◆【山行日時】 2006年2月4日 くもり一時雪のち時々晴れ
◆【コース・タイム】
鹿伏集落奥の神社=2時間15分=稜線=30分=三久安山山頂=1時間15分=稜線北方・1,067ピーク
=1時間05分=一宮町側・林道支線=50分=林道終点を経て、沢の二俣
=1時間35分=稜線を越え、波賀町側・堰堤のある林道終点=5分=神社
◆【歩行時間+滑降時間】 7時間05分

◆【詳細】
『ひょうご山蹊記』著者であるjpさんにお願いして、波賀町、鹿伏から三久安山山行に同行させてもらった。
鹿伏集落の奥の神社前まで車を進め駐車したら、ノートラックの林道を歩き出す。
しばらく歩くと、波賀町の飲料水取水口ポイントとなっているらしい堰堤のあるところで林道は終わり。
そのまま左岸に沿って沢沿いの植林帯を行く。
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稜線を正面に見上げながらの林道歩き |
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沢沿いの左岸を行く |
やがて行き詰まったら、右岸へと渡る。
すぐに、立ち枯れた広葉樹の尾根を正面に見る二俣に出合う。左俣を渡ったあと右俣へと向かうが、この沢はかなりの傾斜。
再度、読図し、左手に見えている尾根(正面に見えていた尾根)は広葉樹の雑木なので、登る尾根はこれと見て取り付く。
雑木林を急登すると、右手には次第に1,073から北西に延びる尾根が見えてくる。
ジグザグにしばらく急登。高度を上げるとともに神社を出るときにはちらちら降っていた雪もやみ、前方の植林の合間から陽が射すのが見えるようになっていた。
やがて、稜線に到着。ここは、これまでの植林や雑木からは想像できないプチ・ブナの森だった。
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二俣の右俣側から尾根に取り付いたら急登 |
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稜線に出たところには印のつけられたブナがあった |
進行方向を確認のうえ右(南)にとったら、ブナも見ながらの気持ちのよい尾根歩き。
緩やかに上りながらしばらく歩くと三久安山山頂に着く。
雑木の木立の山頂部は、こんもりとしていていることもあり、どこが山頂かも分からないほど。
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稜線で方向確認 |
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稜線を三久安山へ向け進む |
天候はときおり陽も射すが、なかなかすっきりとはしてくれない。
元来、展望はあまりよくないようだが、ここで早めの昼食とする。
jpさん曰く、
「まだまだ、これからですよ。」
短い食事が終わったら、シールをはずし滑走。
あっという間に登って来た尾根との合流点を過ぎ、もう少し先のコルまで滑る。
このコル付近は風の通り道のようで、右手(一宮町側)に少し雪庇が発達していた。
予定では滑降したあと、林道終点から沢を詰めてここへ登り返すことになるのだが、果たして予定通り戻ってこれるかどうか・・・。
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滑走 |
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シール登高 |
再びシール登高。
1,012を越すと右手に目的の白い斜面や、谷の向こうに藤無山が見えるようになる。
気持ちのよい登高が続き1,067に達したらシールをはずし、方向確認したら派生尾根の出る小さなピークへ向かう。
ピークにはこれから向かう尾根方面に小さな雪庇があったので、少し先からトラバース気味に滑り込む。
雑木の尾根上を短く滑ると、疎林になるとともに正面に藤無山が見えてきた。眼下には雪に覆われた白い斜面も見える。
「バッチリ正解!」
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藤無山 |
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白い斜面上部より稜線を見上げる |
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三久安山(右は1,012ピーク) |
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jpさん |
フカフカパウダーを滑りながらトラバース気味に少し高度を下げたら、jpさんが斜面に向かい滑り込む。
「さすが〜ッ!」
何度かターンを決めたら瞬く間に姿が小さくなり、立ち止まったところはすでに植林の上。
こちらも続くが、彼のように上手くは行かない。
「ま〜、こんなもの。」
仕方ない。
悲しいかな、お楽しみはこれでおしまい。
沢沿いを下るようになり、少々緊張させられるが、左岸から右岸へと渡りしばらく下ると林道が見えてきた。
沢を渡渉すると思惑通りの箇所で林道と出合った。
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林道をシール登高 |
ここからもう一仕事。林道をシール登高する。
林道終点からは沢沿いに進み、雪庇のあったコル目指し登る。
植林帯をしばらく登ると二俣に出合った。
時間もおしていたが、ここで一本たてることとし、jpさんが沢の水を汲んでくれた。
ゴクゴクッと何口か一気に飲むと、これが何時になく美味かった。
コルまでは、まだもう少し頑張らなければならない。
トップを交代しながらジグザグに急登すると、右に見えてきた尾根上部に夕陽があたっているのが見え出した。
ここに来て、すっかり天候はよくなったようで東、遠くには生野高原・段ヶ峰方面も見渡せた。
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稜線間近 |
やがて植林帯を抜け、上部には雑木に混じりブナの点在するスカイライン。見たような雪庇も・・・。
雪庇直下まで達しスキーを脱ぎ、「よっこらせ」と雪庇を低いところで乗越すと、見事、目論みどおりのコルに戻ってきたのだった。
無事、稜線に、それも思い通りの箇所に戻ってきたことで、これまでの読図に違いがなかったことが証明されたのだった。
あとは下りのみ。方向確認のうえ目の前の谷に滑り込む。
初め、潅木に激突してはいけないとシールを着けたままだったが、これでは滑りが悪く、また意外と疎林だったので、すぐにシールをはずし再度、滑り出す。
三ノ丸のわさび谷のようなこの谷は、想いのほか快適に滑ることができた。
トラバース気味に左の尾根に回り込むと朝のトレースに出合う。
気を引き締め雑木の斜面を短く滑ると、早くも二俣まで下っていた。
「やはり、下りは早い。」
左俣を朝と同じ箇所で渡ったあと、本谷は渡渉して左岸を下る。
植林にぶつからないよう注意しながらしばらく下ると、前方が開けてきて堰堤のある林道終点に出た。
先に到着していたjpさんが笑顔で迎えてくれた。
このときの笑顔は自身にとって何物にも代えがたい、うれしい物だった。
「お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。」
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林道終点の堰堤と夕陽に照らされる雑木林 |
下って来た谷の方向を見上げると、堰堤上部の尾根の雑木が夕陽に紅く染まっていた。
なかなかハードな山行は、このあと神社までの林道の下りを残していたものの、ここで終わったも同然だった。
上りではあんなに時間の掛かった林道も意外と傾斜があったのかスキーはよく走り、神社まではわずか5分たらずで到着した。
荒天下に限らず雪山では充分な知識、装備をもって臨まなければなりません
なかでも地形図、コンパスはどのような状況においても最重要な必須アイテムです
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