◆【山行日時】 2004年2月28日 晴れのち時々曇り

◆【詳細】
絶好の天候の下、テレマークスキーで三ノ丸周辺を何本か滑った
!

西尾根からブナの森に達すると、綺麗なバーンが目の前に広がっていた。
何だかゴソゴソしている九州からと思しき団体を尻目に、そそくさと滑降準備し滑る。
緩斜面ながら短く滑り込み見上げると、そこにはシュプールが綺麗に描かれた。
大段方面に登り返すと、ピークからは大山がことのほか近く見え、氷ノ山やブナの森もいつもとはちょっと違ったアングルから見る格好なので新鮮だ。
林間に滑り込むが思ったほど滑らず少々ガッカリさせられたが、シュプールを見ればまんざらでもない。
味を占めたら、今度は三ノ丸方面からの滑降だ。ヴァージンスノーを汚さないよう左から廻り込み登高。トレースと合流したら適当な個所をドロップポイントとし、ドロップ。
パウダーランとまでは行かないまでも、適度の傾斜の斜面なので、こちらのようなレベルの者には打ってつけ。
「ヒューヒュ〜ッ
!!」
何たる気持ちの良さ。多少のブッシュはあるものの、ほとんど気にせず滑れる。誰も滑っていない斜面を滑るということは、こんなに気持ちの良いものなんだ。
下からシュプールを見上げると、滑っているときよりもさらに病みつきになりそうな自分がいるから、そこに描かれた弧の功罪は大きい
!?

ひと休みしたら三ノ丸へ向け登る。トレースを追って歩行すれば展望台に着く。
さて・・、腹も減ったが何処で昼にしようか。

ここで食べてもよかったが、思いのほか風があるので風を避ける意味で、とりあえず、わさび谷DP付近までもう少し進む。
コルを東側に少し下った所をブレイクポイントとし、例の谷を俯瞰しながらのんびりする。
山頂まで足を運んでも、これまでのトレースの数を見れば人だらけなのは見え見えなので、この付近でのんびりするのが正解と独自で判断した。
ブナ林越しの氷ノ山を左手に、正面遠くには段ガ峰や遥か千ガ峰稜線を望みながらの休息は、あたかも時間が止まったようで、静かさも相まってこれまでになくゆっくりできた。

その中にあってあわただしく動き回るのは、すぐ上部で雪洞を掘るパーティー。
彼らは今宵、どんな夢を見るのだろう。まだまだ時間は早く、「これからがお楽しみ」といったところだろうか。
しばし、至福の時を過ごしたら重い腰を上げる。
三ノ丸手前(北東面)でホンの短く滑ったら展望台へ。
避難小屋からは三室山、後山といった県境の山々を望みながら緩いスロープのような斜面を歩きながらといってもいいように滑って行く。

結局、朝もドロップしたポイント近くまで下り再度、ドロップ。
時間の経過も雪質はそう変わることなく、朝と同じく気持ちよく滑降。
真っ白なキャンバスに残る二本のシュプール。
何時かはやってみたかったことが実現でき、嬉しさ以上にテレマークをやって来たことの充実感で大満足。
ブナの森で姫路からという写真撮影中の初老のおじさん二人と談笑中、三ノ丸方面から下ってきた人を見ると・・・、どこか見覚えのあるサングラスとその風体。
「Kさん?!」
思わぬところで一年振りに再会した。
先週の姫路の山口さんに続き、二週続きでの偶発的な再会。世間は広いようでも狭いものを身をもって体感する。
西に傾きかけた陽を相手に、盛んに写真撮影に没頭するおじさんたちに挨拶の後、Kさんとともにブナの森をあとにした。
ゲレンデを滑り、途中、氷ノ山〜三ノ丸稜線を見やると、これまでになく輝いて見えていたが、これは稜線が西日を目一杯に浴びていることはもちろん、今日の山行で思い通りのシュプールを描けたことから来る充実感から、自身にのみそう見えていただけなのかも知れない。
下山後、Kさんとももうしばらく談笑の後、家路に着いた。
◆【ワン・ポイント・アドバイス】
滑りが目的なら氷ノ山山頂まで行かずとも、三ノ丸周辺で適当に斜面を滑っても存分に氷ノ山を堪能できる。(ただし、眺望のある時、あるいは好天時のみ)
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