氷ノ山テレマーク・ツアー
三ノ丸展望所から右間近に展望台と中央奥に氷ノ山山頂を望む

三ノ丸展望所より展望台、氷ノ山を望む

◆【山行日時】 2003年3月16日  晴れのち雨

◆【コース・タイム】

若桜氷ノ山スキー場・リフト終点=40分=ブナの森=25分=三ノ丸(鳥取側)展望所=1時間10分=氷ノ山山頂

=1時間10分=三ノ丸・展望所=35分=リフト・終点=15分=ゲレンデ下=5分=若桜氷ノ山

◆【正味所要時間】 4時間20分

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◆【詳細】

前日の天気予報では、南海上に停滞中のこの時期、菜種梅雨とも呼ばれる梅雨前線上を、低気圧が東へと進んでくるらしい。

瀬戸内は昨日もスッキリしない天候だったので「何とか今日は・・・」と、期待して朝、目を覚ましてみると、とりあえず雨は落ちていなかったのでホッと胸を撫で下ろす。

今日はテレマーク・ツアー、デビュー戦。
「スッキリ晴れて欲しかった」が、とりあえず降ってないだけ良しとしよう。

一路、今日のベース若桜氷ノ山へと向かうと、この時期、北へ向かうにつれ雲行きが怪しくなるのが常だが、朝晩の冷え込みは少しあるとはいえ冬のようなことはないよう感じられた。

引原ダム湖岸の雪もすっかり消え、見上げる空模様も冬のそれとはずいぶん違っている。

とりわけ、北に進むにつれ雲が取れ、青空が広がって来ること自体、冬にはあまり考えられないことなので、ここでも春は目の前のようだ。

戸倉峠を越えるとさらに雲は取れ、快晴になった。

R29を右折、山中に向けしばらく進むと、正面に氷ノ山山頂が見える地点がある。ここからは朝日を浴びてキラリと輝くそこの二つの建物もはっきりと見て取れる。

「『午後から雨』との予報は外れてくれないだろうか。」

この光りを目の当たりにすると、ついこんな気分になったが、そう甘くはなかった。

やがてスキー場に到着。駐車場は大変な賑わいで、とりわけマイカーが多いので駐車するのにも一苦労。

リフトからは山頂が手にとるようにくっきり間近に望めたが、すでに兵庫県側上空には雲が出始めていた。

「何とか山頂に着くまで持ってくれればいいが・・・」

リフト終点まで来ると南や東の展望が開けるが、あいにく嫌な予感が当たったようで、南からは前線に伴う雲がすぐ間近まで迫り天気の崩れるのは見え見えのようだ。

リフト終点から南の尾根

リフトに乗る際、履いていたスキーをここで脱ぎ、ブナの森まではツボ足で登る。

はじめ植林帯の急登だが次第に傾斜が緩くなるにつれ展望が開け、扇ノ山や青ヶ丸、仏ノ尾といったこの地域特有の裾野を大きく広げた山々が、雪化粧した姿を見せてくれるようになる。

もちろん、左前方、木々の間にはこれから向かう氷ノ山山頂も見えるようになり、西方遠くには大山も真っ白な姿を見せてくれる。

後方に扇ノ山を見ながら西尾根を登高 氷ノ山
扇ノ山 氷ノ山
右手、東山 大山
東山 大山

痩せ尾根を慎重に通過すれば、三ノ丸手前に広がる大雪原の入り口ともいえるブナの森はもう間近だ。

痩せ尾根を過ぎるとやがてブナの森
痩せ尾根を行く岡山大の面々

本来ならここまで来れば
「さあ、これからがお楽しみ!」
といったところだが、朝の好天は何処へやら・・・。

雲は時間を追うごとさらに低く垂れ込めるよう。この先のことを思うと不安にならざるを得ず、スキーを履く手もついつい緩慢に・・。

雪原帯より三室山方面を見やる
南面の展望

北の氷ノ山はじめ南の三室山や後山方面も、この後しばらくは望めたが、三ノ丸展望所に着くのと時を同じくして北、氷ノ山方面にはガスがかかり始め、やがてあたり一面、白いヴェールに包まれた。

雨はまだ降り出してはいなかったが、これ以降、展望を得ることはなかった。

三ノ丸をあとに氷ノ山へ向かう
氷ノ山へ向かう一行

三ノ丸から氷ノ山へは、短い滑降と登高を繰り返しアップダウンしながら進む。

展望のないまま何時しか山頂直下の雪原帯に出るも、この頃からは雨も降り出し状況は最悪に近いものとなった。

それでも最後にもう踏ん張り。ルートを見失わないよう留意し、尾根上では最も長い山頂直下の上りをこなす。
ガスの中に展望台が現れるとひと安心。山頂に建つ三角屋根の避難小屋もすぐそこだ。

こんな天候時は避難小屋の有難味をひしひしと感じる。

ずぶ濡れのウェアーを着替え、ゆっくり食事にありつけるのも、この小屋のお陰。好天時には見向きもされないことがあったり、人によれば
『山頂に建つ目障りな三角屋根』といった批判めいた陰口を聞いたこともあるこの小屋だが、今日のような荒天時にはなくてはならない存在だ。

お陰でゆっくり出来たが、外は相変わらずの天候で予報どおりの結果となってしまった。朝、道中から見た光り輝く光景はここにはなかった。

小屋内でのんびりした後、雨をつき三ノ丸へ向け下山開始。

山頂南面の斜面、コース中では格好の斜面もこの状況ではこれにあらず。縦横に歩き回ることも出来ず、腕のなさも手伝って一瞬で滑走終了。

アップダウンを繰り返し三ノ丸へと向かう。

三ノ丸展望所で休憩
三ノ丸展望所

展望所で大休止の後、ブナの森までの緩斜面でテレマーク・ポジションをチェックしながら、しばし滑走。

ブナの森でスキーを脱ぐと山行も終わったも同然。

ツボ足で西尾根をグングン下ると、やがて無事リフト終点に到着。

最後にゲレンデに思い思いのシュプールを描き、山行の締めくくりとした。

◆【ワン・ポイント・アドバイス】

ブナの森〜三ノ丸〜氷ノ山間、『晴れれば天国、ガスれば・・・』。

時には撤退する勇気も必要だ。


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