=三ノ丸展望台=27分=氷ノ山山頂=15分=神戸大学ヒュッテ=23分=登山口
◆【正味歩行時間】 2時間30分

パタゴニア



◆【詳細】
山頂展望所完成にあたり、最短コース、大段ヶ平より山頂、三ノ丸往復。

R29、戸倉峠手前の氷ノ山登山口の標識に従い右折。すぐやまめ茶屋があり、ここをを過ぎると地道となり少々長い林道走行。ブナ林の中を縫うように30分ほど走るとようやく大段ヶ平に着く。
登山口
登山口
登山口は少し大屋町側にある。

しばらくは木漏れ日が気持ちのいいブナ林や自然林のプロムナードだ。一旦下り、少し急坂を登ると開けたところに建つとても立派な大屋町避難小屋。

再びブナ林となり登山路の真中に大きなブナが現れると間もなく東尾根、神大ヒュッテだ。
この小屋は施錠されているので使用できないが、かつてはなかった新設のテラスは誰でも使用でき、展望もとても良いので休憩するにはちょうど良い。
神大ヒュッテ
新しく出来た神大ヒュッテのテラス
神大ヒュッテを後にするとすぐ木道が現れ、天然杉が沢山ある千本スギ。木道が終わると後ろには藤無山や須留ガ峰の見える登山道となり、もう一度木道を歩くようになると既に山頂はそう遠くない。右手に目をやると鉢伏山とハチ高原が随分下方に広がっているのがその証だ。

”みたらしの池”への小さいながら立派な石柱を過ぎると山頂の三角屋根の小屋も目に入るようになる。
山頂避難小屋 古生沼
古生沼付近から山頂小屋 山頂付近から古生沼
木道が終わり左手に古生沼を見ると、
「もう着いたか?」
、あっけなく山頂だ。
山頂の風景 展望所
三々五々、尼工ヒュッテ跡で
お弁当を広げる光景が
新設のトイレ兼展望所
山頂付近は腰を下ろした人で一杯なので、折角出来たのだからと思い展望所で休憩する。

荒天時には重宝しそうだが今日は天気がよかったせいか、よく空いている。

ここからは北側、扇ノ山〜鉢伏山方面の展望はないものの、その他の方面の展望は素晴らしいじゃないか。

北西に鳥取市街や日本海。西には鳥取県西部の山々の向こうに大山も。
南にかけては同じく鳥取県の東山や沖ノ山とその間には因美国境・那岐連山の姿もはっきり見える。県下第二の高峰・三室山を含め兵庫県西部の山々は勿論、東播の千ガ峰や笠形山。

東には杉ヶ沢高原の向こうに須留ガ峰。粟鹿山もアンテナを林立させ特徴的ないい形を見せている。

しばらく、昨日も殿下コースから三ノ丸まで来たという姫路からの人と景色を見ながら談笑後、共に三ノ丸へ。

氷ノ山から見る三ノ丸は遠くのように見えるが歩いてみると案外近く、アップダウンもあまりなくとても歩きやすいので是非、足を運んで欲しい。
山頂南よりみる三ノ丸 三ノ丸を至近に見る
三ノ丸でも、展望台上で鳥取からの75歳と72歳のご夫婦を交え、またまたしばらく談笑。ここは見晴らしがよく人も少ないので山頂よりもむしろ気持ちがいい。

姫路からの人は西尾根からわかさ氷ノ山スキー場へ下山とのことなのでここで別れ、こちらは再度山頂へ。

山頂へ戻ると、案の定先ほどの賑わいは何処へやら。そこに居た人は他に四人のみ。その人たちもそれぞれ下山し、結局、最後まで山頂に居た人となった。

登るのにそう時間がかからないので下るのに時間がかかるはずもなく、神大ヒュッテまではことの他早く、その後ブナ林のプロムナードを抜けると登山口に出た。
◆【ワン・ポイント・アドバイス】
コースタイムや詳細のとおり、当コースを選択すると短時間で山頂に立てる。
危険なところはなく、登山路の傾斜も相対に緩いのでファミリー・ハイクには打って付け。

氷ノ山は三ノ丸まで足を伸ばして始めて氷ノ山!。(あくまで持論)
是非、三ノ丸まで足を伸ばし展望台から氷ノ山を望もう。

現に三ノ丸・展望台では異口同音に聞こえて来る。
「ここは展望もよく、風も吹いて気持ちいい。何より人の少ないのがいい。」

展望台はササ原から頭二つくらい出ているのでこうなる。
三ノ丸避難小屋
ササ原から頭を出した
三ノ丸避難小屋と黒尾山方面
水場は神大ヒュッテから1〜2分のところに沢あり。
みたらしの池付近は涸れていて水なし。

大段ヶ平への林道、乗用車の場合、最近とても路面が荒れ殿下コースまでの方が無難。
横行渓谷からの道もあるが路肩・舗装工事中であることや路面の荒れている箇所もあるので薦められない。
◆【山頂展望台が完成しました】
展望台と三ノ丸(左奥) 山頂に着いてまず感じたことは、新しい展望所云々よりも無用の巨大物、尼工ヒュッテが撤去されてよくなったこと。

これまでに利用しているところを見たことがなかったし、”場違いな大きな箱”としか言いようがなかったからだ。

地元紙によると、展望所が出来たことによる山頂付近の景観の変貌や自然破壊を危惧する声も掲載されていたが、景観に関してはむしろ以前よりよくなったと感じた。

「山頂から見た場合、この建物が三ノ丸方面の展望の邪魔をする。」
といったことが紹介されていたようだが、それならそこに上がってみればいい。
上がってみると大きく展望が広がるのは事実だ。

自然破壊についても、将来に向け有意義なものになり得るだろう。

以前なら眺望を邪魔する”大きな箱”があった為、居ながらにして展望を得られる場所があまりなく(特に西方)仕方なく付近のササ原に踏み入った人を見かけることもあったが、箱が撤去されたお陰で眺望がよくなり、また山頂が広くなったことも手伝って、そんな人も少なくなったようだ。

また、山頂でこれだけの人を目の当たりにし、実際にトイレを利用する人を何人も見ると必要不可欠のものであることを実感してしまう。

現実問題トイレはなくてはならない存在であり、用を足そうと思えば、必然に人気のないササを踏み入った場所を選ばざるをえず、この行為(ササを踏む行為)自体が自然破壊につながりかねない。

今回の事業は鳥取県主体のものだが、県は展望所を建設したと言うよりも、むしろソーラー・システムのトイレを建設することが主目的であり、その延長上に今回の展望所新設があったのではないだろうか。

今はまだ完成後時間が経っていないので辺りは少しツメ跡が残っている格好だが、登山を大きな意味で観光の一つと考えれば、観光客に対してインフラ整備するのは行政としては当然であり、長い目で見れば登山ブームと言われる今日にこの事業を行ったことは妥当なところだろう。
(鳥取県では大山でも山頂のトイレを改築中)

一方の兵庫県も今こそ独自のコンセプトで氷ノ山と向き合う時期に来ているのではないか。

賛否両論あるだろうが、私自身は今回、展望所(トイレ)が建設されたことにより氷ノ山がいい方向に向かっていると考えている一人だ。

―皆さんはどうお思いだろう。

(注:これはあくまで個人的な見解です)
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