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縦走路から見る桶居山 (右端にわずかに高御位山山頂が覗く) |
◆【山行日時】 2004年12月19日 くもり
◆【コース・タイム】
姫路市御国野町深志野・登山口=45分=桶居山=50分=主稜線合流点=25分=高御位山
=55分=高砂市阿弥陀町北池・下山口
◆【正味歩行時間】 2時間55分
◆【詳細】
高砂市北部、一願成就で名高い鹿島神社を取り巻くようにひかえる高御位(たかみくら)山の山域は別名、播磨アルプスとの呼び名があるのを見ても解るとおり、尾根歩きや岩稜歩きすることによりアルプス気分を気軽に満喫できる山域だ。
標高に関してはもちろん”本家”には到底及ばないものの、高御位山山頂や稜線上からの眺望の素晴らしさは地元、高砂、加古川はもとより阪神間からでも足を運ぶ人の多さを見れば実証済み。
低山ながら人気があるのは色々な要素があるからだろうが、自身が以前から気になっていたのは、むしろ、その主稜線から西に外れたところに位置する桶居(おけい、おけすけ)山だった。
同じく標高は低いながら、どの方向から見てもピラミダルな山容を持つこの山は、目にする機会がある度、
「何と格好のいい山だろう。」
と思うと同時に、
「高御位山と一緒に歩ければ。」
と、その都度考えていた。
この想いを実現するに当たっての最大のネックはアクセスの問題だったが、ない知恵を絞ったうえようやく行き着いた考えは、こうだった。
まず、姫路駅まで自転車で行き、乗り捨てる。(ちゃんと施錠します)
駅前の神姫バス乗り場から夕陽ヶ丘行きのバスに乗り、終点の少し手前、深志野バス停で下車。バス停近くの登山口より入山し、桶居山、高御位山、中塚山と縦走。
下山後、R2の最寄りのバス停まで歩き鹿島神社発加古川駅行きのバスに乗車、宝殿駅で下車する。宝殿駅からJRに乗り姫路駅へ戻る。
乗り捨てておいた自転車があるはずだから、これで帰宅する。
ようやくアクセス方法が決まり所用を済ませたら
「これでバッチリ!」とばかり自転車にまたがり出掛けた。
行きのバスは姫路駅前、10時20分発。帰宅後にも所用があるので、帰路の加古川駅行きは鹿島神社、14時45分発に乗らねばならない。
となると、入山から下山までに与えられた時間は約4時間。
入山時のバスが1時間に一本。下山時のそれは2時間に一本しかなく、家を出る時間との兼ね合いもありこんな計画にならざるを得なかったのだが、この4時間という短い時間が歩くにあたり変なプレッシャーになった・・・。
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しばらくバスに揺られ登山口へ |
自転車を乗り捨てたら姫路駅前から夕陽ヶ丘行きのバスに乗り、記憶にない路線バスのショート・トリップを楽しむ。
見慣れた光景も違う場所からなので、新鮮に見えるから不思議なもの。
市街地を抜け、左手に桶居山の稜線が見え出すと、やがて深志野バス停。
ホンの少しばかり北へ歩き、民家脇の路地を山中へ入る。
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民家脇を山中へ |
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すぐに姫路市街地が見えるようになる |
急登すると、すぐに背後に姫路市街地が見渡せるようになる。少し靄っている感はあるものの目を凝らせば姫路城も確認できるから、今日の見とおしは「悪くもなく良くもなく」ってところだろうか。
10分そこそこで初めのピークに出る。遮るものがなくなり、これからは四方の景色を楽しみながらのんびり歩きたいところだが、この時、既にバスの時間が気になりかけていたので気ぜわしい。
小さなアップダウンを何度か繰り返しながら進むと次第に桶居山の特異な山頂部が大きくなる。
山頂直下で短く急登し、奇岩を見ると間もなく桶居山山頂。
思いの外、広い山頂からは360度のパノラマが広がる。

しかし、東に見える高御位山はずいぶん遠く、時間も気になるので休憩もそこそこに山頂を後にする。
ここの下りはこのルート最大の難所。この山域独特の露岩上がルートとなっているのでスリップに十分注意しながら慎重に下る。
山頂で出会った人によると主稜線までの所要時間は約1時間。その先、高御位山から中塚山を経て下山口までも約1時間。
「のんびりしていたら昼飯を食べる時間がなくなってしまう。」
バスの時間から逆算すると、ここから主稜線までをいかに素早く歩くかによって昼飯にかける時間が決まってきそうだ。
あせる気持ちを抑え、難所を過ぎたらスピードアップ。
遠くなりつつある三角錐を時折、振り返りながら先を急ぐ。
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桶居山を振り返り見る |
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高御位山が次第に大きくなる(右のピークが合流点 右下は射撃場) |
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ずいぶん遠くになった桶居山 |
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右手に砂防ダムを見た後ピークに出て、正面下に射撃場を見るようになると北に回りこみながら進む。
ここまで来ると高御位山もずいぶん大きくなり、合流点もすぐそこになった。
短く登りをこなすと主稜線に出る。高御位山は大きくなった代わりに桶居山はすっかり姿を消してしまった。
ここで、ようやく中塚山への尾根を目にすることが出来るようになるが
「まだまだ先は長い。」
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主稜線合流点より高御位山を見る |
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主稜線より中塚山への尾根を望む |
昼飯をできるだけゆっくり食べる為、急いで歩く。
何とか、ほぼ予定通り高御位山山頂に到着。今日初めて腰を下ろし遅目の昼食を摂る。
ここでのご馳走は目の前に広がる播磨平野の風景。
淡路島も微かにその影を見せてくれているから、500円そこそこのコンビニ弁当も美味いはず。
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高御位山山頂より南望 |
早々に食事を終えたら、自身で設定した出発時刻通り山頂をあとにする。
少し東へ向かい成井登山口への分岐を右へ取り、急降下。ここも桶居山の下りほどではないものの、十分注意しなければならないほどの岩場の急坂。
下り切ったら再度、徐々に登りながら尾根道を進む。
西神吉や阿弥陀町北山への道を分けたら、あとは緩やかに下るのみ。後ろも振り返りながら長かった縦走の余韻にひたり、トボトボ歩く。
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南東尾根より高御位山を仰ぐ |
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中塚山南西より高御位山 |
雑木の中でおじさんを追い越すと間もなく北池登山口の地蔵堂に出て、兼ねてよりの願望だった深志野〜高御位山〜中塚山縦走を無事終えた。
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下山後、北池登山口・延命地蔵堂付近から高御位山を見る |
終始、気になっていた時刻はというと、加古川行きバスの発車15分前だった。
あと5分早ければ姫路行きのバスにも乗れなくもなかったことを思うと、その時は想定外のことにひどくガッカリさせられたが、このあと、この時刻に下山したことで短時間で姫路駅に戻ることが出来た。
というのも、お堂のすぐ先のR2にバス停を確認後、再度お堂に戻ると、先ほどのおじさんが休んでいた。
おもむろに声をかけ、「どちらから?」と尋ねると「姫路から」との返事。
話すうち、こちらの帰宅方法を話すと、ひどく大変そうに聞こえたのか
「それなら駅まで乗せたげよか?」
と、思いも寄らない問いかけ。
ふと見ると道端に停めてある一台の車。
「あれがおじさんの車?だから、ここで休んでいたんだな。」
こちらとすれば、
「バス停で座り込んでいるよりも、少し離れたここでバスが来るのを待とう。」
こんな気持ちでお堂に戻ったのだが、さておじさんにはこの行為はどう映っていたのか。
二つ返事とは行かないまでも、この”ご厚意”を見過ごすのはいくらなんでも忍びなく、お言葉に甘えることにした。
この後、お陰で何の苦労もなく姫路駅近くで自転車と無事、再会。
予定よりかなり早く帰宅できたのだった。
このおじさんに出会ったのは決して偶然ではない。
『備えあれば憂いなし』
何度も入下山の方法を吟味していたからこそ最後に来て偶然の出会いに遭遇できたものと信じている。
(ちょっと大げさでしたか・・・)
◆【ワン・ポイント・アドバイス】
今回のルートなら入下山口への最終的な公共交通機関はバスのみ。
姫路駅〜夕陽ヶ丘行きは基本的には1時間毎。鹿島神社〜宝殿駅〜加古川駅は同2時間毎。
詳細は神姫バス
◆高御位山山頂からの眺望ビデオを見る 六甲〜淡路 淡路〜瀬戸内
◆加古川市志方町・成井からのコース・データはこちら
◆高砂市阿弥陀町・長尾からのコース・データはこちら
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