北海道の旅、

伊丹〜新千歳〜滝川・Nさん宅

Nさん宅から見る夕焼け


8月12日、今年のお正月過ぎに約束、指折り数えて待った北海道滝川市、Nさん宅を訪問する日がやってきました。北アは見えるかな。Nさんのおうちはどんなかな。大雪山はどんな山だろう。

思えば随分勝手なことを言ったものです。Nさんとは99年秋、四国、剣山頂上ヒュッテで一緒になり「知る人」となったのですが、実は会ったのはそのとき一回きりです。それをいきなり泊めて欲しいなんて言うんだから大したモンです。それに比べ、快く受け入れてくださったNさんのなんと心の広いこと。さすがは北海道の人。と、言うよりNさんならではでしょうか。

勝手な言い分をNさんが聞いてくださったお陰で、今回、私達夫婦は新婚旅行以来11年振り、(あ)は当然初めて北海道へ行くこととなりました。首を長くして待ち焦がれていた日が、とうとうやって来たのです。

伊丹空港より、今では随分小さい部類の機種となってしまった、約150人乗りの飛行機で千歳空港へ出発です。北アは左手下に見えた記憶があるので、予約時にその方向の座席を確保しておいたのですが、これがちょっと失敗。付近に差し掛かった頃、機長がアナウンスをはじめした。
「みなさま、こんにちは。機長の『xxx』でございます。―さて、当機は現在北アルプス上空を飛行中で、皆様の右手下には・・・」
な、何!?、右手ッ!!
後の祭りです。もう少し大きな機種なら、中間あたりや最後尾にある窓からそれを見ることができたのですが、小型機なのでこの窓がとても小さく、おまけに丸かったので、結局、見ることができませんでした。

しばらくすると(さすがに、飛行機は早い)、もう秋田上空。先ほどまで広がっていた眼下の雲海も晴れ、男鹿半島が見えてきました。やがて、岩木山が見えてくるとすぐに津軽半島、津軽海峡の向こうに北海道・渡島半島が見えてきます。
津軽海峡を挟んで龍飛崎と松前町 函館上空 駒ケ岳と大沼公園

函館上空を通り、噴火湾を左に見ながら徐々に高度を下げ室蘭上空を通過、千歳空港へ着陸です。

JR線に乗り換え札幌を経由、一路滝川へと向かいます。札幌を過ぎると車窓からの景色はいかにも北海道らしい風景となり、我が家のあたりとは随分違うようです。水田はあまりなく、とうきび、そば、りんご、馬鈴薯などの畑が広がっています。そんな中、線路脇に建っている民家に共通点があることに気付きました。どのお宅も窓をとても大きくとってあります。今はホンの短いいい季節ですが、長い冬、できるだけ陽の光を取り入れ少しでも気持ちよく暖かく過ごすための知恵でしょうか。

岩見沢、美唄を過ぎると間もなく目的地、滝川です。千歳空港で電話を入れておいたのですが、Nさんはちゃんと迎えにきてくれているでしょうか。
「1年半以上も会ってないし、まして会うのは二回目だし、分かってもらえるだろうか。」
「ここまで来て会えなかったらどうしよう。」

心配は、取り越し苦労でした。改札の向こうにはちゃんとNさん夫婦がいてくれました。これだけの期間会ってなくても分かり合えるものなのですね。無事、滝川到着です。

今日はとても天気が良いらしく、直接家には向かわず展望のよい近くの丸加高原へ連れて行ってくださいました。高原状の頂上にある展望台からは、なるほどすごい展望が広がっています。広い石狩平野を北方面から一望できます。また、それを取り巻く増毛山地の暑寒別岳やイルムケップ山、夕張山地の芦別岳や夕張岳。
「一番奥に見えるのは札幌の恵庭岳だよ。」
Nさんが教えてくれました。恵庭岳はここから百キロ以上も離れていますから本当に今日は見通しが利くようです。

夕張山地 イルムケップ山

地元のNさんでも、
「こんなに見えることは滅多にないよ。」
Good timing でした。

展望を楽しんだ後、お宅へ向かいます。それにしても広い道です。国道は当然かもしれませんが、脇道でもそれにも負けないくらい立派な道ばかりです。

Nさん宅は、三角屋根のお宅で国道から少し外れた高いところに位置していました。周りの雰囲気はのんびりとした静かな所で、おまけに景色もとてもいい所です。

Nさん宅と、庭から見る夕焼け

家の中の様子は北海道らしく(?)オープンで、トイレとお風呂以外は仕切りがありません。何処かのペンションにでも来たようです。私達三人は二階の屋根裏部屋に案内されました。真夏だというのにとても涼しく快適です。
実はこのお宅、ご主人の手造りなんですよ。すごいでしょ。野菜なんかも畑で栽培されているようで、夕食はご主人の作られたテーブルやイスで、奥さんのつくられたもぎたて新鮮野菜やジンギスカンのバーベキューです。食べるものは皆美味しいし、当然屋外なので居ながらにしてこの景色ですから言葉はありません。

北海道の旅、
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